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全ての始まり

お気に入り登録ありがとうございます。


 5月13日、俺はこの日はいつものように学校に向かった。

 朝から友梨亜にたたき起され、今日の放課後は2人でスーパーの買いものをさせられ、俺は今ものすごく憂鬱である。

 こんな朝から憂鬱で不幸ならきっとこれからもっと大変なことが起こるのではないであろうか。

 そんなことも思ってしまう・

 そして、今日もいつものように遅刻ギリギリで俺は教室に入る。

 特に何も起こらないけど平和な日常。

 この時の俺はこの環境に満足していた。


「おはよう雄二、眠そうだね」


 クラス内で俺に話しかけてくるのは親友である葛城尚道である。

 俺は学校で友達と言えるのはこの尚道と理解準備室に引きこもってるちびっ子しかいない。

 それぐらい俺はクラスでも影が薄いし、友達がいない。

 でもそれでもいいと思う。

 無理に人間関係を気付かなくてもきっと大丈夫だろう。


「昨日買ったゲームが余りにも面白くてな。ついつい徹夜しちゃったよ」


「雄二のその引きこもり体質、何とかした方がいいと思うよ」


「いいんだよ。俺はこれで。別に心配する人もいないんだから」


 そういいながら俺は机に突っ伏し寝る体制に入る。


「もう寝るのかよ。早すぎだろ。GW後の中間テストでどうなっても知らんぞ」


「大丈夫だ。俺には立派な家庭教師がいるんだから」


「家庭教師? まぁいいや。取り敢えず先生がきたことはいっておくぞ」


 そういいながら尚道は俺の元を去って行った。

 まぁいいや。

 取り敢えず、寝よう。

 そう思い、俺はまどろみの中に入って行った。


「雄……、雄二……」


 誰かが俺のことをゆする音が聞こえる。

 睡眠の邪魔をするのは一体誰だよ。


「先生が‥‥」


 その声が聞こえた瞬間、俺の頭に強い衝撃が伝わってきた。


「岬、お前は一体いつまで寝ているんだ?」


 その瞬間あたりからどっと笑いが起こる。

 周りを見ると俺を心配そうに見る立石さんの顔とこちらをあざ笑うかのような数学の館林先生の顔があった。

 この先生は周りからの人気は高い。

 頭がよく、おしゃれであり、その上そのことを鼻にはけないのだから女子への評判も高い。

 髪もボサボサで、常にやる気のない俺とは大違いだ。

 

「お前いつも授業寝ているがそんなに寝たいなら保健室で寝たらどうだ?」


 館林先生はあきれた顔をして俺に問いかけてくる。

 どうせ俺には誰も期待していないことは分かっている。

 だったら別に俺が何をしていても大丈夫だろう。

 そう思い俺は席を立ちあがり、教室の扉に向かって歩いて行く。


「おい、岬、どこへ行く?」


「何処って保健室ですよ。保健室なら寝てていいんですよね」


 館林先生は俺を引きとめようとしたが俺は構わず外へ出る。

 俺が外を出る時、安城さんと目があったような気がするが気のせいだろう。

 あの黒髪が腰まで伸びていて、学校でも絶世の美女とまで言われた彼女がこんな風に俺を見てくれるはずがない

 確か3年生の由良先輩と付き合っているって話も聞いているし。

 

 

「雄二君、ちょっと待って」


 そう言い、俺の近くによってくる女の子に俺は怪訝な顔を向ける。


「立石さん、何のようですか?俺は今取り込み中なんですから不用意に近づかないで下さい」


 俺は丁寧口調で後ろから追ってきた女の子に声をかける。

 後ろから追ってきたのは先ほど俺を起こしてくれた立石美優である。

 制服越しでも分かるような豊満な胸と長い黒髪をサイドポニーに結った姿。

 学年では人が結構ある女の子だ。

 安城さんが学校全体のマドンナだとしたら立石さんは学年のアイドルである。

 でもそんな彼女が俺を気に掛ける理由が俺には分からなかった。


「私は保険委員なんだから保健室の付き添いだよ」


「いつもいつも余計なお世話ですよ。何で俺に構うんですか?」


 これは純粋な疑問である。

 入学してから立石美優はよく俺に近寄って話そうとしてくる。

 彼女の場合、明るく他の友達もいるのに何故俺の側に寄ってくるのか疑問しかない。

 


「それは……雄二君のことがほっとけないからかな」


 そう言い、美優は笑顔でこっちを向いた。

 立石さんのこういう所は俺は反則だと思う。

 知り合い以上友人未満、こういう関係を人は何ていうんだろうな。


「彼氏持ちのくせに何言ってるんですか」


「失礼な、今はフリーだよ」


「あなたは前の彼氏と2週間で別れたんですか? これで何人目ですか?」


 立石さんは去年の学園祭で告白されてから何人もの男の人と付き合ってきたはずだ。

 男の人と付き合うたびに俺に報告してくるため、正直少しうんざりしていた。

 これが立石さんの人気が学年止まりなのはこういう理由があるからかもしれない。


「えっと、11人目ぐらいかな」


「人を惑わす悪女とはこのことを言うんですね」


「人聞きの悪い、何で私が悪女なのよ」


「ここ半年でそれだけ彼氏をとっかえ引っ換えしてればそう言いたくもなりますよ」


「それは‥‥誰かさんが振り向いてくれないからこうするしか……」


「何だって」


「あーもう、雄二君なんか知らない」


 立石さんが少し怒ったような声で、そっぽを向く。

 こうして見る少し怒っている立石さんは確かに他の男の子には魅力的に思える。

 そんなこと思った次の瞬間、廊下の先で何か声が聞こえた気がした。

 それは叫び声ともうめき声ともつかない、おかしな声だった。

ご覧いただきありがとうございます。


感想をいただけるとうれしいです。


更新が滞っていて申しわけありません。

今色々と忙しいため更新の方が遅くなっています。

なるべく3連休中には次を上げられるようにしますのでお待ち下さい。


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