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弟子は魔王  作者: 鉄火市
第7章 最強決定戦編
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47話 大天使襲来[3]3


「……失態ですね、マイヤーズ先生。貴方ともあろう者が……」


 マイヤーズが有能なのは知っている。今回の件も、一年の担任が三人とも無事であったならば、彼も完璧に自分の役目をこなしていたことだろう。

 だが、想定外に次ぐ想定外な上、初めての主任という立場。彼の負担は相当なものだったのだろう。

 実際、自分の失態を彼は理解している。

 これ以上諫言を言うのは筋違いだろう。何より時間があまり無い。


「マイヤーズ先生、貴方は――」


 次の指示を出そうとした時だった。

 突然大規模な爆発音がスタジアムの中から聞こえてきた。


「くっ……例の魔人って子と戦闘が始まったのか? 確かあの子もB組だったか……マイヤーズ先生、急いで中に戻って一年B組の子ども達を避難誘導してください。念の為、何人かの教師を連れていきなさい」

「あの、実はまだ報告があって……」

「今度はなんです!!」

「スタジアム内に戻れないんです」

「なんですって!!?」


 現在、ピスカトルとマイヤーズがいるのは学園に近い方の入口前の広場であり、多くの生徒や教師達もそこにいる。

 一般解放の正門側の入口とは違って質素な感じにはなっているが、こちらの方が全体的に大きい入口になっている。

 その為、ピスカトルのいる場所からでも入口の現状がはっきりと見えた。


 スタジアムの入口には何人かの生徒がいるものの、誰も中に入ろうとはしていなかった。むしろ、手を中に突っ込むだけ突っ込んで引っこ抜くという謎めいた行動を取っている。


「それってどういうことでしょう?」


 マイヤーズにそう訊いたのはピスカトルでは無かった。

 ピスカトルが声のした方へと向くと、眼鏡をかけた灰色の髪の女子生徒がマイヤーズに詰め寄っていた。

 その女子生徒にピスカトルは見覚えがあった。

 いや、エスカトーレに通う者なら誰でも知っているだろう。

 なにせ彼女は今季の校内戦において、圧倒的な実力で優勝したクレフィという四年生だからだ。

 そんな彼女が更に問う。


「マルクト先生の受け持つ一年B組だけがまだ避難を終えていないというのは本当なんですか!!」


 彼女が何故そこまで熱心に生徒達を心配しているのかが、ピスカトルにはわからなかった。

 だが、一つ心当たりがあった。

 クレフィという少女は、以前マルクト・リーパーの愛人なのではないかという噂が学園内に広まったのだ。

 本当なのであれば無視する訳にもいかず、世間体を気にするピスカトルは、この噂について、独自に調べたことがある。


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