保健室
「痛い、美優痛いって」
「もう、雄二君は無茶ばっかりして」
「あれはしょうがないだろ。それにしてもあいつらは何だったんだろうな」
それは先ほどのことだ。
3階で美雪のことを探していると同じ学校の金属バッドを持った生徒に後ろから襲われた。
それを倒したと思ったら、後ろから2人3人とどんどんわいてきてたいへんだった。
で、ひと段落したと思ったら真奈達が3人でやってきて、この光景に驚いてたな。
まぁ床に金属バッドやしないを持っている奴らが床で寝転んでいればそりゃあ驚くだろう。
で、美優が顔の傷を発見してこうして保健室に来たということだ。
ちなみに友梨亜もついてきている。
今はベッドの所にちょこんと座ってこちらを見ている。
「それにしても……あなた達一体何をしていたんですか? こんなに傷があって……」
保険医の先生がそういいながら嘆息している。
確かこの先生は3年前にこの学校に赴任してきた比較的に若い先生だったはずだ。
確かアメリカの大学を出て、こちらに来たという異色の先生だったはずだが……。
ただ、その先生がなんでこんなしがない学校の保険室の先生をやってるんだろうな。
「それにしても……あなた達付き合ってるの」
「友梨亜も、友梨亜もそこ気になる所だよ」
俺と美優を交互に見る先生の目は怪しく光る。
後、友梨亜。
お前はそんな所で興奮するな。
「そんなぁ~先生、私達が付き合っているなんて」
「いや、俺等付き合っていませんから」
その言葉を聞いて、美優が少しムッとした表情をする。
友梨亜、お前は何でそんな残念そうな顔をするんだよ。
「まぁいいわ。私は職員室行ってくるから。帰る時は鍵を閉めて行ってね」
そういい、保険の先生は出ていく。
「雄二君、さっきの酷いよ」
「いや、だってお前と俺付き合ってないだろ」
「そこは嘘でもそう言ってほしかったな」
「あのな、美優……俺は」
「雄二」
勢いよくドアが開いたかと思うとそこから美雪と真奈が現れた。
扉を開け、俺と美優を交互に見る2人はどこか不機嫌顔である。
「修羅場……修羅場だよ。友梨亜大好物です」
友梨亜、お前はそろそろそのテンションを下げようか。
喜々とした笑顔をこっちに向けるな。
「雄二、あなたずいぶん楽しそうね。そんなに立石さんといちゃついていて」
「美雪、この光景がお前にはいちゃついて見え……」
「そうよ。私と雄二君はいちゃついてたんだもん」
そういいながら俺の腕に自分の腕をからめてくる美優。
やめろ、そんなことするな。
みてみろ、美雪がこめかみを引くつかせてるし、真奈は後ろで何かを準備している。
「雄二、覚悟はできているのかしら?」
「まて、誤解だ。美雪……話を」
「これ、美雪、待つのじゃ」
意外にも美雪のことを止めてくれたのは真奈だった。
そう言えば何で友梨亜と真奈がこの学校に入ってきたのかいまだに謎だったな。
「雄二よ、これをお主にみてほしい」
「これは?」
真奈から受け取った紙の束は分厚くそこにはとある建物の写真や内部を写したと思われる写真が写っていた。
中には白衣を着た男の人達の写真もある。
「これは北海道の研究所の内部資料じゃ。雄二に早く見せたいとおってな」
「本当か!!」
それが本当ならこれはすごい資料だ。
なんたってあの感染者を生みだした所のものなのだから。
絶対どこかでボロが出るはずだ。
ちなみにひっついている美優は首をかしげていた。
「真奈、ありがとう。これは見させてもらうよ」
「うぬ、では友梨亜に渡しておくからのう。後でゆっくりとみるのじゃよ」
「今見せてくれるんじゃないのか?」
「それもそうなのじゃが……」
「真奈、もういいわよね」
そう言いながら美雪が前の方に出てきた。
そうか。
そう言えば美雪が怒っているのを忘れてた。
「雄二、覚悟はいいわね」
いつの間にか美優も俺の腕から離れている。
「待て、美雪。話せばわかるって」
「問答無用よ」
その後俺の悲鳴がこの中に響き渡ったのは言うまでもない。
さっきの奴らよりも美雪の方が何百倍も怖い。
俺は薄れゆく意識の中そんなことを思っていた。
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