あざと可愛い女は清水の舞台でおもしろいものを見つけます
本日、2020/4/12日。現実恋愛の「日刊」「週間」「月刊」「四半期」で同時に1位になっていました。
いつも応援ありがとうございます。さすがに嬉しいです。
「なぁ、良いだろ? 俺はお前の為に班を抜けてきたんだぜ? 今から俺と恵梨香の二人っきりで自由行動。決定な!」
「えー! 私の為に? それはすっごく嬉しいんだけどー。やっぱり先生に怒られちゃうからさ。恵梨香そういうのは駄目だと思うなー。ねぇ皆もそう思うよね!」
強引な男は嫌いじゃないけど。やっぱりこいつは強引すぎてちょっと無い。
この前の誕生日プレゼントの件だって一応、こいつにモーションをかけてみたんだけど。
何か、どうも話が噛み合ってない気がするのよね.......
適当な返事はポンポンと返ってくるんだけど。
どうも何も理解できていない様な.........
「ちょ、そりゃないぜ恵梨香ー」
「ごめーん。でも決まりは決まりだから。藤堂くんならわかってくれるよね!」
「恵梨香、マジで後悔はさせねぇ。だからそこを何とか。俺にもメンツがあるんだわ。メンツが。ほら、俺の顔を立てると思ってさ。これでもお前の為に色んな女の誘い断ってんだぜ?」
「えー!そんなに恵梨香のことをー? でも本当にルールはルールだからごめんなさい! 私たちの班も今日を楽しみにして色々と計画を練ってきたんだもん。ねぇ、そうだよね皆!それに藤堂くんとはもっと会うのにふさわしい場所があると思うんだ。ふふ、こんなところでは言わせないで欲しいんだけどな」
「ちょ、恵梨香。おま、ったく、そう言う事ならまぁ仕方ないかもなー。ほんっとにお前って奴は。まぁ、うん。それならまぁ。へっ本当にお前って奴はよぉ」
いや、そういうの良いから。とりあえず分かったなら早くどっか行って。とにかく早く
「じゃあね。またね!藤堂くん。京都をしっかりと楽しんでね!」
「おう! ただよぉ、もうちょっとだけ恵梨香との時間も楽しみたいってのが本音でよぉ」
いや、本当に相変わらずしつこいから。真剣にしつこ......って
あれ? あそこにいるのは........
ん? 風見くん?
私の視界には今、しつこうるさい自意識過剰男の背後に映る遠くの一人の男の子の姿。
しかも、傍にいるのは......え? 大塚華怜?
見る限り、まさかの二人っきり.......!?
ちょっと何? これまた何よその組み合わせ。
同じクラスってことは知ってたけどさ。
こんな場所で何で風見くんとあんたが二人っきり?
ちょっとちょっとちょっと、何よそれ。とてつもなく面白い匂いしかしないじゃない。
どういうことよ。風見くーん。
やっぱりあの子、普通じゃないわね。
ふふっ、うるさい男もさすがにもうどこかへ行ってくれたみたいだし。
「痛っ、いたたたたた。ちょっとお腹が。ご、ごめん。何かお腹の調子が悪いみたい。 ちょっとだけ休憩したいから皆は先に行ってて。 ん? 大丈夫大丈夫。本当に大丈夫だから。ね。じゃないと恵梨香が悲しくなるからね。うん。ありがとう。また連絡するね」
こんな、こんな面白い場面をこの私が逃すわけがないじゃない。
絶対に今日こそは逃がさないわよ。
ふふっ、さぁ今回はどんな面白いものを見せてくれるのかな?
もちろん。恵梨香を楽しませてくれるんだよね。風見くん!




