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【完結】ギャルに優しいオタク君【コミカライズ&書籍化】  作者: 138ネコ
オマケ編

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閑話「拙者物語 6」

 流されるままにテニサーに入り、流されるままに飲み会へと向かった真衣。

 着飾ってメイクをしたおしゃれな自分に酔っては見たものの、そんな魔法も長くは続かなかった。


「真衣ちゃんだっけ、楽しんでる?」


「あはは……あー、はい……」


 飲み会が始まる頃には、既に萎縮し陰キャな面が出ていた。

 確かにメイクをしてオシャレに着飾れたのだが、周りの人達はそんな自分よりも、遥かにキラキラしている。


 そんな周りに気負され、周りに馴染めず、話しかけられても、曖昧な返事と愛想笑いを繰り返すばかり。

 見た目で言えば、周りに劣ってはいないのだが、卑屈な劣等感が彼女を余計に孤独へと追いやってしまう。

 そして、時が経てば自然とグループが出来上がり、真衣は完全に浮いている状態になっていた。


 何人かの男連中が彼女を落とそうと頑張ってみるが、塩対応が返って来るばかり。

 その結果「この子はガードが堅いんだな」と勘違いし、すぐさま他へ行ってしまう。

 

 女の子たちも真衣に話しかけてみるが、言葉少なな彼女に対し「もしかして迷惑に思われてるのかな」と勘違いし、離れて行ってしまう。

 周りがそうすればそうするほど、余計に真衣は孤立する。完全に悪循環である。

 そんなのは本人も良く分かっている。自分は人づきあいがトコトン下手なのだなと自己嫌悪に陥りながら。


 一人寂しく料理をちょっとだけつまんでみるが、余計に惨めに感じる。

 だから、もう帰ろう。真衣がそう思った時だった。


「おっ! おー!!」


 突然の歓声があがる。

 他の人と同じように、真衣も歓声が上がる方を見ると、一気飲みをしてみせる男性と、それを周りが歓声と共に拍手をしていた。

 

「中ジョッキ一気とか凄いけど、大丈夫?」


「俺酒強いんで全然余裕ですよ。なんならもう一杯行きましょうか?」


 その声を聞き、歓声がまた上がる。

 イッキコールで盛り上がり、一気飲みが終わった男性の元には、色んな人が押し寄せて話しかけていた。


(そうだ。これだ!)


 自分から話しかけられないなら、場を盛り上げて、周りが話しかける状況を作れば良い。

 お酒を飲んだことはないが、周りはお酒を飲んでも全然平気な顔をしている。

 自分も一杯飲むくらいなら大丈夫なはず。


「私も一気飲みしまーす!」


 少しでも怯んだらやめてしまう自分を奮い立たせるために、即座に生ビール中ジョッキを頼み、届くと同時にそう宣言する。

 周りの反応も待たずに。


「ビール最高! キャハハハ!!!」


 結果は、御覧の通りである。

 周りに遠慮し、料理にあまり手を付けず、飲んだ事もないお酒を一気飲み。

 これで酔わないわけがなかった。


 後は知っての通り、酔いつぶれた彼女をチョバムが介抱し、村田姉の歌音とその彼氏の車に乗せてもらいなんとか難を逃れた。

 が、そこで終わる事もなく。


「それで、この子家どこよ?」


「わ、わからないでござる」


「はぁ!?」


 車に乗ってからそんな事を言われても、どうしろと。

 完全に酔っているせいで、真衣と呼ばれた少女は起きる気配がしない。

  

「それなら歌音の家に泊めるしかないんじゃない?」


「ちょっ、ウチに泊めるって」 


「だって、チョバム君の家に酔った女の子泊めて何かあっても困るし、俺の家に泊めるなんてお前絶対に許さないだろ?」


「そりゃそうだけど」


「それとも、チョバム君とこの子を、ラブホの前に置いていく?」


「出来るわけないっしょ。あーもう、分かった。チョバム君、言っとくけどこれ貸しだかんね。貸し1じゃなくて、貸し10くらいあるから」


「かたじけないでござる」


 そうと決まれば、早速向かおう。

 そう言って、彼氏は車を出す。心の中で「新車なんだから、寝ゲロだけは勘弁してくれよ」と焦りながら。


 そして翌日。

 

「頭痛い……ってかここどこぉ……」


 目が覚めて、見知らぬ天井に驚き真衣は上半身をガバッと起こすが、同時に締め付けるような痛みに頭を抑える。

 周りをを見回してみるが、何一つ覚えがない。

 思い出そうとして見るも、おしゃれをして飲み会に行ったところで記憶は綺麗に抜け落ちている。


「……ッ!?」


(まさか、酔った勢いで知らない人と!?)


 焦りながら、布団をはねのけ自分の身体を見てみる。

 パンツは穿いているが、昨日来ていた服と違い、青と白の縞模様のパジャマを着ている。

 つまり、誰かの手によって自分は着替えさせられたことを意味する。サーッっと血の気が引いていく真衣。


 その時、ガチャリと音を立てドアが開かれる。

 跳ねるように壁に張り付く。


「あっ、起きたんだ。おはよう」


 ドアから顔を出したのは、自分と同じくらいの少女に一瞬だけほっとする。

 知らない男の人と寝たわけではないと。


「えぇっと、あなたは……」


「あー、私は村田歌音。といっても初対面だから気にしなくて良いよ」


 とりあえず、何があったか朝食がてら説明するから。そう言って歌音が部屋を出る。

 痛む頭を片手に、真衣はもぞもぞと起き上がり、歌音の後に続いて部屋を出た。

拙者物語はあと2,3話で終わります

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― 新着の感想 ―
あー、こういう顛末… シンプルに「助けてくれた人」なわけだな。
自爆劇だったのかあ。そりゃ彼女も十分悪い。 それを手も出さずに助けたのだから、もう聖人の域ですなあ。
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