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弟子は魔王  作者: 鉄火市
第7章 最強決定戦編
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44話 五分間3


 全属性の小型魔法を同時展開。

 俺の魔力はストックがある限り、切れることは無い。よって、半面を埋め尽くす程に展開、そのスピードはルーンの補助による超速。

 誰にも真似出来ない俺だけの妙技。


「まずは手数で!!」


 一見小型だが、人が使う小型とは出来が違う。

 一発一発に限界まで魔力を注ぎ込み、その威力は大型の攻撃魔法に引けを取らない。


 ざわめきが俺の集中を妨げる。

 そういえばさっき結界が砕け散ったんだったな。

 うるさいし、再展開しといてやろう。


 さぁ、仕上げといこうか。


「行け」


 空中に漂う半数の小型魔法に指示を与え、ジジイに向かって放つ。だが、これで終わりじゃない。

 クレフィに放ったのとは別の六属性合成魔法を発動する。

 軽く合成したさっきのとは格が違う正真正銘の合成魔法。

 これほどの威力を持った小型魔法を混ぜたらここら一帯吹き飛ぶんじゃないだろうか?

 ……さっき張った結界一つじゃ不安だな。

 最硬度の結界を更に九枚展開。

 流石に魔力使用過多で頭がくらっとするが、今更止まるつもりは微塵も無い。

  

「灰燼と化せ。リトアドゥル・レイ!!」


 全てを塵芥と化す熱線が、先程までジジイが仁王立ちしていた場所に向かって放った。

 時間はかかったが、流石にこの魔法を受ければいくら最強のジジイとてひとたまりも無いだろう。


「……魔力を使い過ぎたな……」


 口元から流れ出る血を手の甲で拭い、やりすぎてしまったことを反省した。

 俺が予備で張っておいた結界が一枚を残して溶けていた。

 当たってもいないのにこの威力であれば、ジジイどころかフィールドもただでは済まないだろう。


「……また学園長に変な頼みをされるかもしれないな……」


 そう思った時、不思議と嫌な予感を感じとった。


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