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その43

「いつの間に減ってたんだ…」

 いや、そういや途中から光りっぱなしだった気がすんな。魔魚ってのは抵抗するときに魔力でも使うのか?今はラインは光っちゃいないし抵抗も弱いが……次に大きく抵抗される前に釣り上げちまった方がいいな。


「ただ抜き上げるのがギリってサイズに見えるぞ」

 こちらから見える魚影は先ほどのベラとは比較にならないほど対抗もあり分厚い…さらに体長自体も20以上は差がありそうなレベルだ。ラインは耐えきれるだろうが、針がどうなるかわからん。

「こうなったら少しでも海面から近い場所で抜くしかないか…いや?」

 魚が疲れて水面に浮くような状況になりさえすれば……どちらにせよ海面近くなのは決定だ。


 グッ…クンッ

「っと、まだまだ元気は残ってやがるか。ただ最初の威勢はもう無さそうだ…このまま魔力を使うような引きはしないでくれよ?」

 ラインを手繰り寄せながらも、潜り込まれるようなスキマやスレて切られることの無さそうな低い岩場に移動してゆく。こっからはスピードが命だ。リールじゃないから引き寄せるのが遅いのが悔やまれるぜ…っと!


 ゴン!

「最後の抵抗って訳か!こっちの魔力も少ないってのに勘弁してくれ!」

 ラインが一気に引っ張られたことにより嫌な音を立てながら伸びる…大きく左右にも動きやがって。海面が近くなってきたから焦ってんな?――それはこっちも同じだけどよ。

<魔力の残量があと僅かとなります>


「こんな表示が今しがた出てきたからなぁ!」

 最後の抵抗だからって一気に放出すんじゃねぇよ馬鹿野郎!まだ釣りのスキルも出てないやつが中型の魔魚なんかにチャレンジするからだって?あっちが食ってきたんだから仕方ねぇだろ!

「どちらにせよ海面近くまで来てんだ…ここでやらなきゃ釣り好きの名が廃るってな!」

 気合を入れるとともにいなしながら様子を伺う…


 ククッ…

「ここだ!」

 少し抵抗が緩んだタイミングで一気にラインを大きく引き体力を消耗させ海面擦れ擦れまで引き上げる…そんでそのまま手元まで寄せて、磯がねをこいつの鰓に……掛ける!

 

ガッ!

「いよし!ナイスフィッシング!」

初期の釣り場なのでファイトは短めに……描写が難しいですおじき。


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