第6話☆悪魔の契約
あたしはlittle devil…
覚えておいてね
そういった少女の声は、忘れられそうにもない。
イヤ、恋とか、変な意味なんかではなく、
背筋が凍るほどの冷たい声だったからだ。
「なんだったんだ…?」
コンビニの消毒液等が入った袋を片手にぶら下げながら考える。
監視役。
その言葉が妙に冷たくて、、
リルを運命から逃がさないような鎖。
その役をlittle devilはしているのだろうか。
…リルはどんな運命を背負っているのだろう?
「リル」
家に帰ると
当のリルはオレの部屋のベッドでごろーんと、くつろいでいた。
しかも、本棚にあったはずの雑誌をベッドに散らかしている。
この間、片づけたはずの部屋なのに、、なんちゅー有様…!
「ん?…あぁ、戻ってたのか」
リルは気づいて顔を上げる。
絶賛、絶句状態の顔をしているはずだったが、、
「このマンガ、面白いな!」
そんなオレににぱっと笑いかけてきた。
そんな笑顔を漫画に対して向けるのか、、
オレは極悪の笑顔しか見たことなかったから、なんだかどきっとした。
「運命と戦う主人公の漫画。」
ふっ、と表情を消してリルがオレを見上げる。
「嫌われ者の魔王が勇者になる話。」
嫌われ者の魔王としての自分の人生を謳歌すればいいなどと思わず、勇者を目指した魔王。
「運命などに振り回されることない」
ふふ、と微笑み優しい眼差しを漫画に向ける。
その姿は…まるで、、
腐女子のようだった。
「さっき、little devilって子に会った。」
そういうと、
はっとした表情でオレを見、
「な…っ!?」
立ち上がったリルはオレの肩を掴んだ。
「何かされたか!?怪我は!?大丈夫か!?」
リルにすごい剣幕に押されて二人してベッドに倒れ込んだ。
後ろが床でなくてよかった、
腰にくるところだった。
でもベッドに押し倒された状況って
…ヤバくないか、、?!
といえども、そんな雰囲気ではない。
つーか、、リルに対してそんな気持ちになるはずもございません☆うん、大丈夫だオレっ、平常心でいこうze☆
「大丈夫、、ただ、」
そうアイツは…
「逃がさないって、、言ってた」そう口にするとリルは目を見開いて
顔に影を落とした。
「どこまでつきまとう気なんだ…!!」
がんっと、拳をオレの真横に落とす。
そこを中心にへこみ、ベットにシワが寄る。
「私は…」
リルが口を開く。
「イヤだ、、あの場に戻りたくなどない。」
ぐっとオレにしがみついてくるリル。
あの場所って…どこだ?
リルがこんなに嫌がるところなんて?
「…それに、、リングを、助けたい…!!」
いつか助けたい。助けなければいけない。
リングにはあの廃墟ビルで会った。
でも、、
私に攻撃を仕掛けてきた。
どうして?リング…っ
「運命をねじ曲げたいんだ!」
そういわれてはっとする。
「、、オレを主にした時点で運命はねじ曲がってるって言ってたけど…?」
そういうと、リルはオレから目を逸らす。
「それは、、
っ、貴様は主ではないからだ」
は…。
オレは主ではない?
「私がお前を選んだ。」
どうしてオレなんかを?平々凡々の野郎ですよ?
「私のカンだ。お前には、、力を持てるような精神があると思ったからだ」
そして、
「お願いだ。
私と共に…運命を変えて欲しい」
リルはそう呟いた。
こんな苦しそうにしているリル…
「…わかった」
そう、オレはもう関わってしまったんだ、
深みにはまっているのだろう。
引き返すことなどできはしないカラ。
うなずいた。
「契約だ…」
そういって、リルがオレに顔を近づけ…
悪魔の契約のための口付けをした。
いつもよんでくださってありがとうございますっ☆すみませんが、自分の都合で来週は休みます、、!




