閑話 羽田のクラート王国出向
昨日午後五時あたりに急におかしくなって、何かヤバいなと思って近所のいつも診てもらってる所に行きました。ちょっと不味いらしいです。
とりあえずすでに出してる分はここに置いときます。
まあ、とりあえず二週間ほど休載とさせていただきます。具合の良し悪しで期限は伸び縮みするかな。
ひょっとしたら新作出そうと思って一気に三つ同時並行していたツケが来たのかもしれませんね。
「ハネダ様、こちらが我が国の医療に関係する書物を集めた王立第四書庫です。ごゆっくりどうぞ。それと、何か用がありましたら遠慮なくお呼びください」
「わざわざ有難うございます。では、拝見させていただきますね」
案内を終えたメイドが、退出していく。ぐるりと見回すとどこもかしこも本棚だらけのこの書庫に、羽田は一人取り残された。
「はあ………これだけの量を調べなきゃいけないのか………」
葉名と揉めてから、半ば左遷に近い形で異動命令を出された羽田はクラート王国にたった一人で派遣されていた。
既に厚生労働省の関係者や医療の専門家が出向いたものの、何の成果もなかったクラート王国を含むウィストラ大陸付近の三か国。外務省にとっても今回の件での優先順位は非常に低いらしく、それぞれに一名ずつ派遣されたのみである。
「その一名に選ばれちゃったんだもんなあ………あーあ、仕事やるか」
愚痴を吐きながら、手当たり次第に本を読んでいく羽田。しかし有用そうな情報は一ミリも無かった。
「何々、疲労によく効くツボ?………この本はダメだな。こっちは………酒の人体への影響………絶対に関係ないな」
そうこうしているうちに数時間経っており、羽田も疲れの色が見え始める。
「首痛いなあ。うー---ん」
眠気と疲れを吹き飛ばすために毛伸びをすると、本棚の最上段にある赤い本が目に入る。他の本は白や青、緑のカバーがされている中で、ただ一冊のその赤い本は相当に目立っていた。
「よし、あれを読んでみようかな」
手を伸ばしてなんとかそれを取ると、近くにあった椅子に腰かけて中身を読み始める。
「何々、『恐ろしき四災厄』?随分凄い名前の本だな。これは中身も期待大だな」
何とも禍々しい題名と真っ赤な表紙に、羽田の期待感も最大まで高まる。ワクワクしながら最初の一ページ目をめくると、かなりかすれた字の目次がある。
1紫電の魔女ア………ア
2轟炎竜ボルケノン
3破滅の騎士レドーム
4………………
「何だこりゃ。ところどころ読めないな。まあ良いや。最初の紫電の魔女とやらから見てみるか」
そう言いながらページをめくると、紫電の魔女についての説明がびっしり。
第一の四災厄 紫…の魔………………
三聖女に…って封……れた四災厄の一人で、四災厄の………戦闘力は最弱である。しかしながら、彼女が本当に厄介なのは、その特殊な性質にある。彼女は生物が死ぬときに微量に漏れる魂のエネルギーを吸収でき………………系の魔法を得意とするため、敵を………せるこ………能な……あ……
「ダメだこりゃ。全然読めないし、見ててなんか気持ち悪くなってくる。よし、真面目にやるか」
パッと見て読み進めることをあきらめたのだろう。羽田は赤い本を机の隅に置き、医療関連の別の本を手に取った。




