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New Eternity Online -PSだけで往く新世界-  作者: Amane Rinne
月の神獣は山頂に吼え、深き何かはただソコに
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#32 バンカー大迷宮攻略レイドpart4 トレジャーハンターの真似事

昨日は更新できなかった。何故かって?なんでだろうね……


自分なりにモチベーションが出たので、まぁのんびり書いてきます。



 

 第1層を抜け、2つ目の通路に入る。

 

 先程と同じように、見えない程高い天井とある程度の広さを持つ通路だ。

 

 最初の通路と同じならここにも杭みたいな罠があるのだろう。そう警戒して進んでいく。

 

 他のプレイヤー諸君も同じ気持ちなのであろうか、歩くスピードがさっきより随分とゆっくりだ。

 

「みなさ〜ん、さっきよりも早めに警戒しといてください!!」

 

 そうあきねが声をかける。

 

 最初の「杭」はあまりにも唐突過ぎたし、その印象が残っているのだろう。

 

 今回の罠がどんなかは分からないが、さっきと同じように唐突に襲ってくるのだろうか。

 

 そう思案して神経を研ぎ澄ませながら歩いていくのだが──────

 

 

 

 

 

「──────着いちゃった」

 

 特に何も起こることはなくただただ歩いていくこと数分、普通に第2階層へ到達する。

 

 最初の通路の具合とは大きく異なるこの状況に、頭の上に「?」が浮かぶ彼ら。彼女達の反応から察するに、今まで通路に罠がなかったことは無かったのだろう。

 

 少し懐疑的な不思議な気分になるが───

 

「何も起こらないなんてラッキーですね、気を取り直して2層に行きましょうか。」

 

 

 と言い、色んなことを考え始めたトッププレイヤー達に発破をかける。彼らは情報量をずっと多く持っているのでこの状況に対しての正しい考察が行えるかもしれない。が、

 

 

 俺たちの仕事じゃあないんだよね。

 

 

 

 ということである。

 

 発破をかけられて、少し考えながらも「あ、あぁ」と生返事をした笑い上戸姉貴の背中を押し、他の人達を催促する。

 

 そうして再び動き出したプレイヤー達を背に、姉御の背中を押して第2階層へ入っていく俺。

 

 ちなみに、階層と通路を繋ぐ少しの空間は、システムか何かで先が見えないようになっている。

 だから最初は何が待ち受けているか分からない目隠し状態なのだ。

 

 

 

 だからこそのハプニングであった。

 

 

 

 ─────────バクっ

 

 

「…………え?」

 

 

 システムの目隠しを抜け、第2階層へ入った瞬間。背中を押していたはずの笑い上戸姉貴の頭が消失した。

 

 

 いや、喰われたのだ。『空中を泳いでいるサメのような何か』に。

 

 

「ぽへぃ」

 

 マヌケな声を上げながらポリゴンとなって散る笑い上戸姉貴。

 

 あまりに唐突なハプニングに思わず思考が停止する。ポリゴンになり咀嚼していた頭が消えたことに驚いたのだろうか?サメがガジガジと空中を噛み出す。

 

 そうして周囲を見渡し───目が合った。

 

 

 

 ─────ッ!!

 

 ハッとして磁石に弾かれたように走り出す。

 砂浜のようなそのフロアの上を駆け、サメから逃れようとする。

 

 どうやら追いかけてくることは無いようで、近くにあった大きな岩の影に隠れながらもほっと息を着く。

 ほかのプレイヤーは無事なのだろうか?と入ってきた方を見るが………居ない。はぐれた?そんな馬鹿な。まだ入って1分も経ってない。

 

 何処へ行ったのか?という疑問もあるが。

 

 とりあえず現状把握をしよう。そう考え、岩の影から身を少しだしフロアを確認するのだが──────

 

 

「まぁた奇っ怪な、なんだこれ……」

 

 

 そこから見えたのは、大きな岩や海藻?の間を泳ぐ小型の魚の魚群や大型魚。それだけではなくイカやタコの軟体動物やetc.etc.

 

 

 なるほど、空中を泳ぐ魚か海底を歩く人間かは分からないが………2層の舞台は魚と一緒らしい。

 

 

陸の幸(鉱石)の次は海の幸(海産物)ってか?」 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

『海底バイオーム』と名義的に名付けられたそれは、文字通り魚が生息するような“ある程度環境を整え海底を再現した”階層(フロア)だ。

 

 

 とある奇跡の力によって、空中という概念と水中という概念の「息ができ行動できる」という認識と「水生生物や魚がいる」という認識を組み合わせて出来たこの空間はその齟齬によって非常に不安定である。

 

 その上、空間に関連するとある外来生物によって空間が歪められている。

 

 だから、気づかないうちに「空間に流されていた」とか「空間の穴に落ちた」という事象が発生する場合があり─── 

 

 

 

 

 

「───あれれ?みなさんは何処へ?」

 

 

 

 とりあえず目の前にいたマグロをぶっ飛ばしながらそう当然の疑問を口にする少女───あきね。

 

 第2階層に入った時までは確かに一緒だったのにな………と思いながら仲間を探すが、やはり見当たらない。それもそのはず、彼女に知るよしは無いがこの空間に入った瞬間みんなバラバラのところに飛ばされているのだ。

 

 本来は同居するはずのない「空中」特有の性質と「海中」特有の性質。それらを無理やり魔力によって統合しているが、もちろん無理やりなので空間自体に負荷がかかってしまう。そのせいで第2階層の空間は脆弱になり、『空間の蛇』───正式な名前で言うと『空間を喰う大蛇』の侵入を許した。

 

 

 NEOにおいて、未だ表舞台に出ることは無いものの世界に深く関わっている深淵種の1つである。

 

 空間強度という概念がNEOには存在するのだが、それの一定値を下回ってしまうと『空間を喰う大蛇』は活動が可能となる。

 

 第2階層で活動したそれにより空間に穴が開いた。

 そうして生まれた空間の穴に彼らは落ちたのである。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 魔力の影響を受け巨大化したそれら生物は、主に空気中の魔素を食べ生きる『小型種』、その小型種を食べる『大型種』、そしてその両方とも食らう『雑食種』、そして『共生種』や『特殊種』というふうにわかれている。

  

 

 そして彼らが最初に遭遇したサメ───『環境制魚:殺滅』は特殊種にあたり、更に言えば階層(フロア)ボスである。

 

 

 

「どうしよう」

 

 

 ファーストコンタクトがまさかフロアボスとも知らずに、行動方針を失い途方に暮れている男が1人。

 

 天宮悠ことUである。

 

 1人になってからそこら辺を歩いたり、通路に1度戻ってみたりしたのだが。

 誰も居ないしやることも無い。

 

 

 マジで悩んでばっかだなと思いながら行動方針を立てている最中だ。

 

 正直俺は巻き込まれてこのレイドに参加しているので、全体の目標から離れてもいいのでは無いかと思っている。

 攻略レイドと名乗るのだからたぶんクリアを目指してて、その栄光かなんかを目的にやっているのだろう。

 

 ゲーム内の栄光って言うと変な気もするだろう。だがこの手のやつは先に進めば進むだけ、強くなれば強くなるだけ人気になる。

 それこそリアルに公表していれば立役者は現実でも話題になる(人気になるかは置いといて)だろうし、参加さえしておけば「あのレイドで活躍したんだぜ」と見栄を張ることさえできる。

 

 

 それもこのレベルの迷宮(ダンジョン)となれば尚更だろう。

 

 

 だが俺は別に名誉が欲しいわけじゃない。

 なら俺の行動方針は決まったようなものだ。

 

 

 

「ふっふっふ、今から俺は宝探す人(トレジャーハンター)Uだ!金の神威の金塊もびっくりする宝探し術を見せてやろう……」

 

 

 

 

 エリアボス放置して探索&一攫千金じゃあ!!!

 

デッドマウント・ディスプレイのアニメ化を今知った。死ぬほど嬉しい。厄ネタ諸君のビジュとキャラが良すぎるんだよね。


オススメです。


あと昨日超好みの良作を発見してしまい、一気読みで朝の2時頃まで消えました。


「追放された異世界勇者-地球に転移してインチキ霊能力者になる-」めちゃくちゃオススメ。ローファン物です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 僕はデッドマウントデスプレイと同じくらいこの作品が大好きだよ
[良い点] 設定練れるの凄い… もっと情報量で殴られたい気持ちになります。 [一言] 毎回楽しませていただいてます。 これからも無理せず頑張ってください!
[一言] ボス「」
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