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藤村君と鈴村さん。  イケメン男子とその幼馴染  作者: るい
バレンタイン最高。
24/30

バレンタイン最高。②

バレンタイン最高。はこの話で終わります。

ひなたは不機嫌そうに玄関に立っていた。


「チョコ、作ったから。」


可愛らしくラッピングされた包みを俺に押し付けて、ひなたは「じゃあね!」と俺の目を一度も見ることなく走って帰って行った。


ひなたに嫌われてしまったかもしれない、そう思った。





「夕ご飯は晴人さんの好きな厚揚げの煮物もありますよ。お腹、すいたでしょう?」


リツコさんは悪戯っぽくニヤリと笑って言った。


「いいですねえ、晴人さんは毎年たくさんチョコが貰えて。」


「別に、嬉しくない。」


「あら?そうでしたか?ひなたちゃんがくれたチョコも?」


「ひなたのチョコは別。」


「嬉しいんですね。」


「ひなたのはね。」


「じゃあ、ひなたちゃんに会ったらお礼を言わないといけませんよ。」



リツコさんに言われて気が付いた。


俺、ひなたにありがとうって言ってない。



「先生と陸人さんへのチョコは私が預かってひなたちゃんにお礼を言いましたけど、晴人さんへのチョコは私が預かってませんから、ご自分でお礼を言いませんとね。」


「・・・。」


「それと、私、今日、チョコレートケーキを焼いて、鈴村さんのお宅におすそ分けをしようと思って多めに焼いたんですけど、ひなたちゃんに渡せなかったので、ご飯を食べ終わったら鈴村さんの家に持って行ってくれますか?」


「・・・うん、わかった。」




夕ご飯を食べ終えた俺はリツコさんの焼いたチョコレートケーキを持ってひなたの家に行った。


玄関のチャイムを鳴らすと、駆が出てきた。


「なあんだ、晴兄か。どうしたの?」


「これ、リツコさんが焼いてくれたチョコレートケーキ。皆さんでどうぞって。」


「え?リツコさんから?これもカウントしていいかなあ。」


ガチャッ


「あれ?ハル君じゃない、ひなた、ハル君来てるよ?」


春子おばさんが仕事から帰ってきて玄関に入ってきた。



ひなたがひょいっと扉から顔を出した。


「あ、ヒナ、さっきはゴメン。チョコありがとう」


俺は急いでそう言った。


「うん。」


ひなたはそっけなく返事をしてすぐに扉の向こうに隠れてしまった。



「母ちゃん、俺、今日のチョコ7個だぜ!」


「え?そんな貰ったの?じゃあ、母ちゃんからはいらないか。」


「いや、母ちゃんのも入れて7個だから。」


「まだあげてないのに数に入れたのかw あ、ハル君はまたたくさんもらったんでしょ?」


「・・・。」


「今年はひなたのチョコ、ハル君の好きなペカンナッツの入ったのだったでしょ?」


「まだ食べてないから。」


「そうか。今年は翔真君にもあげるからって色々悩んでたみたいだけど、結局、ハル君が好きなチョコにするって何度も試作しててね。」


「今年のはホワイトチョコと普通のチョコの2種類でペカンナッツがサクサクしてておいしいよ。」


「・・・ヒナ、翔真にも同じのあげたのかな?」


「うん、多分ね。翔真君の好きなチョコは分からないから、晴兄の好きそうなチョコにするって言ってたよ。」


「あのチョコはナッツが嫌いな父ちゃんもおいしいって言って食べてたよね。」


「でも父ちゃん、姉ちゃんが「俺より晴兄の好みを優先した。」って拗ねてたよw」


「そっか、じゃあ、家帰って食べてみる。おやすみ。」



さっきまでの沈んだ気持ちが嘘のようにウキウキして家に帰った。





そうか。ひなたは俺がナッツ好きだからナッツのチョコを作ってくれたんだ。


ひなたは知らないんだ、翔真はホワイトチョコが苦手だって事。


大丈夫だ、多分、俺より翔真を優先したんじゃないんだ。




ひなたのチョコを食べながら俺は確信した。




俺はひなたのことが好きなんだ。




俺は甘い物は好きだけど、その日はひなたのチョコ以外は食べなかった。



ひなたはどうなんだろうか。

俺の事、どう思ってるんだろうか。

少なくとも嫌われてはいないようだが、好かれているという気もしない。



いつの日か、自分に自信がついたら告白しよう、小学5年生のバレンタインの夜、そう決めた。




あの夜から6年。



自分に自信がついたという訳ではないけど、ひなたに告白できた。



しかも、多少強引だったけど、俺たちは恋人同士になった。




バレンタイン最高!




明日からどうしよう。



俺たちが付き合い始めた事を公表するほうがいいのか。


駆には何ていうのか。


どのタイミングで春子おばさんに挨拶したらいいのか。



色々考えないといけないことは多いけど、今日はとりあえず、ひなたのチョコを食べて、「おいしかったよ」と彼女のひなたにラインして幸せを満喫しながら寝よう。


「愛してるよ。」


とラインするのはやりすぎかな。



「俺と付き合うことにしてくれてありがとう」

「チョコ、すげえうまかった」

「大好きだよ、ひなた」



色々考えた結果、なるべくシンプルな言葉を選んで、返事は明日の朝の散歩の時かもしれない、と思いながら送信した。



意外に早くひなたから返事が来た。



「これからもよろしくね。」





だめだ。


こんなことでも嬉しすぎる。



俺の彼女、ひなたからの「これからもよろしくね。」


破壊力がハンパねえ。



どうせ眠れそうにないから、明日、ひなたと話し合うべき事をピックアップすることにした。




今日は俺の今までの人生で最高の日だ。



バレンタイン最高。



俺とひなたの男女交際は今日から始まる。





頑張れ、俺。



俺とひなたの青春はまだまだ続く。












完結、の意味が不明となってきていますが、まだ続くかもしれません。


藤村君に恋のライバルができる話か小田翔真君の話が書きたいなあ、と。


何にしても、結局ろくに練らないで勢いで書いてます。すみません。

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