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192 - 「島の目覚め」


 ――フログガーデン大陸南東部、ハインリヒ公国、ハーゼェン港。


 公国領で最も規模の大きい港であるハーゼェン港は、砂漠化の進む本土と違い、新鮮な海の幸と美しい景色が楽しめると、公国の上級貴族が集まる別荘地でもある。


 港に最も近い低山には、港を一望できると有名な華麗な邸宅群が建ち並ぶ。


 ハーゼェン港に別荘を構えるというのは、公国貴族の中で一つのステータスとなっていた。


 そして、この時間の港は、漁船の積荷が頻繁に降ろされ、賑わいを見せている時間帯だ。


 魚を買い付ける商人や、直接新鮮な魚を買い付けにやってきた貴族の召使いなどがごった返す。


 だが、今日に限っては、誰も体験したことのない海の異変に、皆が顔を青ざめさせていた。



「海が…… 引いていく……」


「ど、どうなってんだ?」



 陸で積荷を運んでいた水夫が、みるみるうちに水位を下げていく海に慌てふためく。


 急速な引き波により、航海中の船は沖へと戻され、停泊中だった船は、露出した海底の上に転覆。


 海へと落ちた水夫達も、引き波に攫われて姿を消していった。



「お、降りろ! 船が倒れるぞ!」


「ば、馬鹿野朗! 今降りたら引き潮にもってかれるぞ! 死ぬ気か!?」


「じゃあどうすりゃいいってんだ!?」



 陸に残された者達だけでなく、船に乗っていた者達も、その場にいた全員が混乱する。


 一部では、北部に見えた強い閃光と爆発、大きな地震のせいではないかと憶測も飛び交ったが、その不安の声も次の瞬間に、全て絶叫へと変わった。



「な、なんだありゃああ!?」


「に、に、逃げろぉおおお!!」



 人々の目に、あり得ない光景が飛び込んでくる。


 群青色の、巨大な海の壁。


 それは、ハーゼェン港から見える水平線一面に広がって見えていた。


 そして、響き渡る耳を劈く程の大きな唸り声――



――グゥオオオオオゥゥウウウンンン!!



 低山に建てられた別荘のテラスでは、貴族達が何事だとこぞって顔を出した。


 その貴族達が津波の奥に見たのは、白群色(びゃくぐんいろ)の巨大な()だった。



「あ、あ、あ……」


「まさか…… あれは……」


「か、か、かい、海神リヴァイアサン!?」


「り、リヴァイアサンだぁあああ! に、逃げろぉおおおお!!」

 


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