例のイベントは屋上で?
文化祭......。昨日の夜、そしてさっきも人通りの少ない廊下に連れていかれてそのことについて色々と華怜と話をしたけれど。
俺は本当にどうすればいいのだろうか。
華怜と一緒に文化祭のクイズ大会にエントリー.......か。
それをしてしまえばもうそれは大騒ぎになることは間違いない。
なぜならそのクイズ大会こそが
カップル御用達のこの学校きってのリア充文化祭イベント。
あの公衆の面前で参加者の皆がイチャイチャすることで有名な残酷イベントだ。
そんなイベントに俺と華怜がチームで参加。まぁ、色んな意味で信じない奴らの方が多いとは思うけれどもこれでもかと目立つことは明らかに目に見えている。
一応は断った。断ったのだが......華怜が全く引いてくれなくて今は保留の状態だ。
いや、さすがに......。あの場所で彼女とは駄目だ。
あと、そう言えば環奈にも文化祭がどうのこうので後で呼ばれていた気が......。
「おい、聞いたか。今年はクイズ大会はなくなるらしいぞ」
でも、そもそも華怜と文化祭でそんなことになったらまず藤堂はどう思う。あいつのことだ何かやりかねない。本当に円満に別れたのか? 俺から見るとお世辞でも円満別れにはどう見てもそうは見えない。他にも色々と宜しくない。宜しくなさすぎる。
はっきりと断ればいいのだろうが、どうしてもあんな面と向かって真剣な表情で華怜に「私のこと嫌いなの?」と言われてしまうと何故か俺の口からは言葉が出てこない。出せなかった......。
と言うことはやっぱり俺は.....。
って、ん?
今、なんて聞こえてきた?
クイズ大会がなくなる......そう聞こえてきたのか?
ほ、本当か? どこ情報だ?
「おい、颯太。マジで今年の文化祭はクイズ大会ではないらしいぞ。ようやく悪しき風習が終わる時がきたようだ。最高すぎる。ざまぁ見ろ糞カップルどもが!!!!」
って、うおっ。
今度は気がつけば翔輝愛が目の前に現れる。
そしてまたモテない男の暴走を......。
でも、こいつが言うなら本当の可能性が高いかもしれない......。
でも、そうであればとりあえずは助かった.....のか?
「ただ、俺の情報では何かよくわからないがまさかの民放のテレビがこの学校の文化祭に入るとか入らないとか。そういう情報が耳に入ったぞ」
ん? み、民放? 地方局ではなくて? 民放って要はキー局だよな。
へ? この学校に何を。
そんなことを考えていたら教室の扉が勢いよく開く音と共に、そこには藤堂の姿が今度は現れる。
「おい、お前ら。今年の文化祭はアレが来るみたいだぜ!!!!」
アレ? って.......何だ。
しかもいつにもなくテンションがマックス。顔がもううざい。
「生徒が全校生徒の前で色んなことを屋上で叫ぶやつだよ! あのジェニーズの番組が来るんだってよ! やべぇ、やべぇって、フゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!! 近々希望者を募集するみたいだぜぇ!!!」




