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家から逃げ出したい私が、うっかり憧れの大魔法使い様を買ってしまったら  作者: 琴子
番外編

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授業中いちゃいちゃする話(コミックス3巻発売記念)

本日コミックス3巻が発売です!!!!!

詳細はあとがきにて( ˘人˘ )♡♡



「──では、この後は自習とする。各々小テストに備えて勉強するように」


 先生はそう言うと、片付けをして大講堂を出ていく。


 ドアが閉まった途端、わたしの隣に座っていたエルは大きな溜め息を付き、椅子の背に体重を預けた。


 わたしはそのまま来週の小テストに向けて勉強を始めたけれど、エルはあくびをしたり指先でペンをふわふわ浮かせたりするだけで、勉強する気配はない。


 エルは成績が良いし、必死に勉強をしなくても余裕なのだろう。わたしは全く余裕なんてないため、集中して問題集を解いていたのだけれど。


「…………?」


 つん、と頬に冷たくて硬い感触がして隣を見れば、エルにペンでつつかれたらしかった。


 どうしたんだろうと首を傾げたところ、エルは声を出さず「ひま」と形の良い唇を動かす。


 そう言われても静かな講堂内で、お喋りはできない。そもそも授業中なのだ。ノートの端っこに「勉強しないとだめだよ」と書いたところ、エルは鼻で笑う。


 そしてエルはわたしが書いた文字の少し下に「めんどい」「腹減った」「構えよ」と書き込んだ。


「ふふ」


 偉そうな態度で「構えよ」なんて書くエルについ笑ってしまい、慌てて口元を抑えたわたしはその下に「今日は庭園でお昼食べよっか」とペンを走らせる。


【ん】

【昨日から売ってる苺パン、美味しいんだって】

【食ってみる】

【一緒に買いに行こうね】

【おー】


 他愛のないやり取りは続き、授業中にいけないと思いながらも新鮮で楽しくて、ついつい書き込んでしまう。


【エルって字綺麗だよね】

【お前は下手だよな】

【ひどい】

【事実だろ】

【わたしはエルの字好きなのに】


 エルは意外にも、丁寧で綺麗な字を書く。だからこそ素直な気持ちを書いたところ、エルは口角を上げた。


【他は?】

【他って?】

【俺の好きなとこ】

【すっごくいっぱいあるよ】

【お前、本当に俺のこと好きだな】

【もちろん!】

【どれくらい?】


 だんだんとノートの書くスペースが埋まっていく中、エルの質問に対してどう答えようかと頭を悩ませる。

 

 一方、エルは頬杖をつき「はやく」と唇を動かし、わたしを見つめていた。


 わたしはページを捲ると、真っ白なノートの見開きいっぱいに大きく【大好き!】と書いてエルに見せる。


 これだけ大きく書けば少しは伝わるかなと思っていると、エルは目を瞬いた後、ふっと口元を緩ませた。


「──お前のそういうとこ、かわいいよな」


 不意に頭を掴まれて引き寄せられ、耳元でそう囁かれたことで、心臓が大きく跳ねる。


 慌てて耳元を押さえて顔を上げれば、満足げな笑みを浮かべたエルと至近距離で視線が絡んだ。


「な、なんで、喋っ……」

「もう書くの面倒になった」

「く、くすぐったいよ」

「我慢しろ」


 そんな中、授業の終わりを知らせる鐘が鳴り響き、ほっと胸を撫で下ろす。このまま耳元で話されては、心臓がもたなかったに違いない。


「顔、真っ赤だぞ」

「エルのせいだよ!」

「だろうな」


 まだ心臓が早鐘を打っているのを感じながら、教科書類をまとめる。


 そしてエルと反対側の隣に座るリネに声をかけようとしたところ、倒れ込むように机に突っ伏していた。


「リネ? どうしたの?」

 

 ゆっくり起き上がったリネは、何故か顔を真っ赤にして口元を押さえている。


「ジゼル達の尊さにあてられました……」

「えっ」


 なんとわたし達がやりとりする様子が見えていたのはもちろん、囁き声までリネに聞こえていたらしい。


 恥ずかしくなって「ごめんね」と謝ったところ、何故か「ありがとうございます」と何度もお礼を言われる。


「ちなみに後ろの奴らも見てたけどな」

「ええっ、ど、どうしよう……」

「別に? 見せつけておけばいいだろ」


 そんなことを言うと、エルは「先に教室戻ってる」と片手を振り、講堂を出て行ってしまう。


 リネはくすりと笑い、わたしの耳元に口を寄せた。


「バーネット様がジゼルの頬をつつく少し前に、後ろの男子生徒達がジゼルを可愛いって話していたんです。見せつけるためだったんだと思いますよ」

「…………っ」

「ふふ、愛されてますね」


 恥ずかしくて仕方ないものの、嬉しいと思ってしまうわたしは、やっぱりエルが大好きなのだと実感する。


「…………もう」


 その後もしばらくどきどきして落ち着かなくて、エルと食べた苺パンも、全く味がしなかった。



TwitterでSSネタを募集し「ノートの端っこにメッセージかいてやり取りしてるエルジゼを拝みたいです!!!」というリクエストを頂きました!天才的なリクありがとうございました><


そして本日、鷹来タラ先生による家逃げコミックス3巻が紙・電子共に発売です!!!!神です。


挿絵(By みてみん)


理解を超えたレベルでかわいいジゼルとかっこよすぎるエルの紫の表紙が目印です。鷹来先生、天才です。


3巻は夏休み編です!!!!ときめきあり事件ありで色々などきどきが詰まっております( ˘人˘ )♡♡

オリジナルのシーンも沢山で、原作を読んでくださった皆さまも楽しめること間違いなしです!!!!!

1000000巻くらい続いてほしいので、ご購入での応援どうぞよろしくお願いいたします(土下座)


そしてなんと!!みなさまが家逃げ書籍やコミックスを買って応援してくださったおかげでシリーズ累計15万部とのこと、本当にありがとうございます(;;)(;;)


挿絵(By みてみん)


記念にガンガンONLINEさまが超絶かわいいBIGアクリルスタンドプレゼントキャンペーンをしてくださっているので、ぜひぜひご応募お待ちしております♪♪


私のTwitterから見れます→【@kotokoto25640】


どんどん盛り上がっていく家逃げを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします〜〜!!!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] はーーー……尊すぎて目眩がしました……。 このノート、いくら出したら買えますかね…? リネはきっと隣のイチャイチャに全集中してて、授業どころではなかったでしょうね笑 ときめきいっぱいのSS…
[良い点] えっ…尊すぎません…???あまりに尊すぎませんか?!?!?!構えよでもう天を拝んでましたがメッセージの内容も流れも可愛すぎるしばーん!と書いてのアピールも可愛すぎてやばかったのにけっけけけ…
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