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追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します  作者: 武蔵野純平
第十章 レッドアラート!

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270/358

第270話 本当に偶然、国王がカールおじさんになってしまった件

 俺たちは、ベロイアの王都ブカーに転移した。


 ベロイア王国外務大臣の案内で国王カール三世と面会し、早速打ち合わせを行う。

 ソ連軍は、王都ブカーから歩いて一日の距離にある丘陵地帯で野営をしているそうだ。


「近いな……」


 俺はベロイア王国が用意した地図を見ながら、小さな声でつぶやく。

 ベロイア王都は、旧ギガランドの国境に近い位置にある。


 なるほど、ソ連からしたら、国境を越えてすぐに総攻めを出来る。

 補給、援軍、どちらも行いやすい。

 ここは、攻めやすいターゲットだ。


 ベロイア国王カール三世は、麦わら帽子とオーバーオールが似合いそうないかにも農業国の王様といった牧歌的な雰囲気のおじさんだ。


 それでも眉間にずっとシワが浮き出ているのは、不安だからだろう。

 無理もない。

 十万の大軍に攻められているのだ。


 俺は思いきった決断を下した。


「夜間爆撃をやりましょう」



 *



 ベロイア王宮の飛行場では、リス族のパイロットやメカニックマンたちが、夜間出撃準備に忙しく動き回っている。


 キャランフィールドから連れて来たのは、四機のグースと三機のブラックホークだ。

 グースとブラックホークが即席の爆撃機に早変わり。

 後部座席のリス族が持つマジックバッグに、ルーナ先生が作った樽爆弾が収納されている。


 不安なのは……。


「ルーナ先生、爆弾の改良は?」


「強い衝撃で爆発するように魔方陣を組んだ。火薬の詰まった樽を放り投げるだけ」


 今回使用するのは、木製の酒樽に火薬を詰め込んだ爆弾だ。

 改良後のテストを見ていないが、グースから放り投げるだけなら使い勝手は良い。


 だが、気になることがある。

 爆弾の話になったら、ルーナ先生は露骨にこちらを見ないのだ。


「ルーナ先生……。何か隠していませんか?」


「……」


 怪しい!

 絶対に何か隠している!


「ルーナ先生! 何を隠しているのですか?」


「何も隠してない。爆弾は爆発する」


「……」


「……」


 まあ、良い。

 爆発するなら……まあ、大丈夫だろう。


 黒丸師匠が、空気を読んで話題を変える。


「しかし、慎重なアンジェロ少年にしては、珍しく思い切ったのである」


「本当かどうかわかりませんが、敵は十万ですから。それに火薬もあります。この城で守るのはキツイでしょう」


 敵十万は、ベロイア王国からの報告だ。

 さすがに十万はないだろうとは思うが、半分としても五万……。

 相当な軍勢だ。


「そうであるな。迎撃して減らすか……。出来れば、敵を撤退させたいのである」


「敵は兵士というより、民兵ですからね。あまり殺したくはありません」


 ウーラ郊外での戦闘では、敵兵に普通のおばちゃんやお姉さんが多かった。

 突撃してきた歩兵も急造感が否めない動きだった。


 兵士というよりは、民兵。

 彼ら、彼女らは、一般人に近い。

 おそらくヨシフ・スターリンに煽動されたのだろう。


 甘いかもしれないが、出来るだけ殺さずに撤退に追い込みたい。


 そんなことを考えていると、リス族の隊長が駆け足で俺の所に来た。


「アンジェロ殿! 出撃準備完了です!」


 俺はうなずくと、号令をかけた。


「では、作戦開始!」

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