表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍化決定】悪役令嬢はやられる前にやることにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【応援感謝☆更新】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/39

幼なじみ視点(1)

 カトリーナ・マリアンヌ・ベヴァリッジ。


 僕……カッセル・エリオット・ブライトと同じ公爵家の人間で、同じ区画の隣にカトリーナの暮すベヴァリッジ公爵家の屋敷があった。


 幼い頃は同い年ということもあり、彼女の屋敷へ遊びに行き、絵本を一緒に読んだり、かくれんぼうをしたり。昼寝をして、おやつを食べてとよく遊んでいた。


 だが十二歳になると、家庭教師による教育も本格的になる。令嬢と令息では学ぶ内容も異なっていた。かつ同年代の同性との交友関係を深めるため、カトリーナと会う機会は急激に減っていく。


 気づけば一年に一度、ニューイヤーの挨拶をするぐらい……そんな頻度にまで落ちていた。


 だが社交性を磨くため、王侯貴族が通う王立ミディ学院にカトリーナと僕も入学することで、彼女の姿を日常的に眺めることになった。


 眺める。


 そう、眺めるだけ。


 カトリーナは幼い頃から美少女だったが、学院に入学する頃には、すっかり大人になっていた。もうその姿は成熟した女性そのもの。


 見事なストレートのホワイトブロンドに、煌めくようなアメシスト色の瞳。唇と頬はローズ色で、肌は陶器のような白さと滑らかさだ。小顔で首も手もほっそりしているのに。胸は大きく成長し、ウエストは見事にくびれ、脚も長かった。


 容姿もさることながら、学業でも大変優秀。


 僕は男子生徒の中では、王太子殿下に次ぐ成績で入学した。だがカトリーナは女生徒で一番の成績だった。つまり頭脳も明晰なのだ。


 こうなるとカトリーナはいわゆる高嶺の花となってしまう。


 幼なじみだからと気軽に話し掛けることは……できない。


 できないことはないと思う。僕が話し掛ければカトリーナは得意の社交術で、笑顔で応じてくれるだろうが……。


 僕が……僕が美しいカトリーナを前にして、何もできない気がしていた。


 そのカトリーナからある日突然声をかけられたのだ。


「カッセル!」


 軽やかな声で呼ばれ、僕はドキッとしながら振り返る。そこには女神のようなカトリーナがいて、僕からすると眩しいほどの笑顔でこちらを見ていた。


 心臓がドクドクと高鳴り、一瞬にして全身が緊張する。


「や、やあ、カトリーナ」


 持っていた本を強く抱きしめながら、僕は何とも気の利かない返事をしていた。


(これでも僕は男子生徒の中では学年二位なのに!)


 だがあまりにも鼓動が激しく、頭は真っ白になりそうだった。ウイットに富んだ何か一言を言うなんて……無理だった。


「ねぇ、カッセル。覚えているかしら? 昔、文字の勉強も兼ねて『貴族の矜持~歴史に見る貴族の活躍~』を一緒に読んだこと」


 僕と違い緊張などゼロのカトリーナが気さくに話しかける。


「『貴族の矜持~歴史に見る貴族の活躍~』……、もちろん覚えているよ! 貴族なら一度は読む教養歴史本だ。カトリーナは挿絵に落書きをして、貴婦人の顔に髭をかいたり、王様の頭に耳を描いていたりした!」


 興奮気味に話してしまい、驚くカトリーナを見て、全身から汗が吹き出そうになる。


「落書き……よく覚えていたわね」

「そ、それは……」


 僕は……カトリーナのことが好きだった。幼なじみとして共に過ごす時間の中で、彼女への想いを募らせていた。


(高嶺の花だとしても。公爵家の嫡男である僕なら……)


 そう思う一方で、まだまだ今の僕では足りないと、勉学に励むことになっていた。


「ともかくその本なのだけど、この前の日曜日、蚤の市に行ったら、偶然にも初版本を見つけたの」

「えええっ、本当に!? それはすごいことだよ! オークションでは随分高値になると聞いている。それが蚤の市で見つかるなんて!」


 カトリーナのことは好きだが、『貴族の矜持~歴史に見る貴族の活躍~』の初版本となると、興奮せずにはいられない。


(彼女をそっちのけで声まで上ずるのは……見逃して欲しい!)


 そんなことを思う僕の気持ちなど知る由もないカトリーナは話を続けている。


「本来、オークションにかかるような逸品よ。本当に初版本なのか、ちょっと半信半疑なの。店主はそれが初版本と気づいていなかったみたいで……」

「なるほど。その、見せてくれたら僕が鑑定しようか?」

「本当に!?  カッセルならきっと鑑定できると思って、相談して良かったわ!」


 カトリーナから頼られていると分かり、全身が熱くなる。


「良かったら今から君の屋敷に行こうか?」

お読みいただきありがとうございます!

執筆時間をいただき、感謝でございます。

幼なじみ視点は全二話です。


初日なので気合いをいれ、もう一話更新します。

これから校正して入稿するので、もう少しだけお待ちくださいませ~


引き続きブックマークや☆評価で応援していただけると、とても励みになります!

よろしくお願いします☆彡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ