表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本国、異世界へ。(旧題 異世界転移は唐突に)  作者: スライム小説家
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/103

20話 『神聖』なる護り③

 戦列艦エルラウド 司令室 (sideディメダ)


「グレリアスが………グレリアスが轟沈しました!」


 有り得ない。

 その報告を聞いて最初に思ったのは、『有り得ない』だった。



 二ホン軍が非常に強力な可能性は感じていた。

 先ほどから大量の爆発音がこの部屋まで聞こえてきて、二ホンの攻撃が苛烈なものであることもすぐに理解できた。指揮しながらも艦隊にかなりの損害が出てもおかしくないとは感じていた。しかしだ。


 あの艦には他の艦よりも魔法防御が充実している。それだけでなく、あの艦には神聖なる護り(ホーリーシールド)が装備されていたはずだ。


 それが打ち破られるなんて有り得ない。いいや、有り得てはならないのだ!


「一等将官閣下!?どうされたのです!?」


 ー気づけば私は甲板の方へと走り出していた。



 あの報告は嘘なんだ。


 なあに、グレリアスが轟沈なんて有り得ない。外に出てみればいつも通りあの巨艦が見えるはずだ。


 そうに違いない。………そうに違いないんだ。




 そんなことを考えながら走っていた私が甲板で見た光景は-


「あ………あ………あああぁぁぁ………」


 バラバラになった大量の木片、あちこちから上がる炎と黒い煙、そして海面で溺れまいと必死にもがく兵士たち。


 そして何よりも、いつもはそこに見えたはずのグレリアスが………跡形も無くなっていた。
















 この戦いは負けだ。













 突きつけられたその現実が、私には受け入れられず。


「艦長!艦長!?大丈夫ですか!?」


 その場にへたり込んで………その後の記憶はもう何もない。






 --------------------------------------

 護衛艦いせ CIC



 第二護衛艦隊群の旗艦である『いせ』。そのCICでは今回の戦闘で慌ただしくなっていた。


「敵大型空母の撃破に成功しました!」


「敵艦隊残り324隻です!」


 次々と聞こえてくる敵撃破の報。だが、そんな中でも群司令の竹沢は厳しい表情を少しも変えなかった。


「発射したミサイルと撃破できた敵の数が合わん………やはり間に合わせのプログラムではボロが出たのか?」


「いえ、どうも敵空母は何発かミサイルを耐えたようでして……」


「何?木造でだと?……まあそれを考えるのは後の話か。旗艦であろう敵空母や大半の艦は撃破したのだ。後は残りを蹴散らすだけだ。今度は砲撃でやって構わんぞ」


 竹沢のそんな指令にいせの主席幕僚である津野田が返事を返す。


「了解しました。にしてもアグレシーズ帝国の艦砲は数十キロの射程を持つという情報、嘘だったようですな」


「ああ。確かリマ国の方から入った情報だったか?用心してミサイルを使うだけ無駄だったな……まあそんな射程があったら尖閣に砲撃しないのもおかしいからな」


「いえ、そうではなく」


 そう言うと津野田はかけている眼鏡をクイッとして、発言を続ける。


「我が国の位置情報についてもリマ国内部から帝国に漏れた可能性がかなり高いようでして。今回の件もリマ国が絡んでいるとなると……」


「…………かなり怪しいな。その件はこの戦いが終わったら報告しておこう」


 津野田のその懸念に、竹沢も同意し上への報告を決める。


「まあ、今はこの戦闘に集中するぞ!全艦隊砲撃戦用意!」


「「「了解!!!」」」


 後に尖閣沖海戦と呼ばれるこの戦いは、終わりを迎えようとしていた。



余裕こいてたら熱出て具合が悪くなりました。頭いてー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] リマ国も一枚岩じゃない可能性が上がり面白くなってきていいです。 [気になる点] 射程が数十キロの大砲…木造船に搭載できるレベルの大砲でその射程ということは魔法で多少延長されているのか そも…
[気になる点] リマ国、『蝙蝠』だったのか、それとも、さしものニホンも列強国には負けるだろうと思っていたのか。 あるいは、リマ国の総意では無く、一部の勢力の陰謀だったのか。 いずれでしょう?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ