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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
304/363

303.『脳筋』【訓練】

 「まあいずれにしても師匠に聞いてみるっすよ。【闘都(ここ)】にも師匠はいる訳っすから」


 言われてみればその通りと思って、盾の師匠の所へ向かう。


 「すみませんご無沙汰してます!」


 「いいよ、いいよ。邪神の化身相手なんて大変だったろうお疲れさん。それで儂の所に来たという事は武技の連携だろ?早速教えたろう。まずは 盾衝 だがな……」


 「え?ちょちょっと待ってください?武技の連携って、確か……邪神の化身を倒した事で……」


 「そうじゃそうじゃ、秘匿されてきた技術があってな。それはそうじゃろ神の思し召しとは言え、急に現れたニューターと言う種族に全てを教えるわけにはいかんからのぉ。しかし今回邪神の化身討伐の先鋒を担ってくれた事で、共に今後も邪神と戦う仲間として認め、正式に武技の深奥を伝えていこうと言う事になったんじゃよ」


 なるほど、ゲーム内部ではそういう事になっているのか。そうだよなある日を境にいきなり武技が連携できますなんて、何がしか理由はあるよな。まあ場合によっては神の思し召しで全部済ませるんだろうけども。


 「それじゃ、それもお願いします。本当は『脳筋』の使い方を教えてもらいたかったんですけど」


 「そうかそうか!じゃあ先にそっちを教えたろう。筋肉の名前を呼ぶがいい。そうすれば筋肉が力を貸してくれるそれだけじゃ。ただ同時に力を貸してもらえる筋肉の数は限りがある。それは脳筋の称号を得てからの筋肉との付き合い方次第で増えるから、地道に筋肉と理解を深めていく事じゃ」


 早速、筋肉の名前を呼んでみる。


 「腹直筋!錐体筋!外腹斜筋!内腹斜筋!腹横筋!腰方形筋!尾骨筋!」


 腰周りが光だし、締まる腹圧と安定する体幹に腹が座るというのだろうか、妙に心が落ち着く。


 「ふむふむ、最初にインナーマッスルで試すとはやはり見込みがあるのぉ。まあそっちは筋肉好きなお主の事じゃ、コツコツと試したらいい。次に武技に移るぞい。さっきも言った通り 盾衝 からじゃが、盾を相手にぶつける事で発動して、あいてを突き飛ばす武技な訳じゃが、距離を取りたいだけならこの一段目で終わらせる事じゃ、二段目は 追従 と言ってな。距離を詰めなおすものじゃ」


 「折角距離を取ったのに更に追い込んでどんな意味が?」


 「なんだなんだ、よく考えてみぃ、そりゃ相手の体勢を崩した所に更に追撃の余地が生まれるじゃろう。特にお主みたいに追い足が無い者なら尚更使えるはずじゃぞ」


 言われてみればその通りだ。いつも追い足に悩まされてるのにすっかり忘れてた。


 あくまで飛ばした相手に付いていくだけだが、確かに尻もち付いた相手を踏み潰してもいいし、倒れずに残った相手ならそのまま斬りかかってもいい。いずれにしてもクリーンヒットを作り出すには使いやすいかもしれない。


 「これは確かに使えますね!武技の連携がこんなに使いやすい物だとは……」


 「そうじゃろう、そうじゃろう!次に 踏殺 は追撃及びトドメ用の技だから特にないな。潰首 も同様じゃ。倒れた相手への追撃武技なんで、次の手は無い。じゃが 鐘突 の連携はあるぞ。片手があいてる事が条件になるが、相手を掴んで引き寄せもう一発頭突きを入れられるんじゃ。この時ヒト型が相手なら頭にクリーンヒットするぞい。その名も 鉄頭 じゃ!」


 「なるほど!一撃目は綺麗に入らなくてもニ撃目で確実に相手の頭に衝撃を加えて、上手くすれば相手がふらつくと言うわけですね」


 「そうさそうさ飲み込みがいいのぉ。更に 撃突 じゃが、これは周囲に障害物があって相手が立ったままの場合、追突 となって、障害物と自分で相手を挟み潰す技となる。ソタローの重量だと必殺になりうるから使いどころは気をつけるんじゃ。もし何もない場合、ソタローは相手に向ってジャンプすればいい」


 「ジャンプ?ですか自慢じゃないですけど、体が重すぎて殆ど飛べませんよ?」


 「まあまあ普段はそうじゃろうのぉ。だが武技の補正がかかるとそうでもなくなる。高くジャンプして全身で敵を踏み潰す事になるんじゃ。その場合は 飛身潰 となるのぉ」


 ……フライングボディプレス?プロレス知らない自分でも分るけども、全身鎧着てヒトを体で踏み潰すのって?


 「まあでも、撃突 で相手が転んだ場合の対処ですもんね。耐えられた場合は距離を取るだけになるのか……」


 「??ソタローの 撃突 で転ばんやつなど想像つかないが、まあいいわい。最後は 鋼締 じゃな。時間を掛ければ動けない相手をそのまま潰し倒す事も出来るが、多人数戦じゃそうも行かん場合もあるだろう?そんな時は、両腕を封じたまま、後ろに倒れこめばいい 脳天砕 って武技になるぞい」


 「後ろに倒れこむ?」


 「そうじゃそうじゃ、武技の補正がかかるとは言え、どういう動きになるか分らんと怖いじゃろうから、ちょっと見せてやる」


 言うなり、お弟子さんの一人を連れてきて、師匠よりずっと大きなお弟子さんに組み付く。


 おそして、確かに後ろに倒れこんだのだが、お弟子さんの頭が地面にぶつかり、師匠はブリッジしてる。


 自分と相手の体重を相手の頭に掛けるんだから、頭潰れちゃいそう……。受身取らせないように両腕封じたまま投げてるし、怖!!!


武技 盾衝 → 追従

武技 鐘突 → 鉄頭

武技 撃突 → 追突or飛身潰

武技 鋼締 → 脳天砕


 と、どれも使い勝手の良さそうと言うか、凄い攻撃的な武技連携を手に入れた。

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― 新着の感想 ―
[一言] き………………筋肉の名を呼ぶ………………(笑) 筋肉を呼んだら応えるって…………どっかのお笑い芸人さんみたいな…………(笑)
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