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【12万pv完結感謝】念動魔術の魔剣使い -大切な人を護り続けたら、いつの間にか世界を救う旅になりました-  作者: 雪白ましろ
第四部 天界編

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6話 天界への道筋

天界からの干渉によって魔界に帰ることが困難になった魔王とクラリスは、


一度中央に戻ってレルゲン達を交え話し合いが再度行われることに。


「やっぱり転移魔法陣で天界まで行けたりしないのかしら?

この前の魔界の時みたいに神託の力を使って」


マリーは神託の占星術で天界の正確な座標を割り出せれば、こちらから奇襲をかけられるのではないかと提案したが


ディシアが首を横に振って占星術は今回使えないと説明する。


「感覚的にはできそうな気がしますが、今回はここではない別の次元への干渉になります。


占星術は星を利用して占いをしますが、星々より遥か先に天界があることは間違いないでしょう。


仮に占星術が可能だったとしても使う魔力量があまりに莫大で、恐らく空中都市メテオラの赤い浮遊魔石を触媒にしても足りないでしょう。


残念ですが現実的な案ではないと考えます」


「となるとやはり…」


セレスティアがクラリスの顔を見ると、頷いて代案を出した。


「天使がこちら側に開けた次元の狭間を辿っていくのが一番確実かと。


次元の狭間がどんな空間になっているかはわかりませんが、確実に天界へと通じていることは間違いありません。


魔界に空いた次元の狭間は既に閉じていますが、今日新しく空いたことにより天界に進軍するチャンスが生まれたわけです」


「やはりその手になりますか」


普段から冷静沈着なクラリスとセレスティアの意見が一致するということは、

リスクとリターンが見合っている現実的な内容だろう。


あと必要なのは、未知の世界に飛び込む勇気だけ。レルゲンが話を聞いているメンバーに確認する。


「今回の遠征は天界だ。厳しいことをあえて言うなら、生半可な覚悟なら参加しない方がいい。


勇者の召子と魔王のメアリーがいたとしても、間違いなく簡単な戦いにはならない。


そもそも無事に天界に到着できるかもわからない。来ないこともまた勇気だ。


一時間後、またここにみんなで集まってメンバーを決めよう」


全員が頷き、席を立ちながら全員が考え始める。


中には既に答えが出ている者もいたが、迷っている者もいる。


一時間後、再度全員が集まり天界への長期遠征のメンバーが決定した。


魔王とクラリス、召子は最初から行くと決めていたが、レルゲンとマリー、セレスティアが参加すると挙手をする。


その他は今回は見送ることになり、レルゲン達に命運を託すことになった。


メンバーが決まったところで、召子に魔王メアリーが釘を刺す。


「召子、そのフェンリルとアビス・アイビスは連れて行くのかい?」


「もちろんそのつもりだよ」


「残念だけど、今回行く天界には魔物の類は一切いないんだ。


連れて行くと間違いなく見つかってしまう。勇者と魔王がやってきたと。

だから、今回は置いていくことを勧めたい」


「そっかぁ…寂しいけど今回は仕方ないのかな…ごめんねフェン君、アビィちゃん。

今回はお留守番になっちゃうみたい」


「クゥン…」


分かりやすく尻尾を丸めて落ち込んでいるフェンと、

頬ずりすながら別れを惜しむアビィを抱きしめながら召子が優しく


「帰ってきたら思いっきり遊ぼうね」


心を込めて伝えると、二匹は納得したのか召子から離れていく。


その様子を見ていたメアリーは少し申し訳なさそうな表情になったが、天界経験者の言うことは無視できないと思った召子は少し泣きながらも力強く


「大丈夫!」


宣言して前を向いていた。


女王は意外にも決まったメンバーには好意的で


「魔王を打ち倒し、あまつさえ行動を共にするまでにあなた方は成長しました。

女王として私から言うことはもう何もありません。ですが、母としてなら二人に」


優しい眼差しでセレスティアとマリーを見つめ


「元気な姿をまたここで母に見せて下さい。約束出来ますか?」


「はい!」


「約束します」


そして最後にレルゲンを見て、女王が一言だけ身を案じるように言葉をかけた。


「私は貴方のことを義理ではなく、実の息子の様に思う程頼りに、そして心配する気持ちが大きくなってきていると感じる所があります」


勝手ですがね、と苦笑いをしながらも女王はレルゲンに対して親の情が移っていることを白状する。


「今回も貴方には娘達を、そしてこの国を護って欲しい。その力があると信じています」


「勿体なきお言葉です、女王陛下___いえ、お母様」


レルゲンが少し恥ずかしがりながらも女王に対して初めて呼んだ言葉は、場の雰囲気を和やかにさせた。


天界には空気があるとは限らない。

もしかしたらそこは光の届かない場所かも知れない。次元の狭間は不確定要素があまりにも大きい。


そこでレルゲンが念動魔術で周辺空気の外側を薄く固定して空気循環が出来るようにし、全員分の酸素マスクを着用する事に決まった。


「やっぱり非常時にはとても重宝しますね。レルゲンの魔術は」


セレスティアが初めて水中で呼吸をした時の事を思い出しながら呟き、魔王メアリーとクラリスも固定されている空気の層に手で触れながら感触を確かめていた。


「どうやら薄い膜の様になっていますね」


「少しばかり身体が温かくなっている感覚もある。これは火の魔術の複合かい?」


「いや、空気の膜を作った事による副次的な効果だろう。気温が下がるなら各自火の魔術で凌いでくれ。


召子はメアリー、君に任せたい」


「よかろう!では召子よ、共に行こうか」


「よろしくね!アメリア」


やはり召子とメアリーは馬が合うのだろう。

戦いの後の別れ仕草を見てそう感じてはいたが、今のやり取りでレルゲンは確信する。


(フェンやアビィがいなくなって少し不安だったが、魔王が傍についていれば安心だな)

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