あ、ついにこの時がきてしまいました・・・。
どこから見に来たよ~とか、こんなとこがよかった~とか、こんなとこが気になるんだけど!的な1言でもいいので頂けると今後の参考に出来て嬉しいです!
「あれ? アレク様とリンク様が一緒にいるなんて珍しいね。」
「ああ、レティか」
「やぁレティ。おはよう」
今日ボクは元素魔法課の授業に出席している。
兵科にあった闘技場のような演習場が魔法課にもあり、魔法科の方は屋内型になっている。兵科の演習場と広さは同じくらいだけど、あちらは丸いのに対して、ここは四角い部屋。
珍しいことに王子2人が一緒の授業を受けていた。
思わず声をかけてしまったのだけれど……
これは失敗だったかもしれない。
いつもいるアレクの取り巻き嬢がいないと思ったら、リンク様がいるから近寄らなかっただけだ。
リンク様が苦手なんじゃなく、2人のところを気を使って遠巻きにいる感じ。
これはまずい。空気よんどこ。
「あ、じゃぁボクはこれで」
元素魔法課の授業が実習の段階に入り、ボクも出席するようになった。
シルからも魔法科の授業に出てないのはおかしいと言われてしまったしね。確かに上位貴族の人が授業に出ないのと、ボクが出ないのとでは周りが感じる意味合いも大きく違うだろう。
「おい、お前も同じ授業なら一緒にいればいいだろ」
「はぁ……。リンク様空気読んで」
「ああ……?」
「アレクはお兄さんに女付き合いを教えてあげるべきよ」
「あはは……」
ボクもだいぶリンク様にひかなくなってきたものだ。
そそくさと退散する。
「なぁ、アレク。あいつなんかシルヴィアに似てきすぎじゃねぇか?」
「うん……僕もそう思う……」
「で、女付き合いってなんだ?」
「ほら、いつも僕と一緒にいる子達が、周りで僕達の事見守ってくれてるでしょ? そんななかレティだけ僕達と一緒にいたらレティに変な矛先が向いちゃうっていう話。」
「はぁ?そんなの気にしてなんになんだ?」
「兄さんはレティが嫌なことをしたいのかい?」
「あん?そんなわけないだろ。」
「じゃあここは呼び止めないほうが正解ってことだよ。」
「魔法科の女ははっきりしねぇからめんどくせぇな。」
「レティもどちらかというとそっちよりなんだよ?」
「ちっ。大体お前は俺にそんなこと教えてる場合じゃねぇっつの。」
「うっ……。しょうがないよ。僕は兄さんも好きなんだから。」
「……。はぁ。お前があいつに対して幼い頃からもっと素直になってりゃ、今みたいな事になんてなってなかっただろうによ……?不憫なやつだな。お前も。」
「あはは……。ほんと、どうしよ……。」
今日の元素魔法課の初級実習では、単一元素魔法構造の呼び出しから発動までを行っている。
その場で
魔法構造を魔水晶へ登録
登録した魔法の呼び出し
発動
までを行う為、元素魔法や各属性適正などによって個人差が大きく出る。
そもそも魔法構造の登録に慣れていない者は、まず魔法構造を調べることから始まり、陣を書き出してから登録を始める為、その時点で数分かかってしまっている。演習でも、ましてや実戦などで使えるレベルでないことは確か。
さらに、元素魔法への適正度合によって登録時間に差がでる。
これは個人差の為仕方ないのだけれど、自分の適正すら把握していない者も多く、何の属性であれば比較的早く登録できるのか? であるとか、何が登録しづらいのか? を把握していないので、この時点で止まってしまっている者が結構な数いる。
もちろん課題は1種類ではなく選択方式なんだから、ちゃんと自分の適性を把握さえしていればなんら問題のない範囲なんだけど。
そのまま何も考えずにやってたら適正が一切なければ登録すらできないし、数十分、ひいては数時間かかってしまうことだってあるだろう。
今日の魔法演習の目的は、そういうことに気付けるようにする演習なので、先生たちもアドバイスはするにせよ急かしたり怒ったりすることはないんだけどね。
でも、実際この状況を目の当たりにして、これが一般的なんだということを認識させられた。
ボクの周りによくいてくれるアレクも、そしてリンク様も、登録から発動まではかなりスムーズで、アレクに至っては3秒程度だった。周りの生徒に比べて断トツにはやい。
さて、ボクの番がきた。
とりあえず魔法構造の登録を済ませ、魔法の呼び出しに5秒くらいかけておく。
「……合格。」
元素魔法課の先生がちょっと何かいいたそうだったけど、アレクを抜いてしまうのはこの場ではちょっと憚られる。別にボクは1位の称号が欲しいわけじゃないしね。このレベルでも2位なのだから。
「おい、なんでもっと早くできるのに時間かけたんだ?」
だ・か・ら!
リンク様じゃなくてアレクを睨み付ける。
あ、取り巻き嬢の人達に睨み返された。こわ。
とりあえず実習は合格したのだし、目立たないように隅っこに移動しておこう。
……としたのが完全に間違いだった。
ついにこの時がきてしまったようだ……。
「ねぇあなた。ちょっと魔法の扱いが上手なんでしょうが何様のつもりなのかしら?」
あ、この人みたことあるな……。
最初に魔法科の全体講義の時にアレクの隣にいた人だ。
その時すでにボクへの好感度がマイナスだった……名前はなんだっけな。
忘れた。
「え? なんのことですか。」
後ろから3人4人と集まってくる。
アレクやリンク様からは死角になっているのだろう。
じゃないとこんな事してこないだろうし。
「はぁ? しらばっくれる気? 王子様達に慣れ慣れしく話しかけたり、ご自分の身分でも振り返ってごらんなさいな? 優しくしてくれているだけで勘違いして。恥ずかしいったらないわ。」
取り囲んできた人たちもくすくすと笑う。
あ、あれ……?
思ってたより……なんだろう?
余裕がある。
こんなんなら、おじさんたちに取り囲まれた時の方が遥かに怖かったな。
この人達大丈夫なのかな? 入学当初にこんな事されてたら怖かったかもしれないけど、今じゃボクはシルともとても仲良し。そのシルがこんな事をしてる人達は大したことないって言ってたし。ボクがシルや王子様達と仲がいいのなんて見てるならわかるだろうに。ボクが誰かに告げ口するとは夢にも思っていないのだろうか?
……なんだ。何も怖がることなくない?
好感度を貰えないのは残念だけど、万人に好かれようなんてそんな大層な人間だなんて自惚れてもいない。相手にする価値もないだけの話だったのね。とは言えわざわざ角は立てないようにしないとね。
「何かおっしゃったらどうなの? 薄汚い農民風情が、王子様の近くに寄らないでくれる? 貧乏が移るわ。」
何も言わなかったのをいいことに、調子に乗ってしまったらしい。
うわぁ。なんて悪役顔なの。ある意味すごいわ。もうちょっと見ていたいかも。
「ねぇ。聞いてる!?」
あ、怒らせてしまった。
肩を押される。
痛くない。もっと体重を乗せてどつかないとバランスも崩さないよ?
本当は優しい人なのかな?
……いけない。そんなスパルタ思考は本当によくない。先生に毒されすぎているよ……。
「あの……。」
「なぁに? 教養が無さ過ぎてまともにしゃべれもしないのかしら?」
「えっと……ごめんなさい。もう王子様に話しかけたりしません。」
こういう場合は下手に出ておくに限る。
いくらでもやり返す手段はあるけど、それで恨みを買っても絶対面白いことなんて何もないしね。
「あら、聞き分けがいいじゃない。じゃあ目障りだから、そのまま学園から消えてくれてもいいのだけれど? そうしてくれると助かるわよね? みなさん?」
「ええ、なんか最近学園に白い毛がたくさん落ちていて気持ち悪いわ。」
「あ、それ私も見ましたわ。薄汚れていて獣の毛かと思いましたけど……くすっ」
「最近真っ白な痴女が街を歩いてたって噂も聞きましたわ。もしかしてそうなんじゃないかしら……? 嫌だわ。この学校の品位も疑われてしまいますわ。」
あ、それ多分ボクです。それはなんかすいません。ほんとに。
「いやですわ……。」
「ねぇ……。」
「ほんとに……。」
おお、女の裏の顔ってやつは初めてみたかも。
実際見ていられる余裕もあるんだし、ここはボクの特技の出番じゃないだろうか。
ボクは子供の頃から培ってきた心の中のスイッチを静かに入れた。
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