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君と暮らす5110日  作者: 中原 誓


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セカンドインパクト

 先週に比べると、ほんの少し大きくなった子犬を家に連れ帰った。


 引き取りの時、ペットショップから、最初のワクチン接種の証明書と血統書を受け取り、飼育に関する説明を一通り受けた後、『こういう説明を受けました』という書類にサインをする。

 一昔前に比べると、何かと厳しくなっている。


 クレートに子犬を入れ、車に乗せたら、ウニャウニャと文句を言っていた。2代目犬のギャン鳴きに比べれば可愛いものである。


 家に帰り、いつものように2代目の犬に『ただいま』と声をかけた。もちろん答えはない。が、絶対に『何? その子』と思ってるに違いない。


「お友達だよ〜。妹だよ〜。小さいよ〜」


 無人の部屋でそう言いながらクレートの蓋を開ける私は、傍から見ると結構危ない人だ。



 さて、最初は広い場所に戸惑っていた子犬だが、2日ほどすると、サークルの中でペットシーツや寝床の毛布を引っ張ってぐちゃぐちゃにするという技を編み出した。

 しかも、目が合う。

 得意げに、見せつけるように悪戯をするのだ。

 

 ふふふふ。そんな挑発には引っかからないよ。

 君の先輩達も、気を引くためにありとあらゆる事件を引き起こしたものさ。

 そのひとつひとつに反応すると同じ事を繰り返す。


 我慢。ここは我慢。

 忍耐を会得した者だけが勝者となれる。


 3日目、夜泣き。田舎で良かった。動画サイトの犬がリラックスする音楽はこの子には全く効かないと分かった。


 今朝、ウ○チ踏んでた。


 サークルの掃除でさえ遊びと勘違いするので、一人が足を拭いて注意を引きつけている間にもう一人が無言で片付ける。


 犬と一緒に暮らすと、『可愛い』の次に衝撃の出来事が起きる。


 犬は可愛いだけじゃない。


 だけど可愛い。




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