とりあえず月曜日のことは考えたくありません
「ありがとうございましたー!またのお越しをお待ちしております!」
それにしても、昨日は大変だったな。色々と........。
香奈の奴が教えたんだろうけど。あの後、華怜からのlineが凄まじく来た。それはもう凄まじく......。
通知が多すぎたから申し訳ないけれど、途中からはもう完全に一旦放置。
ほんと何してくれてんだよ香奈.....。
まぁとりあえず今はバイト中だからどっちにしろ見れないが、絶対すごいことになっている。そうに違いない.......。
「いらっしゃいませー! 何名様でしょうか? はい、席へご案内いたします!」
でも、月曜から真剣にどうしようか。
俺自身認める気は全くないが、完全にもうバレてしまっている。
それは紗弥加も例外ではない。
昨日の校外学習でそれはもう確信した.......。
痛いぐらい実感した......。
「ふふ、すっかりもう慣れた感じだね。さすが風間くん」
「いえ、まだまだ全然です。でも広瀬さんのおかげで色々本当に助かってます。ありがとうございます!」
「で、どうかな?」
ん? って......
「え? 本当につけてるんですか?」
次に会うのが結構先みたいだったから、ついさっき昼休みにちょっと早めの誕生日プレゼントを彼女に渡したんだけど.......。
過剰に喜ぶから完全にお世辞だと思っていた。
本当にもう付けてる.......。
「もーう、当たりまえだよ。こんな良いものすぐにつけるに決まってんじゃん。ほんと風間くんセンス良すぎ! 私の為に選んでくれたの?」
「まぁ、妹とかに相談に乗ってもらって。気に入ってもらえたのであれば何よりです」
まぁ嘘だけど。完全に俺が選んだ。
ただ、何かそれをそのまま口にしてしまうのは気持ち悪いかなと......。
あと結局、この前にナンパ男を撃退してくれたお礼とか言って結構良いものをもらったから。俺もやっぱりそれなりのものを選ぶ必要があった。
とりあえずあげたのはピアス。
「ほんとかなー。ふふっ、これからずっと付けちゃうかも」
「ははっ.......」
本当に大袈裟な......。
まぁ良い人。ここまで喜んでくれれば例え演技であっても嫌な気はしない。
ふっ、実際は次に会う時には付けてないんだろうけどな。
てか、あれ?
あまりにも自然すぎて気が付かなかったけど?
何で俺があのナンパ男を追い返したことを?
確か、あの時は大学生の中村さんが追い返したことになった様な.......
まぁ、別にそれによって何かがあるのかと言われれば何もないからどうでもいいんだけど。
「そっかー。ふふ、やっぱりそうなのかなー」
くっ、とりあえず今は月曜日からのことで頭がいっぱいだ.......。
本当にどうしようか。
「ますます面白いなー」
で、さっきから何を一人で言ってるんだ。広瀬さん。
あと、そんなにじーっと目を見られるとちょっと......。
うん、ちょっと......




