表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/152

027_盗賊に囲まれた

祝、日間ファンタジー異世界転生/転移ランキング1位!

皆さん、ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします!(*´▽`*)


 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。


 ■■■■■■■■■■

 027_盗賊に囲まれた

 ■■■■■■■■■■



 俺の探索者がまだレベル9だったから、4階層のボスと再戦。

 今度は俺がミスリルの両手剣を使えるし、ロザリナはバトルマスターLv1でも村人Lv10よりも強い。安定して4階層のボスを倒し、俺の探索者は無事にレベル10に上がった。

「ん、スキルが増えている?」



【ジョブ】探索者Lv10

【スキル】ダンジョンムーヴ(低) 宝探し(低) マッピング(微)

【ユニークスキル】詳細鑑定(中) アイテムボックス(中)



 ・マッピング(微) : 通過した場所を脳内マップに表示できる。正確に紙におこすこともできる。(パッシブスキル)



 マップ表示があるのはありがたい。

 ギルドで売っている冊子には5階層までのマップも描いてあるが、6階層からの冊子は売ってなかった。自分で情報を集めろということらしい。


「ついでだから、暗殺者もレベル上げしていいか?」

「え? ご主人様は探索者という珍しいジョブではないのですか?」

「そうか、ロザリナは知らなかったな。俺、自分で転職ができるんだ」

「え……えぇぇぇっ」

 ロザリナが大声を出して驚いた。ボス部屋だと、外に声は洩れないからいいけど。


「ロザリナさん。ご主人様のことは誰にも言ってはいけませんよ」

「も、もちろんです!」

 ロザリナの俺を見る目がキラキラなんだけど? 転職できるだけだよ?





 暗殺者のレベル上げも順調に消化して、レベル10になった。

 暗殺者だと一瞬でブラックアントを倒せる。ただし1体を攻撃すると、隠密が切れて他の2体に認識されてしまう。

 そこでロザリナが1体、俺が1体を受け持って倒す。それを何度も繰り返してレベル10まで上げた。

 さらに暗殺者もレベル10で新しいスキルを覚えることができた。



【ジョブ】暗殺者Lv10

【スキル】急所突き(低) 隠密(低) 痕跡抹消(低) 神速(低) 感知(低) 壁抜け(微)

【ユニークスキル】詳細鑑定(中) アイテムボックス(中)



 ・壁抜け(微) : 壁の向こうが空洞であれば、壁を抜けて移動することができる。消費MP8。(アクティブスキル)



 これは役に立ちそうだ。あの婆さん盗賊の屋敷に入るのも、ドアが開かないと動けなかったからな。


 その後、俺たちはダンジョンを別々に出た。堂々と顔を晒してダンジョンから出たら、盗賊が5人ほど俺の後をつけてきた。

 池イカの姿焼きとゲソ焼きを10本ずつ購入して袋に入れ、さらに迷宮牛の串焼きも10本買った。迷宮牛は5階層で出て来るモンスターだ。池イカよりも高かったけど、美味しそうな匂いがしたので買ってみた。

 あと丸いパンを薄く切ったものに、野菜と干し肉を挟んでサワードレッシングのようなものがかかっている。まあサンドイッチだな。これも人数分買った。

 アイテムボックスのおかげで買ったままの状態で保存できる。


 さて行こうか。5人を引き連れて林の中の細い道を進むと、盗賊たちが動いた。5人が俺を囲むよ。

「お前がトーイだな」

 強面の盗賊Lv8だ。

「おい、なんとか言えよ」

 ぬべーっとした顔の盗賊Lv9。

 この2人は雑魚だ。5人の中で一番レベルが高いのは、俺の後方に居る奴だ。先程ちらりと見たが、こいつ盗賊じゃない。いや、元盗賊というべきだな。


「人に名を尋ねる時は、自分から名乗れ。その程度のことも知らないのか、最近の盗賊は? いや、盗賊なんかになる程のバカだから、知らないというわけだな。うん。盗賊はクズでバカでどうしようもない。害虫以下の存在だな」

 盗賊たちは激高した。いやー清々しいほど挑発に乗ってくれる。


「このガキがっ」

 1人が懐から短剣を出して、俺に突きつけてくる。喉元に当てられる短剣は、あまり質の良いものではなさそうだ。


 この世界はステータス制だ。

 こいつが仮に俺の喉をかき切ってそれがクリティカルになっても、俺のHPはせいぜい1ポイントか2ポイントしか減らない。


 両手剣の英雄のDEF値は防具込みで114ポイントあるが、その質の悪い短剣込みのこいつのATK値は40ポイントもない。

 盗賊は村人のように成長が悪いジョブだから、レベルが10でも20でもそれこそ50でもレベル6の両手剣の英雄には勝てないのだ。


 俺がモンスターのステータスを観察し、被ダメージや与ダメージからATKとDEFの関係を計算した結果、この結論に至った。

 これでも結構考えて戦っているのだ。せっかく詳細鑑定がステータスを見せてくれるんだから、使わなければ宝の持ち腐れになる。それでは詳細鑑定に悪いじゃないか。


「短絡的、短慮、浅慮、軽率、単細胞、そして稚拙。ちょっと考えただけであんたを形容する言葉がこれだけ出てくる。学がないのはしょうがないが、それを振りまいて生きていて恥ずかしくないか?」

「て、てめぇっ」

 短剣を引こうとしたから、その腕を掴む。HPが減らないからといって、痛いのは痛い。わざわざそれを受け入れるつもりはない。


「こ、この野郎っ」

 俺が村人なら、喉を切られるとそれだけで致命傷だぞ。


「なあ、これで切られたら痛いだろ。それくらい分からないのか。やっぱバカだな」

「離せ、この野郎っ。うわっ!?」

 離せと言うから離したら尻餅をついた。


「何しやがる、こいつ」

「あんたが離せと言ったんだろ」

「離せと言って離す奴が居るかよ」

「ここに居るが?」

 面倒くせー奴だな。吉●興業かよ。


「おい、遊んでないで、さっさと殺れ」

「えー、俺、殺られちゃうの? 嫌だなー」

「「「「ふざけるなっ」」」」

 ふざけているのは、あんたたちだよ。


 4人が飛びかかってきた。

 アイテムボックスのクイック装備からミスリルの両手剣を出す。


 ───ズバンッ!


 3人の胴体を切り裂く。2人は今ので即死だが、1人はちょっと浅く生きていた。

 生き残った盗賊は腹から血を流しているが、HPの残りは3割になっている。かなり厳しい表情でのたうち回っている。


「ば、バカな……ただの旅人が……なんで……?」

「へー、俺が旅人だった(・・・)の、知っているんだ」

 その話、興味ある。詳しく話してほしいかな。


「俺さ。あんたたちに何かしたかな?」

 リーダー格の元盗賊を睨みつつ尋ねてみる。

 視線を彷徨わせている。逃げ道を探しているのが分かる挙動だ。


「言っておくけど逃がさないからね」

 仮にこいつを逃がしても、すでにこいつらのアジトは掴んでいる。あそこに行けば、他のアジトも掴めるだろう。でも逃がさないよ。


 シャルディナ盗賊団を潰そうと思うのは、俺が安心して眠るためだ。俺の周りを盗賊がうろつかないようにし、俺や俺の関係者にウザいことをさせないため。


 だけどこいつを逃がさないのは、世の中のため。自分でも柄にもないことをしていると思うが、こいつを逃がしたらまた多くの人が殺されることだろう。

 ジョブ・虐殺者を持つこいつは弱者を殺し悦に浸るクズ中のクズだ。これまでに多くの罪もない人を殺してきた。これからも殺し続けるだろう。もしかしたらその中に俺に関係する人が含まれるかもしれない。だから逃がさない。


「へへへ。俺を殺したら後に引けなくなるぜ」

 強気だね。だけど俺、そういう脅しには屈しない。俺は誰にも屈しない。これまでも、そしてこれからも。


「後に引く気はない。安心しろ」

「ま、待て……」

「そっちが喧嘩を売ってきた。あの婆さんもすぐにあんたの後を追う。安心しろ」

「ばあ……さん……お前、どこまで」

「あんたが知る必要はない」

 ミスリルの両手剣を向ける。


「待ってくれっ」

 虐殺者が土下座して、地面に頭を擦りつける。


「……なんのつもりだ」

「抵抗しない。だから殺さないでくれ」

「大人しく捕まると言うのか?」

「そうだ。俺は抵抗しない。大人しくする。だから殺さないでくれ」

 土下座するそいつの後頭部が踏めるくらいの場所まで移動。踏まないよ、でも踏んでやりたい。


「大人しくするなら、痛い目を見ることはない。警備兵に突き出して終わりだ」

「あ、ありがとう。感謝する」

 背嚢を下ろして縄を出そうとしたその時。


「油断したなっ」

 虐殺者が死角になっている懐から短剣を抜いて俺に向けた。

 その短剣には毒が塗られているのか、明らかに禍々しい色をしている。いくらダメージが少ないとは言え、これを受けるのは危険だ。


「死ねぇぇぇぇぇぇぇっ」

 ガシッ。

「油断するわけないじゃん」

 虐殺者の腕を掴み、短剣を止める。


 こうなることは分かっていた。こいつが簡単に降伏するわけがない。何かしないほうがおかしいと思っていた。

 だからどんな展開でも対応できるように、警戒するのは当たり前。ただもう少し趣向を凝らすかと思っていたんだが、すごくベタな展開で逆に驚いているくらいだ。


 ───メキッバキッゴキッ。

「ぎゃぁぁぁっ」

 握力任せに掴んでいた腕の骨を砕いた。


 その腕を捻って、虐殺者の毒短剣を足に突き刺す。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

「俺、クズに容赦はしないから」


 ニカッと良い笑みを見せてやる。どうだ、爽やかだろ。

「ひぃぃぃっ」

 傷つくからそんなに怯えるなよ。


 虐殺者が懐から何かを取り出した。当然、俺はそれを奪い取る。

「あぁぁ……それを……」

 どうやら解毒剤のようだ。用意がいいね。


「これ飲みたいの?」

「は、はい……」

「じゃあさ、俺の質問に答えてよ」

「………」

「早く飲まないと危ないんじゃないの?」

「うぅぅ……何が……聞きたい……?」


 汗をダラダラと流す虐殺者が、解毒剤のために色々吐いてくれた。

 盗賊から転職するだけあって、こいつはそこそこ幹部だ。色々知っていたよ。

 今日は長い夜になりそうだ。


 

ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


また、『ブックマーク』と『いいね』をよろしくです。


気に入ったら評価もしてください。

下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。

『★★★★★』なら嬉しいです(^◇^)



 さて、一章も佳境に入ってまいりました。

 皆さんの応援があると、更新をがんばれそうです。どうか、応援ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★★★ 2023年7月25日 ★★★
★★ 小説1巻発売予定! ★★
★ https://mfbooks.jp/product/kakuretensei/322303001895.html ★

小説家になろう 勝手にランキング

↓↓↓
こちらもお楽しみください
↓↓↓
マイホーム・マイライフ【普通の加護でも積もれば山(チート)となる】
― 新着の感想 ―
マンガから来たので、展開が違っててビックリしました。 書籍でも盗賊に襲われたって展開があるのに、マンガではないのは余りないパターンですね。 こっちの方がこの世界で生きる覚悟が出来てるって感じですね。
[良い点] 安心安定の屑で良かったよ、良心が痛まない。コイツらに殺された人たちがいるのが可哀想
[一言] 読みはじめたばかりですが、婆さんと2人の時は新鮮で面白かったですけど、パーティーメンバーが増えたら異世界迷宮ハーレムっぽくなりましたかね…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ