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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
311/363

310.太古の魔物

 100人戦闘は慣れ過ぎていて、特に疲れも感じないので今回はそのまま先へと進む。


 次の骨の敵は……何だろうか?


 二足歩行だからヒトっぽくはあるけど、妙に短い足に大きな胴体。


 肋骨だけ剥き出しになり、自分が近づくと、


 グゥァパッ!!


 と大きく開き、鋭い骨先がこちらを向く。


 骨の内側は真っ黒く、中がどうなっているのかよく分らない。


 そのまま真っ直ぐ走り寄ってくる正体不明の敵の肋骨を取り合えず、剣で殴って砕く。


 更に盾で受け止めつつ、短い足を蹴り払う。


 コロンと、仰向けに倒れた所で、真っ黒い胴体を剣で突けばちゃんと普通の肉の感触があるので、


 そのまま貫き、地面に串刺しにする。


 この骨の魔物シリーズは弱いな~とは思うものの、道は狭く倒して押し通るしかない。


 取り合えず、ホッケーマスクのようなつるんとした白い顔を盾の縁で殴り潰して、トドメを刺し、


 こんなに弱いなら、もうちょっと数を揃えるとかして欲しいな~などとと思いつつ下の階へと進む。


 そこには胸が分厚く、肩幅も広い半透明の偉丈夫が立っていた。


 「ヒトは邪神を打ち倒す為に生まれてきた存在の筈、なのに何故こんなにも弱く儚いのか?」


 「ヒトは力を合わせるから強いのであって、誰か一人が特別という事はないんじゃ?」


 「ならば、ヒトは孤では魔のモノを倒す事は出来ず、常に寄り添い合ってなくては滅びてしまうという事か?ヒトには己というものがないのか?だとしたらどうして争う?」


 「確かにヒトは一人では生きていけませんけど、己というものはあると思います。皆それぞれ己の望むものの為に努力しています」


 「ならばお前は何を努力し、鍛えてきた?」


 「……筋力?」


 「そうか、なればその筋力を見せてみよ。祭壇に鍵を嵌め込むといい」


 石壇に近づけば〔竜の爪片〕がぴったり合いそうなので、嵌めて押し込む。


 粉雪がちらつき、いつの間にやら足元も慣れた柔らかい雪へと変わった。


 そして、向かいから近づいてくる目のぎらついた集団。近づいてくるにつれ、その姿がはっきりとしてくる。


 白い毛足の長い猿人?


 二足歩行で少し腕が長く、長く白い毛の隙間から覗く赤くぎらつく目、顔の下半分は真っ黒だ。


 敵意と言うよりは獲物を品定めするかのような、下卑た空気感。


 これなら、遠慮無しにブッコロせるわ!


 一体目は下が深い雪とは思えぬジャンプ力で飛び掛ってきたところを剣で串刺し、空中で暴れているが放っておくと徐々に動きが弱り、ぐったりと崩れ落ちた。


 剣を一振りして雪の上に落っことし、一歩踏み込むと、猿人達が歯をむき出しにして威嚇してくる。


 いやはや、ちょっと消化不良だった所に大量の獲物が現れた。白竜は分ってるな!ありがたい、大暴れしよう。


 右から殴りかかってくる猿人を剣で一突き、剣に突き刺したまま振り回して、他の猿人にぶつける。


 左から来た猿人を盾でぶん殴り、正面から来た猿人を蹴り倒す。


 そこで、猿人達の動きが止まったので、セルフバフを掛ける。


鋼鎧術 天衣迅鎧

鋼鎧術 多富鎧


 かけてる途中で、一体猿人が攻撃を仕掛けてきたので、


武技 鐘突


 から、武技が勝手に発動して、


武技 鉄頭


 猿人の頭を物理的に潰して、雪降り積もり地面に倒す。


 自分を取り囲んでいた猿人達が波が引くように下がったと思ったら、一際大きな猿人が現れた。


 体が大きいだけで飽き足らず、全身の毛が逆立ち手が6本生えている大猿が、まるで前時代的な不良のタイマンのように喧嘩を売ってきた。


 最初はメンチにきりあいから、お互い目を逸らさずに近づいていき、なんと言うか本能的におでことおでこを摩り合わせ、猿人の前髪を擦り切る。


 ハラハラと落ちる前髪にキレた猿人ボスが殴りかかってきた所で、股の間の急所を膝で蹴りあげる。


 一瞬息の詰まった猿人の両肩を両手で掴みながら、鳩尾に膝蹴りをかます。


 完全に息がつまり、無防備になった猿人ボスの両腕の上から、


武具 鋼締


 シンプルに締め上げて、動きを封じる。


 周りは粉雪、下は降り積もる雪。自分の重量で沈まないのは不思議だが、この状況で猿人ボスをぶん投げてもたいしたダメージにはならないだろう。


 それならば、そのまま締めて、相手のスタミナが切れたところで、内臓が飛び出すほどに締め潰せばいいだけだ。


 徐々に力を失う猿人ボスに周りの猿人達が心配そうにキーキー鳴き声を上げ始めた。


 猿人ボスの6本の腕を圧し折り、部位破壊を起こした所で、猿人達が降伏する。


 皆一様にその場に膝をつき、手を投げ出す。


 ボス猿人を離すと雪景色が消えて、元の暗く青い薄明かりの霊廟に戻った。


 折角全力に力を奮えて楽しかったのだが、仕方なし。


 向かいの休憩所で、一休みだ。


 肉が食べたいな~。何しろ筋力使ったしさ~。


 アリェカロの加工肉を取り出す。


 賞味期限を延ばすために加工された、アリェエカロのハムを分厚く切って、フライパンで焼くだけ。


 シンプルだが、元々保存食用にしょっぱく味付けされたハムだけあって、それだけで十分美味い。


 パンとハムでご飯を済ませて、ログアウトしよう。

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[一言] |ω・*)お腹空くの~←マテ だんだん、近寄っていくのかな?白竜様に
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