あざと可愛い恵梨香ちゃんはちょっと彼のことが気になります?
うそー、風見くん。まさかの西園寺紗弥加とも関わりある系?
昨日のこともそうだけど、ものすごく意外。
い、意外性がものすごいわね。
春風環奈に大塚華怜、それに彼女まで。
普通に考えてあんな子の周りにいるメンツではどう考えたってない。
やっぱりちょっと面白いのかもね。彼。
それに今、風見くんは西園寺さんから何を受け取った?
き、気になる。ものすごく。
って、こっちに来るじゃん。
危ない、危ない。退散っと。
それにしても今日一日ずっと彼のことを観察しているけど、見れば見るほど知りたいことが出てくるわね。
というか、彼。
やっぱり雰囲気が見た目のソレとはやっぱりちょっと違う気がするのよね。
まず私に対してあんなに落ち着いていることもそうだけど、私ほどではないにしても美女ではある彼女達に対しても.......。
それにセンスだって普通に悪くないし。
何度かバイトの時に私服を見たことがあるけど、ちゃんと自分に合った服を着こなしている。
いや、悪くないどころかむしろ良い。
全然隣を歩かれても恥ずかしくない女ウケ抜群のチョイス。
言っては悪いけどなんで?
普通、君みたいな子って年がら年中サイズの合ってないチェックのシャツとか着ているものじゃないの?
まぁ、何だかんだで実際は清潔感もあるし、タイプではないけど全く受け付けない顔っていうわけでもないんだけどさ。
しかも、さらには話しの間も良い......。
何というかものすごく聞き上手。
彼と話していても全然苦にならない。というか、むしろ心地いいぐらい......。
この前なんてまさかのこの私がいつの間にか会話の主導権を握られていた始末。
色々とやっぱりおかしい......。
偏見かもしれないんだけど違和感がものすごい。
特に、聞いた話だと彼は5カ月ぐらい不登校だったって言うじゃない。
何で? 不登校になる要素がどこにある?
と、とりあえず何かが普通じゃないわね。
まるで中身が.......
ふふっ、まぁ暇つぶしにもうちょっとだけ色々と探ってみるのもありね。
うん。普通にあり。
「ん? おい、こんなとこで何やってんだよ。恵梨香」
「ん? って、あ! 藤堂くん! ふふっ、ちょっとね!」
あー、藤堂か。ちょっとめんどくさいのに捕まっちゃったな。
このままだと彼を追えなくなるじゃない。どうしよっかなー
「それよりよ。恵梨香! 誕生日のことなんだけどよ。俺んちで盛大にやるとかどうよ。てか、もう人数も集めたしよ。絶対に後悔させねぇ。最高の誕生日にしてやる。だから、な、恵梨香。俺ん家でパーティー決定な」
いや、何よ。その鼻の下の伸びただらしない顔は。
魂胆がみえみえ.......。
「うっそー、すっごく嬉しー!でもごめんなさい。恵梨香ね。誕生日は両親と過ごすって決めてんるんだー!ほんとごめんね!」
わ、私のこと軽くみすぎでしょ。
「じゃあ、次の日でもよくね? な、いいだろ。恵梨香」
「ごめーん! 次の日は友達のえっちゃん達に祝ってもらうことになっているのー」
藤堂は初めは超良いと思ってたけど、彼とは逆で知れば知るほどちょっと......。
顔はもろタイプなのに中身が色々と.......
まぁそれでも引っかかる女は山ほどいるんだろうけど、私はそこらへんの有象無象とは違うからね。
やっぱりちょっと舐めすぎ的な?
ちょっとでも期待した私がバカだったのかもね......
「じ、じゃあその次の日はどうよ!」
「えーっと、ちょっとその次の日は一日バイトでー。ほんとごめんなさい!」
し、しつこいし.......。
って、しかも風見くんをまた見失なっちゃったじゃん。
はぁ.......。
ん? あれ? でも待って。誕生日か。
風見君の場合は私のことをどんな感じで祝ってくれるんだろ。
昨日のお礼はもちろんちゃんとするつもりだし、ちょっと試して見るのもありかもね。
ふふっ、それとなくおねだりしてみよっかなー。
プレゼント




