学園祭
日曜日。
文化祭3日目、一般開放の2日目となる。
昨日もたくさんの人が来たが、今日はその日にならないほどの人がくるらしい。
実際前の世界でも2日目よりも3日目の方が賑わっていた。
ちなみに前の世界では裏方で喫茶店に出す、食べ物を作っていたり買い出しを行っていた。
ただ、今回は宣伝係と言うことで、廊下を歩き回ってればいいだけである。
ある意味気楽なので、今回は色々な出し物を見て回ろうと思う。
以前の世界ではこのようなことはほとんどできなかったので今日はすごく楽しみである。
「ゆ~じくん」
誰かに名前を呼ばれたので後ろを向くとそこには同じクラスの立石美優がいた。
髪をサイドポニーにまとめている女の子であり、胸が普通の人よりも強調されている可愛い女の子である。
美雪を清楚なお嬢様だとしたら、美優は明るい元気っ子と言えるだろう。
「いきなりどうしたんだよ、美優?」
「朝から雄二君の姿が見えないから安城さんと2人で探していたんだけど?」
あぁ、そうか。
そう言えば俺は美雪と美優と3人で宣伝係をやっていたんだな。
確かこの後3人で担当分けして校内をそれぞれ回るんだっけか。
「それよりさ、どう? この衣装、似合ってるでしょう」
うちのクラスではコスプレ喫茶の為、何の服を着てもいいのだが美優の衣装は似合っていた。
彼女のコスプレは病院の看護婦の衣装である
スカートは美優がオーダーしたのか短めで、その足から除くきれいな足が健康的で男子の欲情をそそっている。
そして、何より他の人より大きい胸に目がいってしまう。
ナース衣装からのはちきれんばかりの胸に世の男達も魅了されているに違いない。
「その……似合っているよ」
俺がそう言うと本当に美優は嬉しそうに笑う。
「じゃあさ、今日の学園祭なんだけど……その……一緒に」
後ろの方がごにょごにょ言っていて分からない。
何が言いたいんだろうか?
「雄二。ここにいたのね」
振り向くとそこには美雪がいた。
美雪のコスプレは魔法少女である。
本人のキャラには全くあっていないと思うのだが本人が着たいと言っていたのだからしょうがない。
短いスカートにフリルが大量についている衣装。
美雪らしくないのだが俺はこれはこれで美雪にしては可愛いと思う。
今まできれい系美人系だと思っていたがこういう服もあうんだなぁ~とはひそかに思っている。
ちなみに衣装は真奈から取り寄せた特注品である。
それは真奈から直接聞いた。
こちらを見てニヤニヤと笑っている真奈が印象的だった。
あの笑いは何だったのだろうか?
それよりも美雪には助かった。
「早くしないと、真奈と友梨亜ちゃんもう来るんだから準備しなきゃ」
「そっ、そうだよな。というわけだから、美優また後で」
「ちょっ、あっ」
そういい、俺は美優から距離を置いた。
「ちょっと」
美雪がそう言うといぶかしげな視線を俺に向けてきた。
「なんだよ」
「今美優ちゃんにいやらしい視線向けてたでしょ」
「ばか。俺がそんなことするわけないだろう」
「どうだが」
なんか妙に美雪の視線が痛い。
いつもより機嫌が悪いように見える。
「それよりも真奈はもう来るのか?」
「もう来るわよ。校門にいるから早く迎えに言ってきて」
「わかった」
そう言い俺は校門に向かおうとする。
「それと美雪」
教室の出し物に向かう美雪に俺は声をかけた
「お前の衣装も十分似あってるからな」
そういい俺は校門に向かう。
「もう。雄二ったら」
後ろからため息をつく声が聞こえてきたがそれは俺にはよく聞こえなかった。
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