013_呪いと解呪ポーション
やっと美少女登場!
長らくおまたせしました(o*。_。)oペコッ
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013_呪いと解呪ポーション
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5分くらいかけアンネリーセを落ちつかせ、水を飲ます。
「気分はどうだ? 苦しくないか? 痛くないか?」
「大丈夫です。取り乱してしまい、申しわけありません」
「それはいいんだが、どうしたんだ? このポーションを見て取り乱したようだが?」
無色透明な液体をアンネリーセはじっと見つめ、大きく息を吸って吐いた。
「おそらく……それは……解呪のポーションだと思います」
「解呪のポーション……」
俺は詳細鑑定でそのポーションを鑑定した。もちろん、怠けずに全ての情報を出せと念じている。
▼詳細鑑定結果▼
解呪ポーション : どんな呪いでも解呪できるポーション。味はとても苦く酸味がキツい。ダンジョン以外では発見されず、生産できる人間は居ない。値段のつけようがなく、オークションで1億3000万グリルで落札されたこともある。
かなりの価値があるのは分かった。1億3000万グリルは落札の最高値だと思うが、呪いを受けている人にとって喉から手が出るくらいほしいものだから、これだけの価格がつくんだろうな。
アンネリーセはこの解呪ポーションの価値を知っているから、あんなにも興奮したのか。これを売れば億万長者になれるんだから、興奮するのも無理はない。
そう思ったけど、本当にそうなのだろうか? アンネリーセは奴隷だから、これを手にしてもそれは俺のものだ。とても珍しく高額なポーションだから興奮することはあっても、あそこまで興奮する必要はない。じゃあ、なんであそこまで興奮したんだ?
まさかな……。
俺はアンネリーセを詳細鑑定してなかったことに思い至った。
魔法使いの犯罪奴隷で318歳。それくらいしかアンネリーセのことを知らない。知ってもすぐに死に別れると思ったから、そこまで深く考えていなかったんだ。
「なるほど、そういうことか」
詳細鑑定はアンネリーセが呪いにかかっていることを教えてくれた。3サイズも教えてくれたが、全部教えろと言ったのは俺だから深く考えないことにした。
アンネリーセは力なく床に座って、壁に背を預けている。こうしてみると、本当に魔女顔老婆なんだが、実は18歳らしい。
彼女は300歳も年を取る呪いにかかってしまったのだ。俺のようなヒューマンなら呪いを受けた時点で即死だが、彼女はハーフエルフだからなんとか生きていた。
そして解呪ポーションを自力で作る研究をしていたが、食事のために家を空けたその時、家が大爆発を起こしたらしい。魔法の暴走と聞いていたが、そこら辺はニュアンス的な表現の違いだろう。
あとは犯罪奴隷に落とされてゴルテオさんの店経由で俺の手に渡ったというわけだ。
「アンネリーセ。これを使っていいぞ」
自分でも嫌になるほど俺はお人好しだ。だから高校では酷い扱いを受けた。そんなことはいい、今はアンネリーセのことだ。
目の前で呪いに苦しんでいる女性が居る。俺の手には呪いを解呪できるポーションがある。使ってもらうのに、何を躊躇する必要があるのか。
「私が呪われていることを……?」
「これでも鑑定を持っているからな」
本当は詳細鑑定だけどね。
「で、でも……それはとても高価な解呪ポーションです」
「これが欲しくて、自力で作ろうとしていたんだろ」
「な、なぜそれを……」
「鑑定が教えてくれた」
「……そうですか。しかしそれを使っても私はご主人様にお返しができません」
「アンネリーセが何も持ってないことは、俺が一番よく知っている。そんなものを要求する気はないから安心しろ」
「しかし……」
煮え切らないな。
「要らないならいいんだぞ。売れば大金持ちだ」
俺は意地悪く差し出した解呪ポーションを引き戻した。
「要ります! 欲しいです! 使わせてください!」
慌てて俺の腕を掴むアンネリーセの力は、とても強かった。欲しいなら最初からそう言えばいいのにな(笑)
「うん、素直でよろしい。かなり不味いらしいから、一気に行け」
「は、はい」
コルク栓を開けてからちょっと躊躇したアンネリーセだが、意を決して解呪ポーションを呷った。
「いい飲みっぷりだ」
「あぁぁ……不味い……」
一気に解呪ポーションを飲んだアンネリーセは喉を押さえてその不味さにもだえ苦しんだ。
苦くて酸っぱいらしいから、最悪な味なんだろう。
もだえ苦しむアンネリーセを見ていると、彼女の体が光り出した。これが解呪ポーションの効果が発動した時のエフェクトなのか。
光が次第に強くなって、アンネリーセは完全に光に包まれた。
「おおお……おお?」
光が収まると、そこにはこれまでに見たこともないほどの美少女が居た。ゴルテオさんの商隊の護衛隊長であるエルフのルイネーザさん以上の造形美を持っている。
まさかこれがアンネリーセの本当の容姿なのか?
シワがまったく見られない透き通るほど白い肌。
恐ろしく整った顔。そのパーツはどれも理想的といえる美を持ち、それらが喧嘩することなく調和した配置になっている。
腰のない白髪はまるで黄金を散らしたかのような金髪になり、うす暗いダンジョンの中でも光り輝いている。
瞼が垂れていて細かった目もぱっちり開き、そのエメラルドグリーンの瞳に俺が映っているのが見えた。
「お前、本当にアンネリーセか」
「私は……アンネリーセです……」
声まで若返っているじゃないか! まるでアニメのヒロインのような耳によく響く声は、まったく厭味のない心地よいものだ。こんな声で耳元で囁かれたら、ビンビンになってしまうぞ!
「立てるか?」
手を伸ばすと、アンネリーセは俺の手を取った。軽いな。
「体が軽いです」
「呪いが解かれたからだ。アンネリーセは若い。とても老婆だったとは思えないぞ」
「私の呪いは解けたのですね。ご主人様、本当にありがとうございます。私の一生をかけてこのご恩に報いる所存です」
「そんな堅苦しいことはいいよ。今まで通り、俺に不足する知識を教えてくれ」
アンネリーセは涙を流した。嬉しいんだな。泣きじゃくるアンネリーセをそっと抱き寄せる。
「辛かった過去は、涙と共に流してしまえばいい。思いっきり泣くといいぞ」
アンネリーセの震える体を支えるように抱き、彼女の背中を撫でてやる。
こんな時になんだが、彼女の体はとても柔らかい。特にどことは言わないが、すごく主張している。老婆だった時に背負ったこともあるが、その時は硬さしか感じなかったのに……。
「ありがとうございました。おかげで落ちつきました」
これまでの想いと一緒に多くの涙を流したのだから、腫れぼったい目になるのはしょうがない。それでも今のアンネリーセの美しさは少しも陰るところはない。
「今日は帰って休もう。アンネリーセも心を整理するのに、少し時間が必要だろう」
「いえ、私はもう大丈夫です。ご主人様のおかげで、私は生きる力を取り戻しました。これからは身を粉にしてご主人様のために働かせていただきます」
決意の強さが分かる目力だ。そしてめちゃくちゃ可愛い。
ヤバい。こんな可愛い子の近くに居ると、胸がトキめく。
立場を利用して色々エッチなこともできるけど、絶対にしない。そう決意しないと手がアンネリーセの胸に伸びてしまいそうだ。
「わ、分かった。先に進もうか」
「はい」
元の通路に戻ろうとしたら、腕を掴まれた。
「どうした?」
「鑑定では呪いはともかく、私が解呪ポーションを作ろうとしていたことはわかりません」
ま、マジか……。めっちゃ見つめられているんですけど。
「ご主人様が鑑定系のスキルを持っていることは理解しますが、それは鑑定ではありません。そのスキル名を教えてください」
ずいっと顔が近づいてくる。この世のものとは思えない造形美。その白い肌に視界が覆われそうだ。
「アンネリーセは賢いな」
「誤魔化さないでください」
「誤魔化してないよ。本当にそう思ったんだ。いいよ、教えるよ。だから離れてくれるかな。このままじゃ、俺の理性が限界を超えるんだ」
「え? 理性?」
アンネリーセの胸が俺を押している。それほどの大きさなのだ。
「し、失礼しました!?」
「いや、全然失礼ではないんだよ。むしろ歓迎なんだ」
「そ、そんな……歓迎だなんて……」
くっ、もじもじするアンネリーセが可愛すぎる。こんなに可愛いアンネリーセがあの老婆だったなんて……変われば変わるものだ。
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