45話 大天使襲来[1]2
「ようやく部外者がいなくなったな。これで仕事に取り掛かれる」
綺麗に整った顔立ちの青年の顔が、ざわめく人間達を見下ろし、醜く歪む。
うじゃうじゃと湧いた邪魔な人間共をあの憎き魔王の娘と共に殲滅すればどれほど楽しいだろうか。
だが、それをしていいという許可は残念ながら得られていない。
管理者同士の契約によって管理者が不干渉を決め込むのであれば、計画に支障は無い。
あの男の計画通り、一番の面倒事と思われた管理者の孫は魔力の使用過多なうえに瀕死という重症を負った。
この好機を逃す理由が無い。
サリエルは一度呼吸をし、外面を完璧にして、自分を見上げる人間達に声をかけた。
「愚かな……では無かった、親愛なる人間諸君。私の真名はサリエル。天上神様により大天使の位を与えられた崇高な存在である」
先程までざわめいていた人間達の視線が、上空で挨拶を行う大天使サリエルに向けられる。
「私は天上神様の命により、ベル・リーパーとして人間界に暮らす魔人ベルフェゴールに断罪するべくこの地に参った。魔人ベルフェゴールが暴れる可能性もある。ここは危険だ。死にたくない者は即刻この場を去りたまえ」
スタジアム全体にまで響くその声が与えた衝撃がどれほど大きいのかはわからない。
明らかに突拍子も無い話だった。
だが、目の前に立つ存在が天使という神の遣いである可能性は非常に高く、充分な信憑性があった。
物語では、不運な人間を正しき道に導き、幸福を与える神の遣いとして存在している。
その天使が告げる。
人間に化けた魔人がこの場にいる、と。
「う……うわぁあああああ!!!」
数秒の沈黙が流れた直後、一人の怯えるような声が上がると、次々に悲鳴がスタジアム内のあちこちから上がり、スタジアム内は恐慌状態になった人間達で溢れかえり、何も知らない人間達は我先にとスタジアムから逃げ出した。
※6.25追記
すみません、6月25日に投稿するはずだった2話分のデータが私のやらかしによって消えてました。
数分やそこらじゃどうしようも無いので、来週の月曜日に書き直して上げたいと思います。
なので、今日分の投稿は申し訳無いのですが、ありません。
楽しみにしてくださった皆様方には申し訳無いです。




