その55
ま、まぁ処理はきちんとしてあるし問題ないはずだ…ないよな?締めた際に脳天をナイフで突いてあるがそこの傷がでかいとかで減点にならんよな?
「ん?大丈夫か。なんか固まっちまってるが」
「あ、ああ。査定が厳しくなりそうなんでどうしたもんかと思ってただけだ」
「正直でいいが俺本人に言ってもどうしようもならんな!ま、俺から言える事があるとすれば処理はきちんとされてるから減額はありえねぇってことだな!なんなら上乗せしてもいいぐらいの質だぜ?」
「そりゃ良かった」
そして是非依頼報酬は上乗せしてくれ。あればあるほど使い道が増えて幸せになれるんでね。出来ることなら安くてもいいから魔魚用のロッドを1本手にしておきたいんだ…手釣りだとダイレクトの感触を楽しめるが、やっぱ手元から多少離れているだけでも岩礁に擦れないとかで大きく違うわけよ。
「そういや内臓も鮮度がいいんでそのままにしてあるが大丈夫だよな?」
「おう。ベラはこの後取らせてもらうが、カサゴの方はこんぐらいの鮮度なら珍味に出来っからな」
よしよし、内臓が珍味になるってのを覚えておいて良かったぜ。特にカサゴの肝はご馳走レベルのもんで煮付けや肝醤油に出来る万能選手だ――寄生虫には注意だが。
「となれば最後のやつも締めるだけにしておいて正解だったな」
「お?まだあるのか。最後に持ってきたってことは自慢の一品ってわけか?」
「もちろん今日一番の大物だ」
そう言ってハタの入った木箱を出し、ドンと台の上に乗せた。改めてみると3号ラインでよくこんなもんを釣り上げたもんだ…あんま暴れない魚種だったのが幸いしたなぁ。
「おお!こりゃでけぇ!一番の大物って言うだけのことはあるな!」
「釣り上げるのに苦労したんだぜ?ロッドもリールもないんで巻けねぇしいなしも上手くいかんかった」
「あん?ロッドもリールも無い?お前さんこいつをどうやって釣ったんだ」
「そりゃ手釣りよ」
「手釣りだぁ?こんなでかいのをよくやったもんだな…」
「全くの想定外だったがそこはまぁこのドワーフの肉体で解決よ。ただ貸し出しのグローブが無けりゃ今頃俺の手はズタズタだったろうな」
いやマジで。下手すりゃハタとのファイトでダメージ入りまくってリスポーンとかあり得たかもしれん……ギルドの貸し出しに感謝だ。
普通に釣りをしていてもラインで指を切るとかはあるので保護具は大事。ゆで卵を包丁で切るみたいに簡単にスパッといきます…
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