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050_7階層探索

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

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 050_7階層探索

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 転生61日目。今日はダンジョンの7階層を探索。ダンジョンに入ってすぐダンジョンムーブで7階層に移動。

 俺たちは一瞬で移動できるが、普通の探索者は往復で何日もかかる。一度ボスを倒した人が1人でも居ると、ボス部屋をショートカットして次の階層に抜けることができるらしいが、それも俺たちには必要ない。


「おおお、7階層はトカゲか」


 詳細鑑定で見ると、ファイアリザードLv24とあった。体長は3メートルほどで、赤い皮をしていて口から火が漏れている。しかも6本足。


「ローズはあれを倒せるか?」

 横にふるふる動く。どうやら無理のようだ。レベルが足りないか。

「ん、火は嫌い? なるほど、植物だもんな」

 ちゃんと自己主張ができるローズはお利巧だ。もし中級精霊、上級精霊になったら喋ることができるのだろうか?

 そもそも精霊は成長するのか? そういった検証も行いつつダンジョン探索をしよう。


 ローズが嫌がる相手と戦わせるのは可哀想だから、普通にボッコにするか。

「ロザリナは素手だから、気をつけるんだぞ」

「はいなのです」

 ミスリルの両手剣を構える。


「アンネリーセの魔法で先制攻撃。次いでガンダルバンのアンガーロック。あとはいつものようにボコボコにする。火を吐くから注意しろよ」

 全員が頷く。


「行きます。マナスラッシュ」

 火属性のファイアリザードに、火魔法は効果が期待できない。それを考えて無属性のマナスラッシュを放った。


 マナスラッシュはファイアリザードに命中し、怒ったファイアリザードが6本の足を駆使して駆けてくる。

 なんか足の動きが面白い。平行に動くのではなく、前の2本と後ろの1本が逆の動きをしている。


 ファイアリザードが口を開けた。いきなりブレスか!?

「アンガーロックッ」

 ゴォォォッ。


 兵士たちはガンダルバンの後方でブレスをやり過ごすが、1人だけ槍を棒高跳びのように使ってガンダルバンとファイアリザードを飛び越えた。

 彼女はネコ獣人のリン。非力だが身軽なところがある兵士だ。


 リンと同様にロザリナもジャンプでブレスを躱していた。

 2人は無防備な後方から攻撃を仕掛ける。


 ガンダルバンと3人の兵士は、盾でブレスを防いだと言っても完全に防げたわけではない。

「ヒール」

 ガンダルバンと3人の兵士のHPが回復する。これは転生勇者のスキル・聖魔法だ。


 今日の俺はメインジョブがエンチャンターで、サブジョブが転生勇者。転生勇者は育てるつもりはなかったが、悪魔なんてものが居ることを知った以上、転生勇者のレベルは上げておくべきだ。


 外では転生勇者なんて地雷でしかないが、ダンジョン内なら鑑定持ちも少ないから大丈夫なはず。


「セイントアタック」

 ドガーンッ。パリンッ。


「あ……倒しちゃった……」

 STPが120以上溜まっていたから、INTに全振りしてみたら魔法鬼強だった。


「ご当主様。今のはなんでしょうか?」

「聖属性の攻撃」

 転生勇者の聖魔法(低)で覚えた魔法だ。


「ジョジョクたちの訓練のためにも、もう少し控えてください」

 ガンダルバンが諦め顔。すまん。


 STPをINTに全振りすると、MATKが600超えになる。ガンダルバンの剛腕騎士は装備とスキル込みでDEFが200ないくらい。実に3倍の攻撃力!

 しかもセイントアタックの消費MPはたったの5ポイント。なんて燃費がいいんだ!




「ドロップアイテムは火の魔石のようです」

 ロザリナが拾ってきた魔石を見て、アンネリーセが火の魔石だと言う。

 魔石は赤く、見た感じが火属性っぽい。詳細鑑定でも火のEランク魔石と出た。

 属性魔石は普通の魔石よりも高額で取り引きされているらしい。


「ご主人様。今ガンダルバン様が仰りましたが、本当に自制してくださいね」

「お、おう。分かっているよ」

 アンネリーセにも釘を刺されてしまった。




 次は水色のトカゲが出てきた。アクアリザードLv24だ。色違いで口から水が垂れている。涎じゃないよな?


「あいつは大丈夫か?」

 ローズが大丈夫とジェスチャーする。


「それじゃあ、あいつの口を塞ぐことはできる?」

 大丈夫だそうだ。


「アンネリーセ」

「はい。マナスラッシュ」

 先程と同じようにアンネリーセの魔法で開戦。


 ガンダルバンのアンガーロック。

 ロザリナ、ジョジョク、バース、リン、ソリディアが躍りかかる。


「エンチャント・アイス」

 ロザリナにエンチャント・アイスをかける。STPはリセットしているから、普通のダメージだ。それでもサブジョブに転生勇者がセットされているから、エンチャンターだけよりはダメージが出る。


「せいっ」

 リザードマン剣士のジョジョクが良い一撃を与えた。

 嫌がったアクアリザードが身をよじり、丸太のように太い尻尾がロザリナに当たりそうになったが、ロザリナは何事もなかったかのように避けた。


「パワーアタックッ」

 ガンダルバンのスキル・パワーアタックは、ATK3倍だから強力だ。


「「スラッシュ」」

 剣士のジョジョクとバースのスキル。こっちもATK3倍。


「「三連突き」」

 槍士のリンとソリディアのスキル。これはATK3.5倍だ。


 どのスキルも熟練度が(中)になると、高い攻撃力を誇る。しかし剣士と槍士は、ガンダルバンの剛腕騎士よりATK値が低い。

 ガンダルバンが鋼鉄の片手剣を使って剣士と槍士は両手武器だけど、それでもATKはガンダルバンのほうが高い。同じATK3倍やATK3.5倍でもガンダルバンのほうがダメージが出てしまうのだ。


「ラッシュなのです」

 ATK値+30と手数が3倍になるロザリナのスキル。


「マナスラッシュ」

 アンネリーセの無魔法がとどめになって、アクアリザードは消滅した。


 今回はブレスもなく、簡単に終わってしまった。俺に攻撃させないようにしたのか? そうなのか? 嫌がらせなのか?


 ドロップアイテムは水のEランク魔石。





 さらに今度は緑色のトカゲ。エアロリザードLv25だ。なんかヒューヒュー言ってるぞ。喘息か?


「ファイアストーム」

 炎の竜巻がエアロリザードを包み込み焼く。


 怒ったエアロリザードが猛突進。

「アンガーロック」

 敵対心がガンダルバンに向き、エアロリザードが口を開く。その口に茨が巻き付き、塞ぐ。しかも茨の棘がエアロリザードの硬い皮に食い込んで痛そう。


「ブレスを防いだ。一気に畳みかけろ」

 俺もセイントアタックで攻撃。今回は先程のようなことはなく、瞬殺しない。そう思っていたら、エアロリザードの動きがピタリと止まった。


「どうした?」

 エアロリザードが消滅。


「どうやら石化したようです」

 アンネリーセの言葉で思い出した。


「ガーゴイルバスターの効果か」

 2人の剣士、ジョジョクとバースはガーゴイルバスターを装備している。タイミング的にジョジョクの攻撃で石化が発動したようだ。


「石化が発動すると、動かなくなって消滅するんだな」

「そのようですね」


 ロザリナが拾ってきたドロップアイテムは、風のEランク魔石だった。こうなると次は土が出てくるかな。





 はい、やってきましたサンドリザードLv25です。土じゃなく砂でしたね。体色は黄色っぽく、口からさらさらと砂が零れている。砂を落としているのに、この周辺に砂は見当たらない。ダンジョンの七不思議か?


 こいつもタコ殴り。ブレスはローズが防いでくれる。結構順調。考えたら俺以外はLv28ばかりだった。属性リザードが弱いのではなく、俺たちが強いようだ。

 ドロップアイテムはなぜか土のEランク魔石。砂じゃなく土だ。違和感あるんですけど(笑)


 ガーゴイルバスターの石化は発動しなかった。ファイアリザードとアクアリザードの時も発動してないから、レジストされているのかもしれない。特にサンドリザードは石化に耐性がありそうな属性だな。




 俺たちは順調に7階層を進んだ。ファイアリザードはローズが苦手だから、口を塞いでブレスを防げない。代わりにINTマシマシで全力セイントアタックで瞬殺するか、アイテムボックスホイホイで対処。

 アイテムボックスホイホイを久しぶりに使ったけど、ブレスはなんでも回収できた。後は皆に活躍してもらって、危なげなく進めている。


 そして20体程倒したところで、スキル・宝探しに反応があった。

 移動時はサブジョブを探索者にしていて良かった。


「あっちだ」

 あったぞ、宝箱だ。今回は隠し通路はなく、普通に宝箱を発見できた。


 トレジャーボックスモンスターの可能性があるから詳細鑑定で見たら、普通の宝箱だった。ただし罠ありだ。


「罠があるな。ちょっと待ってくれ」

 メインジョブを暗殺者に変更し、スキル・罠で宝箱の罠を解除。


「よし、これでいいぞ」

「何が入っているのでしょうか。わくわくなのです」

「ロザリナが開けてみるか?」

「いいのなのですか?」

「ああ、もう罠もないから構わないぞ」

 嬉しそうにお礼を言うロザリナに、宝箱を開けさせてやる。その笑顔が俺には宝物だよ。


「ご主人様。本が入っているのです」

「本……?」

 宝箱を覗き込むと、魔導書が鎮座していた。


「「「「「おおおっ」」」」」

 魔導書に当たるとは運がいい。

 問題はこれを誰が使うかだ。屋敷に帰ってからゆっくり考えるとして、アイテムボックスに収納。




 さらに数十体のリザードを倒しながら、俺たちは7階層のボス部屋へと至った。もちろんボスを倒すつもりだ。

 休憩している間に、全員のステータスを確認した。

 全員のレベルが上って、レベル31になっている。俺もエンチャンターがレベル29になり、転生勇者のレベルは26まで上がっている。


 

ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ローズちゃん可愛い。
[気になる点] 仲間の兵士は上位のジョブにしてやらないのかな?
[気になる点] ガンダルバンの剛腕騎士は装備とスキル込みでDEFが200ないくらい。実に3倍の攻撃力! 上記の文章について たしか剛腕騎士のスキルはATK依存のパワーアタックだったかと思いますが、な…
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