表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/53

仮初めの味方

ここから美雪がタイムリープをする前の話になります

 隣のクラスの人に呼び出され、私は階段を上へ上へと登って行く。

 呼び出した彼からは特には言葉はない。

 前の世界でも同じようなことがあった。

 あの時は私が弱かったから、あんなことが起こってしまったんだと思う。

 私は軽く目をつぶり以前の世界のの出来事を思い出していた。

 

 

 

「遠野さんが……」


「そうだよ。隣のクラスの遠野さんが君の悪い噂を流しているんだ」


 そういう由良は優しい表情で私にそう言ってくれていた。

 最近学園祭前になって私の悪い噂が流れるようになった。

 おかげで私の友達は誰も私に話しかけようとしない。

 それどころかクラスでも無視されたり、学園祭の役割すら与えられない。

 私としてはこの噂を流し、私をいじめた奴を何とかして懲らしめたかった。

 ただそれだけだ。

 

「じゃあ、私遠野さんと少しお話してきます。彼女も話せばわかると思うし」


「まぁ、安城さん待ちなよ」


 そういい、由良は私の腕を掴んで制止してきた。


「こういうのは話すだけじゃだめだ。ちゃんと彼女に自分がどれくらい悪いことをしているのか罪の意識を植え付けないと」


「じゃあどうすればいいんですか」


 この時私は純粋すぎた。

 こんなことを聞かなければよかったものを。

 多分久しぶりに人にやさしくしてもらえてすごくうれしかったんだと思う。

 だから由良の話を少しでも信じてしまった。

 

「俺が手を貸してあげるから、一緒に遠野さんを懲らしめよう」


「いえ、由良先輩にそんなことをして頂かなくても」


「大丈夫。俺は君の唯一の味方だ。だから君に手を貸したいんだ」


 そういう由良は当時格好よく見えた。

 今思えば、この時彼の口車なんかに乗らなければよかった。

 そうすれば私はこんな思いをする必要もなかったのかもしれない。


ご覧いただきありがとうございます


感想をいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ