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婚約破棄され辺境伯との婚姻を命じられましたが、私の初恋の人はその義父です【コミカライズ】  作者: 灰銀猫
第二章

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王妃様からの呼び出し

 色んな問題はあったけれど、王家の夜会はあれ以上誰からも絡まれることなく終わったわ。結婚式が迫っているからのんびり王都に滞在出来ない。私たちは夜会の一週間後には領地に向けて出発する予定になっていた。


 ラリー様は陛下や宰相様など国の重鎮の皆さまとのお話があるらしく、日中は殆ど不在で、私はその間家令のイザードと王都での状況を聞いたり、ヘーゼルダイン辺境領やラリー様のことを聞いたりして過ごしていた。


 また、仲良くしてくれていた友人たちを屋敷に招いてお茶の時間を楽しんだ。婚約解消されて直ぐに辺境伯領に向かえとの命令だったからお礼やお別れをいう暇もなかったから。


 あれから三月以上が経って、既に結婚したり婚約したりした方もいたけど、みんな一様に私が問題なく暮らしていると話すと安心してくれたわ。ラリー様の噂もただのデマだったことにも胸をなでおろしていた。私が辺境伯領で不遇な扱いを受けているのではないかと心配してくれていたのだ。


 その後、両親とメイベルは、王家からきつく注意を受けたという。まだ王子妃教育の期間が残っているため、今回は厳重注意と罰金刑で済ませてくれたらしい。


 王子妃教育の結果に関わらず、メイベルはエリオット様と結婚する事が決まっているから、セネット家は父が亡くなれば爵位を返上することになりそうだとラリー様が教えてくれた。セネット家には分家を含めても私と同じ青銀髪と紫の瞳を持つ子供がいない。この色が失われてしまえば聖女の力を持つ子供は生まれないから、セネット家が侯爵家である意味がなくなってしまうのだと。寂しくはあるけれど、初代聖女の言い伝えだけが侯爵家である所以だから仕方がないと思う。






 辺境伯領への出立の前日、庭でお茶を飲んでいた私の元にユーニスが困惑顔でやって来た。


「王妃様から?」


 手にしていたのは王妃様からの呼び出しの旨が書かれた封書だった。


「おかしいわね……王妃様には昨日お手紙を頂いて、公務で忙しいから会えなくて残念だとあったのに……」

「はい。でも…一応王家の紋章も入っておりますから……」

「急に取りやめになった公務が出たのかしら? でも、王家の紋章入りなら間違いないわね。この用紙も王妃様専用の物だし」

「ええ、この百合とツタの柄は王妃様ご愛用の用紙ですわ」


 訝しく思いながらも、王妃様から出立前に会いたいと言われれば否やと言える筈もない。畏まる必要はないから略装でと書かれていたので、私は謁見用の公式なドレスではなく、いつも王子妃教育を受けていた時に来ていたのと似たドレスで王宮に向かった。


 ラリー様は今日も陛下達と話し合いがあるとかで、朝からお出かけになられたままだったため、念のために家令のイザードにその旨を告げておいた。彼が必要だと判断すれば、ラリー様に連絡してくれるはず。


 それに王妃様の呼び出しであれば、王妃様の命を受けて私についてくれているユーニスとビリーも連れて行ける。二人の今後も確認して起きたかったからいい機会だわ。二人はこのまま私に付いていたいと言ってくれるので、二人が望めば私やラリー様が直接雇うことも出来る。二人にとって一番いい方法をとりたかったからいい機会だわ。





「こちらでお待ちください」


 王宮に伺候した私たちだったけれど、王宮に着くと見知らぬ侍女に案内されて一般の客間に通された。今までは王妃様付きの顔見知りの侍女が対応してくれて、王妃様の私室に通されたのだけど……これはエリオット様の婚約者でなくなったから? 


「……何だか、嫌な感じですわ」

「ユーニス?」

「今の侍女、これまでに一度も顔を見たことがありません。王妃様付の侍女であれば知らない顔はない筈ですが……」


 ユーニスは周囲への警戒を露わにした。ビリーも部屋の入口に立って周囲を窺っているわ。


「辺境伯領に行ってから新しく雇われた方ではなくて? あれから三月近く経っているから」

「それはそうですが……ですがこの部屋も王妃様のお部屋から遠くて、王妃様がお呼びになったにしては……」

「そうね。でも、私ももうエリオット様の婚約者ではないし、一貴族の令嬢としてはこんなものでしょう」

「それは……そうなのですが……」


 ユーニスは納得していないみたいだったけど、仕方がないわ。実際に今の私はセネット侯爵家の一令嬢でしかないのだから。出されたお茶も濃すぎて渋みが強くて、教育が足りていないのは一目瞭然だった。やはり新しい侍女なのでしょうね。ユーニスのお茶と比べたら可哀相だわ。


「お待たせしました。セネット侯爵令嬢」


 暫く所在なく王妃様のお召しを待っていた私に、先ほどの侍女が戻って来て声をかけた。これから王妃様の私室に案内されるのかと思ったけれど、侍女の後から現れた人物にユーニスの懸念がが当たったのだと知った。





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