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第3話★闇


「はっ。バカか」


ふんっと鼻息を荒げたのはリトルデビルの『リル』。

オレの愛読書『ジャプン』の悪魔とラブという話を読んでのご感想は


「悪魔が人間に恋などするはずないだろうっ」


言い放って

愛読書をオレに向かって残酷にも投げつけやがった!!


以前は、オレの元にも悪魔が現れて恋に発展したらなあ★などと思っていたのだが、、


「恋などするわけなどないだろう」

同感である。その言葉、そっくりそのまま返してやろう。


こんな、わがままなツンケン野郎に恋などするわけないっすよ。



……などと思っていたが、悪魔と、恋をしてしまったなんて。


そして、オレらが苦難の道を歩む事になったなんて、、

今のオレは想像もしていなかった。




+--+--+--+--+--+--+--+--+--+



「ねぇ、知ってた?」



闇の中で鈴とした声が響く。そのバック音のように、ひっひっ、という泣き声が聞こえる。


「主様<アルジサマ>には忠実でいなきゃイケナイの」


くいっ、と戦意をなくして横たわる悪魔の顎をまるでキスでもするような動作でなでる。


外見は少女。くまの人形というファンシーな物を抱えている。

だが、大人びた雰囲気を持っている。


そして顔を近づけ、


「主様に逆らった悪魔がどうなるか」


背筋も凍るような声音で告げた。


「このあたし、little devilが教えてあげる」

直後、

長くて恐怖の色で染まった声が響きわたり


悪魔は横たわったまま動かなくなった。




+--+--+--+--+--+--+--+--+--+


「おい、主。」

そう呼ばれ振り向く。

主と呼ばれたが、

リルはオレの事を主と思ってはいない、

運命などで決められたものは嫌だそうです。


「出かけるぞ。」


またですか。


また、あーゆーモンスターとか珍獣に会いに行くのですねっ!


…て、行きたくねぇよぉお!


探検家でもなんでもござらない、至って平凡な人間ですからっ!


そう否定したら

「貴様、刻むぞ」

まるでオレを刻むために伸ばしたかのように長い爪を首に向けてきた。


…敵意むき出し。

主と呼んでおきながらなんちゅー扱い。。



「…はい、いきますとも。」

刻まれる運命から逃れるために答えた。


「では、いくか。」

にっと笑ってオレの

手をつかむ。

そして、なんの躊躇もなく2階の窓から飛び降りた。


ななな?!

殺す気かーーー!!?



そう思ったが、ふわっと体が浮いた。

「私には悪魔の羽根がついてるんだ」


背中をみたが、何もついてなくて。

「ついてないじゃ」ん。


「へ、変態ぃいっっ!」


いい終える前に思い切り蹴られた。



「羽根などというファンシーなモノがついているわけじゃない…っ、刺青だっ!」


貴様は私の素肌がみたいとゆっとるのかぁあ!?


などと、先走った思考で暴走。

「違うっ!ファンシーな方が見たかったんだ!」

と否定するが、聞く耳を持たない悪魔は


「このおぉっ!」

といってオレをぶん投げた。


羽根がついていないオレは重力に叶うはずもなく、落ちていった。




「え、あんなところに落ちたの?」


ぎゅっと、くまの人形を抱きしめて言う。


次のターゲットは幽霊だと思っていたのに。

だから戦いが見られるポイントを準備しておいたのにぃ。

「ま、あの場所には強いモノがいるんだから、楽しいかもぉ★」

きゃははっと笑ってその場から唐突に消えた。

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