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日本国、異世界へ。(旧題 異世界転移は唐突に)  作者: スライム小説家
第二章

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55話 上陸作戦

 ドオオオオン!


 爆音が市場にこだまする。


 ドオオオオン!


 次々と崩れ落ちていく建物。勢いが増すばかりの大火。


「き、貴様ら………もう知らん!」


 指揮官であるノームルは、一目散に逃げだしていた。


「ど、どこから撃たれてるんだ!?」


「馬鹿野郎!海の方を見ろ!あれに決まってるだろ!」


 兵士の一人が、崩れ落ちた建物の一部に隠れながら、恐る恐る海を見る。そこには、白っぽい色の船がいくつも見えていた。


「あれから撃ってるのか………」


「魔砲で反撃できないか?」


「無理だ!全部さっきの大爆発でダメになったし、そもそもこの距離じゃあ届かん!」


 ドオオオオン!


「なっ」


 隣の果物売り場に砲撃が直撃し、瓦礫を周囲へまき散らす。

 不幸なことに、ある兵士が足に当たって負傷してしまった。


「お、おい?大丈夫か!?」


「は、ははは………ま、まだ俺は戦えるぜ………」


 負傷した兵士はまだまだやれると言わんばかりに元気そうにするが、溢れ出る多量の血はそれが事実ではないことを物語っていた。


「だ、だれか!回復魔法を使える奴はいないのか!?」


「さっきの砲撃で死んだ!もうだめだ!こっちは都市部へ退避する!」


「民間人を巻き込むつもりか!ノームルの野郎が言ってた通りにして勝っても意味がねえ!」


「ここで犬死するよりはマシだろう!」


 都市部へ絶対に通さない。そう意気込んだは良いものの、二ホン軍の軍艦による砲撃は甚大な被害を彼らに与えていた。


「おしまいだ!もう息子なんざ知らん!逃げろ逃げろおおおっ!」


 そのせいか士気は威勢の良かった最初とは逆に、少なくない数が都市部へ退避して立て直しを図るか、或いは逃げ出している。そこまで士気が低下した原因の一つが、絶え間なく続く砲撃によって大損害を帝国軍が出しているが、二ホン軍へ反撃どころか攻撃を当てることすらできていないからである。


 ここで抵抗しても、無駄なのではないか。


 そんな気持ちが大半にある中で、戦いは更に苛烈なものになろうとしていた。


「あのでかいやつから、小型の船が出てきたぞ!」


「こ、こっちに向かってきてる!奴ら上陸を始める気だぞ!」


「お前ら!もう少し耐えれば奴らに一太刀浴びせれる!絶対に奴らの陸軍を倒して、ここから先に一歩も通すなよ!」


「やってやるぜ!」


 攻撃さえ届けば、なんとかなる。そんな希望が帝国兵たちにはまだ残っていた。



「く、来るぞ!」


 小型の船が、遂に岸辺にたどり着き、中から大きな怪物が上陸してくる。


「あ、あれは………?」


 AAV7。そう呼ばれる装甲車が、帝国の地に降り立った。

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― 新着の感想 ―
[一言] ノームルは指揮官としては割と優秀? でも部下を掌握できないということは、指揮能力とは別の意味で『指揮官としては問題有り』と言われても仕方ないのでは?
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