表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弟子は魔王  作者: 鉄火市
第7章 最強決定戦編
310/364

42話 二日目5


 この席は一般開放の席ではなく学園用の観覧席なのだが、警備は結構緩く、カトレアのような生徒ではない者も座っている。

 ただ、周囲が学生ばかりなので部外者はかなり目立つという欠点もあるが、そこらへんは気にしなければ結構見やすい席だ。

 まぁ、結構辛そうな人も若干一名いるみたいだが……。


「おはよう、ミチル。カトウは一緒じゃないのか?」


 隣に同級生と仲良さそうに話すアリサを置いて、気まずそうにしているミチルに気付き、俺は声をかけた。

 ミチルも俺を見た瞬間、安堵したような表情を見せてきた。


「おはようございます、マルクトさん。主人なら初戦の試合に備えて控室に行っていますよ」

「主人だってー!!」


 ミチルが俺に対して返答すると、カトウのクラスの女子生徒の一人が甲高い声を上げ、それに乗じて黄色い悲鳴が上がる。

 すると、ミチルの表情がみるみる内に熟れたりんごのように真っ赤になっていく。


 昨日、カトウの試合を観にきたミチルを、アリサがカトウの嫁さんだと紹介したのが事の発端で、何故か昨日は終始カトウのクラスから黄色い悲鳴が上がっていた。

 普段は家事を生業としており、年上の人と接する機会は多いものの、自分より年下の少女達と接することに慣れていないミチルは、対人能力が人並み以下と言えるだろう。

 別にそれが悪いという訳ではない。

 温厚的で人をたてる彼女の性格や人柄は、接しやすいとも言えるし、人間誰しも得手不得手があるというものだ。

 とはいえ、質問責めにされ、帰る時には疲弊しきっていたミチルを見た時は結構心配になったんだが、他の席に行かずにここにいるということは、気分を害した訳ではないのだろうし、取り敢えず心配はいらないだろう。


(……まぁ、カトウも試合が終われば、助け舟を出すだろうしな)


 そう思ったタイミングだった。


『運営委員よりお知らせいたします。四回戦の初戦で戦う予定になっていたテツヤ・カトウ選手が一身上の都合により棄権すると先程運営委員に報告を受けました。よって、ミルナーヴァ選手の不戦勝とし、すぐに第二試合に移らせていただきます』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ