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君と暮らす5110日  作者: 中原 誓


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新たな犬を迎える事に罪悪感を感じる人へ

 幻を見た。




 2代目の犬のお骨はまだ家にあって、花と水を供えている。

 いつも寝る前に水を替え、おやすみの言葉をかけて寝る。


 新しい犬を迎える事を決めた後のある夜、水を取替えて供えようとした時の事だ。


 2代目の犬がいた。

 

 おすわりをして、こちらを見上げて尻尾を振っていた。ニコニコと笑っているようだった。

 ギョッとして見直すと、犬は花に変わった。


 ああ、そうか。

 そうだったんだね。


 新しい犬を迎える時、亡くなった犬に悪いと思わなくていい。

 多頭飼いの時と同じだ。新たな家族を迎えるのだ。


 子犬が来たら真っ先に君に紹介しよう。


 愛情は減りはしない。

 新たに増えて、重なり、厚みを増していくのだ。



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