表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/152

043_ソードガーゴイル狩り巡回

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

 ■■■■■■■■■■

 043_ソードガーゴイル狩り巡回

 ■■■■■■■■■■



 6階層のボス部屋に入ると、すぐにソードガーゴイルが現れる。

「ガンダルバン、行け」

「応!」


 ガンダルバンが飛び出し、スキルのアンガーロックを発動した。

 アンガーロックは敵対心を引き付けるスキルで、騎士系のジョブの多くが持つものだ。


 アンガーロックを見届けると、アンネリーセのファイアが火を噴く。ソードガーゴイルのHPがかなり減ったが、まだまだだ。


 ロザリナもソードガーゴイルに取り付いて攻撃を始めた。さらに4人の兵士たちも攻撃に参加。

「エンチャント・アイス」

 氷属性の追加ダメージを与えるエンチャント・アイスを、ロザリナに付与する。


「エンチャント・ファイア」

 さらにエンチャント・ファイアもロザリナに付与。

 兵士の4人にエンチャント・アイスやエンチャント・ファイアを付与してもいいが、この2つのエンチャントは手数が多いほうが多くのダメージを出せる。手数は剣士や槍士よりもバトルマスターのロザリナのほうが圧倒的に多いから、どうしてもロザリナに付与することになる。


「アンガーロック!」

 再びガンダルバンがアンガーロックを発動。敵対心を固定する。


 ガシガシとソードガーゴイルのHPが削れていく。

 兵士たちもチクチクしている。4人には一発だけ当てて、あとは攻撃を受けないようにだけ立ち回れと指示している。あの4人の攻撃力ではとてもダメージを与えられないから、戦闘に参加した既成事実だけ作ればいい。


「HP回復!」

 ソードガーゴイルの攻撃を一身に受けるガンダルバンのHPも減っていくが、スキル・HP回復を使って回復している。

 スキル・HP回復はロザリナも持っているが、バトルマスターのHP回復と剛腕騎士のHP回復の効果には差がある。同じスキル名でも、ジョブによって効果が変わるようだ。当然ながら、剛腕騎士のHP回復のほうが効果が高い。


「撃ちます! ……ファイア」

 アンネリーセの魔法でソードガーゴイルを焼くと、HPが3割を切った。


「HPが全回復したぞ」

「この程度の攻撃なら、1日でも持たせてみせますぞ! アンガーロック!」

 ソードガーゴイルの攻撃を一身に受けるガンダルバンだが、喋る余裕があるようだ。


 兵士たちはソードガーゴイルの攻撃をガンダルバンが引き付けてくれるから、攻撃を受けることなく安全にチクチクやっている。

 ガンダルバンの敵対心コントロールが、ここまで安定しているとは思わなかったよ。剣でもそれなりにダメージを出しているからだと思う。さすがは剛腕と名がつくだけはある。


 最後はアンネリーセの魔法がとどめになって、ソードガーゴイルは消滅した。

「完勝だな。よくやった」

「………」

 褒めた俺を、ガンダルバンがジトーッと見てくる。なんだよ?


「ご当主様は剣豪と探索者の他に、魔法系のジョブまで持っているのですか?」

 ロザリナにエンチャント・アイスやエンチャント・ファイアを付与しているから、バレるよな。一緒にダンジョンに入った以上は、隠すつもりもないけど。


「ふふふ。エンチャンターを持っているぞ」

「エンチャンター? 初めて聞くジョブ名ですな」

 1万分の1の確率でしか出ない珍しいジョブだから、知らないのも無理はない。


「エンチャンターは自分では攻撃できない補助魔法を使う魔法使いだ。だが、ロザリナのように手数があるジョブに火属性や氷属性の追加効果を付与してダメージを増やすことができるんだよ」

「そのエンチャンターがあったから、ご当主は余裕の表情をされていたのですな」

 ガンダルバンが妙に納得した表情をする。


「エンチャンターがなくてもアンネリーセの魔法もあるから、問題ないだろ」

「それもそうですな」

 話が終わると、ガンダルバンは兵士たちを呼んだ。


「レベルはどうだ?」

「12に上がりました!」

 イヌ獣人兵士のバースは剣士Lv12になった。


「俺もレベルが上がって13です」

 リザードマン兵士のジョジョクは剣士Lv13だ。


「上がりました!」

 ネコ獣人兵士のリンは槍士Lv12だ。


「私も上がりました」

 キツネ獣人兵士のソリディアは槍士Lv11になった。


 兵士たちは全員レベルが上った。10以上もレベルが高いソードガーゴイルとの戦闘だから、上がらないほうがおかしい。


 ちなみにアンネリーセ、ロザリナ、ガンダルバンのレベルは上がらなかった。でも俺は上がった。これでエンチャンターLv19だ。


「おーい。感動しているところ悪いが、今日は最低でもソードガーゴイルを5回は狩るからな」

「「「「「えっ!?」」」」」

 ガンダルバンと兵士たちが驚く中、さすがはアンネリーセとロザリナだ。まったく驚かなかった。


「ボス狩りでレベル上げ。お前たちのレベルが上がっても、俺のレベルを上げるまでは何日でも続けるからね」





 そんなわけで俺たちはソードガーゴイル狩りを続けた。

 6回のソードガーゴイル狩りで俺のエンチャンターはレベル21へ上った。レベル15と20の時に魔法を覚えた。これがまた使える魔法でニコニコだ。


 アンネリーセは魔法使いLv23、ロザリナはバトルマスターLv22、ガンダルバンは剛腕騎士Lv23になっている。

 そして4人の兵士たちもレベル17から18になっている。かなりいい感じに成長している。


<ドロップアイテム>

 ・ノーマルドロップ品 : ガーゴイルソード5本8万グリル


 今日はレアドロップのガーゴイルバスターが1本出た。これは両手剣だから、ガンダルバンは使えない。だから剣士で一番レベルが高いジョジョクに使ってもらうことにして、ノーマルドロップのガーゴイルソードを売ることにした。

 半日ちょっとで8万グリル(80万円)だから、いい儲けになる。


 ガンダルバンと兵士たちの装備を整えたし、俺の貴族用の服も仕立てたから結構な出費があった。他にもどんどんお金が出ていくから、資金稼ぎは大事なんだ。

 それなのにバルカンの野郎に毎日のように拉致られ、しごかれていたから体も財布も痛いよ。





 転生51日目もソードガーゴイル狩りに出かけた。

 今回はエンチャンターではなく両手剣の英雄を使うことにした。

 ロザリナもレベルが上って自力でダメージを出せるようになってきたから、俺が両手剣の英雄のレベルを上げてもいい頃合いだ。


「それはミスリル……。ご当主様ですから、何も言いません」

 ガンダルバンが何か達観しているんだが?


「ガンダルバンさんもご主人様のことが分かってきましたね」

 いやいや、何言ってるのさアンネリーセ君や。


「ご主人様なのです!」

 ロザリナはお黙り。


「よし、行くぞ!」

「「「「「応っ」」」」」

「はい」

「はいなのです」


 俺はソードガーゴイルをミスリルの両手剣でガッツンガッツン殴った。切れないんだよ、こいつ。

 やっぱり硬い。レベル14の両手剣の英雄では、ほとんどダメージが出ない。


「喰らえ、アイススラッシュ!」

 だけど両手剣の英雄には属性攻撃がある!


「………」

 ダメージはショボかった。

 仕方がないよな、魔法使いじゃないからINTはそんなに高くないんだ。


「まあ、ダメージがないよりはマシだな」

 まったくダメージが出ないわけじゃない。それだけが救いだ。


 アンネリーセのファイアでとどめを刺すと、両手剣の英雄のレベルが上った。この調子でバンバン上げよう。

 幸いなことに、6階層は不人気で探索者はほとんど居ない。ボス部屋の前で順番待ちせずに連戦できる。




「これで!」

 アイススラッシュを放つと、ソードガーゴイルは消滅した。

 さすがに両手剣の英雄Lv25は強い。いや、ステータスポイント(STP)が素晴らしいと言うべきだろう。

 STPはジョブを変えると、振ったポイントが全てリセットされる。現在保有しているSTPは66ポイントあり、これをINTに振ればアイススラッシュでソードガーゴイルに与えるダメージが半端ないものになる。

 転職する度に振り直さなければいけないけど、効果絶大なのだからその程度の労力は大したことない。




 転生52日目は暗殺者、転生53日目は休んで、転生54日目から55日目は探索者、そして56日目を休みにして57日目と58日目で剣豪のレベル上げを行った。

 暗殺者は急所突きプラス隠密が優秀すぎて苦労しなかったが、探索者のレベル上げはさすがにきつかった。剣豪はさすがの強さを発揮し、3ジョブ共レベル25まで上げた。


 剣豪のレベル上げをしている時に気づいたんだが、俺のユニークスキルに新しいものが増えていた。


「ご主人様。分かっておいでと思いますが、ユニークスキルが増えるなんてあり得ないことです」

 アンネリーセの顔が近い。チューしていいかな。


「でもさ、ロザリナはユニークスキルを覚えたじゃないか」

「ロザリナさんは種族進化したからです。種族進化の時に、稀に、ほんとーーーに稀ですが、ユニークスキルを覚えることがあると、何かの文献に書いてありました。ですが、ご主人様は種族進化してませんよね? ヒューマンからハイヒューマンにでも進化したと仰るのですか?」

 凄い勢いでまくしたてられた。


 ステータスを見たら、あら不思議。なんと種族はハイヒューマンになってました(ドン引き)。


「ダブルジョブのことも、ハイヒューマンのことも、絶対に他の人に知られないようにしてくださいね!」

 アンネリーセは発狂しそうなくらいの勢いで叫んでいた。あの時のアンネリーセの顔は、よく覚えている。美人ってさ、どんな顔しても綺麗だよね。



 ・ダブルジョブ : ジョブを2つセットできる。メインジョブの能力値は100パーセント、サブジョブの能力値は50パーセントが反映される。2つのジョブのスキルは全て使用可能。



 ダブルジョブに熟練度を示す(微)の表示はなかった。おそらく熟練度がないのだろう。

 しかしかなりビックリする内容だな。これは間違いなく切り札になるユニークスキルだと感じた。


 あと俺の各ジョブのレベル上げにつき合った全員のレベルが28になった。どうやらソードガーゴイルではレベル28より上にレベルアップしないようで、俺以外の全員がレベル28になっている。



<ドロップアイテム>

 ・ノーマルドロップ品 : ガーゴイルソード132本211万2000グリル

 ・レアドロップ品 : ガーゴイルバスター20本160万グリル

 ※合計371万2000グリル



 ガーゴイルバスターが22本ドロップした。剣士のジョジョクはすでに使っているから、もう1人の剣士であるバースにも使ってもらった。それから俺の予備用に1本保管。あとの20本は換金した。

 これでうちの剣士2人と俺が、ガーゴイルバスター装備になる。


 ちなみにガーゴイルバスターでソードガーゴイルを攻撃しても、ソードガーゴイルは石化しない。元々石像だからだと思うが、どれだけ攻撃しても石化しないんだ。


 また、ガーゴイルバスターとミスリルの両手剣では、ミスリルの両手剣のほうが性能がいい。

 俺のメイン武器はミスリルの両手剣のままだけど、外ではガーゴイルバスターを装備するつもり。ミスリルの両手剣のほうが価値が高いから、身分相応(?)な剣を装備している感じかな。



<トーイ>

【ジョブ】エンチャンターLv21

【魔 法】魔力強化(中) エンチャント・ハード(中) エンチャント・アクセル(中) エンチャント・ファイア(中) エンチャント・アイス(中) エンチャント・アタック(微) エンチャント・リジェネーション(微)

【ユニークスキル】詳細鑑定(高) アイテムボックス(高) ダブルジョブ

 ※以下、ユニークスキル表記なし。


 ・エンチャント・アタック(微) : 味方1人または全員のATK値+50ポイント。消費MP8×人数。効果時間3分。発動後5分間使用不可。(アクティブスキル)レベル15で発現。


 ・エンチャント・リジェネーション(微) : 味方1人または全員のHPを自動で回復させる。HP回復毎分30ポイント。消費MP7×人数。効果時間10分。発動後5分間使用不可。(アクティブスキル)レベル20で発現。



<トーイ>

【ジョブ】両手剣の英雄Lv25

【スキル】指揮(中) 全体HP自動回復(中) 身体強化(中) バスタースラッシュ(中) アイススラッシュ(中) アシッドストライク(低) 完全見切り(低) 経験値集約(微)



 ・アシッドストライク(低) : 両手剣技。ATK値2倍の攻撃。追加効果として50パーセントの確率で敵のDEF値とMDEF値を30パーセント低下させる。追加効果発動時消費MP12。効果時間3分。発動後2分間使用不可。(アクティブスキル)レベル15で発現。


 ・完全見切り(低) : 敵の攻撃を見切って完全に回避する。消費MP15。効果時間40秒。発動後10分間使用不可。(アクティブスキル)レベル20で発現。


 ・経験値集約(微) : 指揮下にある全ての者が得た経験値の3割を取得する。(パッシブスキル)レベル25で発現。



<トーイ>

【ジョブ】暗殺者Lv25

【スキル】急所突き(中) 隠密(中) 痕跡抹消(中) 神速(中) 感知(中) 壁抜け(中) 偽装(中) 罠(低) 捕縛(微)


 ・偽装(中) : 容姿、ステータスを偽装する。消費MP7/毎分。(アクティブスキル)レベル13で発現。


 ・罠(低) : 罠を設置、発見、解除する。(パッシブスキル)レベル19で発現。


 ・捕縛(微) : 敵を一時的に行動不能にする。効果時間10秒。消費MP5。発動後10分間使用不可。(アクティブスキル)レベル25で発現。




<トーイ>

【ジョブ】探索者Lv25

【スキル】ダンジョンムーヴ(中) 宝探し(中) マッピング(中) 危機感知(中) 脱出(低) レアドロップ率上昇(微)


 ・危機感知(中) : 危険を察知する。(パッシブスキル)レベル15で発現。


 ・脱出(低) : スキルの発動を無効化される場所から脱出する。消費MP25。発動後1時間使用不可。(アクティブスキル)レベル20で発現。


 ・レアドロップ率上昇(微) : レアアイテムのドロップ率を10パーセント上昇させる。(パッシブスキル)レベル25で発現。



<トーイ>

【ジョブ】剣豪Lv25

【スキル】ダブルスラッシュ(中) 心眼(中) 質実剛健(中) 鋭敏(中) 一点突破(低) 夢幻剣(微)


 ・ダブルスラッシュ(中) : 剣技。両手剣、片手剣の区別なく、敵に連続2回攻撃を行う。ATK3.5倍。消費MP10。発動後3分間使用不可。(アクティブスキル)


 ・心眼(中) : 敵の攻撃を予測し所持者の動きを最適化する。(パッシブスキル)


 ・質実剛健(中) : 自身のSTR、VIT、AGI、DEXの各能力値を35ポイント、INTとMINの各能力値を25ポイント上昇させる。(パッシブスキル)


 ・鋭敏(中) : 気配や危機を察知しやすくなる。(パッシブスキル)レベル8で発現。


 ・一点突破(低) : 1回だけ敵のDEF値を0、スキル効果を無効にして攻撃できる。消費MP8。発動後3分間使用不可。(アクティブスキル)レベル16で発現。


 ・夢幻剣(微) : 発動中全ての攻撃が命中する。効果時間10秒。消費MP8。発動後5分間使用不可。(アクティブスキル)レベル22で発現。



【ジョブ】剣豪Lv25

【種 族】ハイヒューマン

【能 力】

 HP=492

 MP=321

 STR=86

 VIT=78

 AGI=70

 INT=54

 MIN=53

 DEX=75

 ATK=293

 DEF=261

 MATK=162

 MDEF=159



 ハイヒューマンになると、種族の基礎能力が上がるらしい。だからヒューマンの時よりも能力が高くなっている。



<アンネリーセ>

【ジョブ】魔法使いLv28

【スキル】火魔法(中) 無魔法(中) 魔力操作(中) 魔力感知(中) 魔法威力上昇(中) 魔力の源泉(低) ブースター(低)



<ロザリナ>

【ジョブ】バトルマスターLv28

【スキル】剛撃(中) 鉄拳(中) 蹴撃(中) 防御破壊(中) HP回復(中) 気法(中) ラッシュ(低)

【ユニークスキル】 闘気(中)



 

ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


また、『ブックマーク』と『いいね』をよろしくです。


気に入った! もっと読みたい! と思いましたら評価してください。

下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。

『★★★★★』ならやる気が出ます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★★★ 2023年7月25日 ★★★
★★ 小説1巻発売予定! ★★
★ https://mfbooks.jp/product/kakuretensei/322303001895.html ★

小説家になろう 勝手にランキング

↓↓↓
こちらもお楽しみください
↓↓↓
マイホーム・マイライフ【普通の加護でも積もれば山(チート)となる】
― 新着の感想 ―
ずーっと転生後数日しか経ってなくて、えらい怒濤の展開だなと思ってたけど、ここに来て一気に進んだな とは言えまだたったの2ヶ月程度なんだけどw
[気になる点] ダンジョンの中でバレないのなら勇者や復讐者を使っても大丈夫なんじゃ?
[一言] ハイヒューマンの進化…。案外早かったね。 美少女から美女にランクアップしたかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ