032・1_閑話・屋敷と使用人
この物語はフィクションです。
登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。
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032・1_閑話・屋敷と使用人
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転生15日目の朝の目覚めは爽やかなものだった。
「ご主人様。おはようございます」
「おはようなのです」
目の前には天使のような美少女たちの顔。これで爽やかな目覚めにならないわけがない。
「今日は生憎と雨が降っていますが、ダンジョンはどうされますか?」
雨が降っていようと、槍が降っていようと、俺の目覚めは爽やかである!
なんと言っても俺の生活を脅かす種がなくなったんだ。
「今日は休もうか。この屋敷の中を見て回りたいし」
それに使用人も合流するからね。
「「はい」」
俺の部屋は3階の角部屋。公爵の部屋ほどではないけど、かなり広い。
アンネリーセとロザリナも同じ部屋だ。俺は別の部屋と言ったんだけど、アンネリーセが俺と一緒がいいと言うと、ロザリナは寂しいから一緒にいさせてほしいと言う。
しょうがないから、一緒の部屋で寝ることにした。俺のベッドの横にもう1つベッドを並べて、2人は別のベッドで寝ていた。なのに朝起きたら2人に挟まれて寝ていた。嬉しいよ。嬉しいけど、俺の理性がいつまでも性欲を押さえ込めないから止めてほしい。
ベッドは前の持ち主が使っていたと思われる大きなベッドがある。本来は3人で寝ても大丈夫なんだけど、先ほども言ったようにもう1つベッドを置いている。
シーツなどはしっかり洗ってある。豪華なキンキラベッドで趣味が悪い。いずれ買い替えようと思う。
1階に下りると、音もなくモンダルクが姿を現す。
「おはようございます。旦那様。奥様方」
今さらだけど、奥様たちじゃないからな。
「おはよう、モンダルク」
「おはようございます。モンダルクさん」
「おはようなのです。モンダルクさん」
「すぐに朝食をご用意いたします」
モンダルクに案内されて食堂に。
椅子を引かれて、座ると同時に椅子の位置を調整してくれる。できる執事は違う!
アンネリーセとロザリナも同じように椅子に座る。2人も俺同様こんな扱いをされたことがないらしくて、戸惑っている。
「「おはようございます。旦那様」」
メルリスとジュエルが料理を運んできて、俺たちの前に置いていく。
パン、ベーコンエッグ、スープ、フルーツ。キウイのようなフルーツまであるよ。このフルーツもゴルテオさんが用意してくれたの?
「今朝、市場にて求めてまいりました」
「市場って……そんな早くから起きてるのか?」
「それが我ら使用人の仕事にございます」
それブラックじゃない?
「あまり睡眠時間を削らないように。今回はしょうがないけど、朝食は前日に買ったものでいいからな」
「我ら使用人の体をお気遣いいただき、感謝いたします。本来であれば旦那様のお言葉の通りにするべきなのでしょうが、私どもにも仕事に対する矜持というものがございます。どうかお目こぼしいただければと」
3人が頭を下げてくる。
「分かったよ。でも、体を壊すような働き方だけはしないでくれ」
「「「ありがとうございます」」」
俺はホワイトな職場環境を目指しているからな。
パンは相変わらず硬いものだったけど、ベーコンエッグもスープも美味しかった。料理は主にメルリスがするそうだけど、プロ級の腕前じゃないか? 今日は料理人がやってくるらしいが、メルリスより美味い料理を作れるのだろうか?
食後は屋敷の中を見て回る。
3階は俺たちの部屋の横に使用人の控室がある。ここは使わないから、物置かな。他に5室あるが、どれも広く使用人の部屋が併設されている。各部屋にトイレと洗面所がついていて、使用人の控室には簡単な調理ができる魔導コンロもある。
2階は来客用の部屋が3部屋(使用人部屋つき)と、モンダルクのような上位の使用人の部屋がある。上位使用人用は一番広い部屋で12畳くらいで、今はモンダルク夫妻が2人で使っている。息子のジュエルは使用人用の別棟の部屋だ。
1階はダンスホールのような広い部屋と応接室、食堂、リビング、キッチンなどがあり、風呂場に続く通路がある。
昨日は使ってないけど、風呂場は結構大きい。5人くらい入れそうな風呂は、木でできている。水と熱湯が出るマジックアイテムがあって、熱湯はマジで熱かった。80度くらいはあるだろう。水と熱湯の量でお湯の温度を調整するようだ。
洗濯場は外にあって屋根があるだけのものだ。洗濯機のマジックアイテムがあるけど、タライと洗濯板のようなものまである。タライと洗濯板を見た時は、江戸時代かよ! とツッコみそうになった。
地下はワインセラーとちょっとした倉庫。もちろんワインはない。お酒は飲んだことないけど、来客用にいくつか買い求めないといけないかな。来客の予定はないけど。
庭には使用人たちが使う別棟があり、他に倉庫と厩もある。ちょっとした庭園があり、庭はかなり広い。
使用人用の別棟は2階建てで本宅よりもかなり小さいが、そこそこ大きなアパートって感じの大きさだった。部屋は10畳の1人部屋が4部屋、6畳の4人部屋が8部屋、4畳半の1人部屋が6部屋の3種類18部屋ある。
6畳の4人部屋には2段ベッドが2つあって、かなり狭苦しい。4人部屋は丁稚のような子供が使うらしい。10畳は場合によって複数人で使えるようになっているが、そこまで使用人は多くないから個室でいいだろう。ジュエルは4畳半の1人部屋を使っていた。
「ご主人様。使用人の服も用意しないといけませんよ」
「そうなの?」
「衣食住の全てを用意するのが普通らしいです」
思っていたよりも出費が多い。気合を入れてダンジョンで稼がないといけないぞ、こりゃ。
屋敷内を全部見たところで、残りの2人の使用人がやってきた。
モンダルク一家を含めて、全員が住み込みだ。
1人はゾッパという名の料理人で、20前後のぽっちゃり系。見ていてほっこりするような容姿だ。
「ゾッパだす。あまり丁寧な言葉はできないだす。ごめんだす」
「別に構わないから、そんなに緊張しなくていいぞ」
「ありがとうだす」
語尾が「だす」で面白い。
もう1人はケニーという名の16歳のメイド。ちょっと気難しそうな美人だ。メガネかけてクイッとやってほしい。
「ケニーと申しましゅ。……以後、よろしゅくお願いいたしましゅ……しゅみましぇん」
うん、カミカミ。容姿はできる金髪美人メイドだけど、ドジっ子のようだ。
「私、おっちょこちょいで……」
挨拶のところで分かったから大丈夫。
「使用人のことはモンダルクに任せるけどいい?」
「はい。お任せください」
「あとこれ。使用人の服とか必要なものを揃えてくれるかな」
「ありがとうございます」
昨日もお金渡したけど、最初は色々物入りだからね。
俺のお金も底を突きつつある。明日からバンバン働くからね。
その日の夕方。俺は風呂に入った。
こんなに大きな風呂でなくてもいいが、ちょっとだけ泳いでしまった。
「ご主人様。お体を流します」
「うわっ!?」
アンネリーセが裸で入ってきて、凄く焦った。
目のやり場に困る。
アンネリーセのたわわなOPPAIがプルン。OSHIRIもプルン。しかし何度見ても凄いOPPAIだ。迫力の双丘だね。
これを見ないのは男じゃない。俺は恥も外聞もなくアンネリーセの裸をガン見した!
ご愛読ありがとうございます。
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