ほぼお揃いです?
「は? そ、それ.......」
ん? どうしたんだ。華怜。何を急にそんな固まった感じで。
それに何に指を指して.......?
「ん、どうしたの?大塚さん! あっ、もしかしてこれ?」
すると、そう言って目の前にいる広瀬さんは大きく自らの髪を耳にかける仕草......?
相変わらず、彼女は女性の中の女性っぽい仕草をする人。
ただ今のはちょっと何か不自然な感じが......。いや、まぁいつも通りか。
別にどっちもいいんだけれども。
「ふふっ、良いでしょ、このピアス! 風間君から誕生日にもらったんだよ! 誕生日に! 恵梨香ほんと嬉しかったんだから。こんなにセンスの良いプレゼントをもらったのは生まれて初めてかも。本当にありがとう。風間くん!」
「あぁ、いえいえ。本当に気に入ってもらえた様で何よりです」
まさかの本当に普段から付けてくれているんだ.......。
絶対にお世辞であの時だけだと思っていたのに。
しかも、生まれて初めてって.....。それは大げさすぎる。絶対に嘘。
ふっ、でもまぁ嘘でも改めてやっぱり悪い気はしないな。うん。
「な、な........」
え、あれ? ま、マジでどうしたんだ。華怜。
何をそんなに口をパクパクと.......。
あと広瀬さん、何か俺に対する感じがいつもと......。
って、
「え、な、何を」
「ふふっ、なーんか改めて風間君の顔を見てると嬉しくなっちゃって。今はこんなことしかできないけど。今度もっとすっごいお礼してあげるね!」
いや、え?
今度は彼女が俺の腕に!? な、何で.......
「ふふっ、こういうの好きなんでしょ。風間くん」
しかもそんな耳元で囁くように何を小声で.......
こ、こういうのが好き?
え? なら、やっぱりさっきの華怜との光景を彼女は........
てか、ち、近い。
って、え?
気が付けば、さらに彼女は俺の耳元で何かを囁いてくる。
「え?」
「ふふ、そういうこと」
な、なんで.......
彼女、今ものすごく小声で俺に
『助けてあげるから私に話を合わしてね』って.......
え? ど、どういうこと。
それって.....え?
「ちょっと何してんのよ! 彼から離れなさい!」
じ、状況的にありがたいのはありがたいのかもしれないけれど、本当にどういうこと?
「え、何でー? 別に大塚さんは風間君と付き合ってないんでしょ。ね! そうだよね。風間くん!」
「え、あぁまぁ。そうですけど」
それに喋り方がまたさっきみたいに戻って.......
「ほら! それに恵梨香的にはね。付き合ってもいない男の子にそんなにベッタリとするのは良くないと思うなー」
「な、そっくりそのままそのセリフを返すわよ! あんたこそベッタリとしすぎでしょうが! 早く離れなさいよ!」
「ふふっ、恵梨香は良いの。恵梨香はね。ね! 風間くん!」
それにしてもさっきの助けてあげるって.....
「良いわけないじゃない! それに何よ。そのあざとくてわざとらしい上目遣い! い、意味がわからない。なんであんたが! いいから離れなさい!」
「あれー。ふふっ、さっきここで全く同じことをしていた人がいるような気が......」
「な........い、いいから離れなさいって!」
え? いやそんなことは......
だって彼女は本当に全く関係ない。
絶対にない。知る由もないはずだ。
でも助けてあげるって.....。
何でその言葉が広瀬さんの口から......
って、う、うお
マジか。
いつの間にか、もうすぐそこにうちの学校の生徒達が。
「ご、ごめん。やっぱり急いでるから帰る!」
そう言って俺は広瀬さんの手を優しく自らの腕から剥がして改札へダッシュ。
危なかったと思う。まさに危機一髪。もう少し気づくのが遅れていたら。
い、いやでも、それよりもさっきの広瀬さんの言葉.......
どういう意味で俺の事を助けると......




