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いつもの昼休みです?


 ぽかぽかと暖かな日差しが差しこむ昼下がり。


 飯も食べ終えて、普段どおり俺はレム達と教室の端で静かに、たわいもない話で昼休みに盛り上がっているところ。


 それにしても、今日は色々と気になることが多い午前中だったと思う。


 「チッ、仕事なら仕方がねぇか。ハハ、1日だけ命が伸びて良かったなぁー」


 そして、何が仕方がないのかはわからないが、相変わらず藤堂、あいつは遠くの席からまたニヤニヤと冷笑とともにデカい態度で俺の方を見ながら何かをブツブツと呟いている。


 当然、その光景にイライラとすることに違いはない。だからフル無視。その対応に変更もない。


 それにしても、仕事と言えば華怜。


 彼女は今日も午前中の授業が終わるとともに仕事で早退をした。


 普段はしっかりと授業に出ている彼女だから単位には問題はないと思うが、最近は結構このパターンが多い。

 

 やはり、仕事が上手く行っているということなのだろう。


 でも、今日の華怜は本当に終始、これでもかと嬉しそうな表情でテンションが高かったと思う。あらためて思うが、よっぽどいい仕事が入ったに違いない。


 バラエティ? もしかしてドラマ? それともCMとか?


 そして、もしそうなら、本当にもう彼女は気が付けば俺の手に届かないところに行ってしまうと言っても過言ではないのだろう。


 そうか...。


 まあ、元々生きる世界の違う人間だ...。凄い。ただそれだけだ。それだけ...だ。


 「ん? どうした颯太。ぼーっとして、ちゃんと俺の話聞いてたか?」

 「え? あぁ、すまんすまん、レムの話だろ? 聞いてた。聞いてた」


 そして、レムの話は全く聞いていなかったが、まあ下ネタとかそういう話だろう。全くもって問題はない。


 と言うか、何だ。ちょっといきなり腹が緩く...。


 や、やばいぞ。これ。


 「すまん、ちょっと俺トイレ」


 何だ。別に何も変なものは食ってないぞ...。

 考えられるものとすれば...弁当に入っていた昨日の残りものである煮物?


 でも、別に変な味もしなかったしな...。


 まあ、とりあえずそんなことを考えながらも、なんとかトイレに駆け込み、今は便座の上に無事にお尻からダイブ。


 セーフ。


 よくわからないが、本当に色んな意味で終わるところだった。


 本当に危なかった。


 「...」


 そして、そう言えばと、俺は彼女、華怜に帰り際に渡された、二つ折りの小奇麗な便箋がポケットに入っていることをふと思い出す。


 確か、例のyoutubeのショートドラマの企画を考えてきたとか何とかで、後で読んでおいてと彼女から渡されたけど。


 何故か、lineとかではなく、皆の前で紙で渡してくるから、何かむずがゆくなってすぐにポケットに入れたんだった。その時の彼女の表情のせいもあるが、何故か妙にむずがゆくなって...。


 ただ、別に隠すものでもないのに、今考えると普通にダサいな...俺。


 でも本当、何で紙で渡してきたんだ? おかげでその光景を遠くから見てたであろう環奈が、何故か変に反応をして、それが何なのかをしつこく問いただしてくる始末...。

 

 youtubeのことを言うのも恥ずかしいし、何とか言い訳はしたが普通に疲れに疲れた...。


 でも、まあ本当に凄いな。仕事の大きさの大小関係なく、こういう真面目なところは素直に尊敬する。


 まあ、俺も気にはなって、他のyoutuberの人たちがしているそういう系の動画は割と見てはみたけど、ああいう感じのことをするのはやっぱり素人の俺は普通に難しいと言うか、恥ずかしいと言うか、色んな意味でハードルが高い。


 しかも、相手は華怜ときた。


 いくら拒否権がもうないに等しいとはいえ、本当にあらためて、ちょっと...。


 さらに、まさかの明日にはもう彼女のマネージャーとの顔合わせが組まれて...。しかも学校に来るとか何とか。


 逃げ場がもう本当に...。


 「......」


 でも、実際、ここにはどんなことが書いてあるのだろうか。


 俺はそんなことを考えながら彼女からもらった二つ折りの便箋をゆっくりと開ける。


 えーっと。


 まず、設定が


 「......」


 え...? 

 

 ちょっと...え?


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― 新着の感想 ―
[良い点] 広瀬さん視点が読みたい、、、!
[一言] 更新待ってました!結末楽しみです、長編望みですが最終章まで頑張ってください
[良い点] 素直に面白い [気になる点] 華怜のアドバンテージが本当に大きい…一気に巻いてきた
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