2ヶ月後
あの高宮真奈と出会ってから2カ月の月日が流れた。
その間変わったことと言えば、沙耶が俺への呼び方を「先輩」と呼ぶようになったことだ。
沙耶が先輩と呼ぶようになったのはあのアウトブレーク以降のはずだからこれも美雪の教えのせいだろう。
最近では屋上で3人でお昼を食べている時、よく焼き菓子も持ってくるようになった。
美雪がいなくてもお昼を自分で作ってくるようになったり焼き菓子を作るようになったりしたあたり、昔と変わったと強く思う。
で、そんな回想を浮かべている俺はと言うと現在高宮家の訓練施設にいる。
「お前は本当に童を守る気があるのか! そんな偏屈な攻撃では童もお前も死んでしまうぞ」
「そんなことわかってるわ。自分の身は自分で守るっていったお前こそどんだけ攻撃されてるんだよ」
訓練が始まって1時間、先ほどから真奈と2人でこの罵りあいをしている。
「お主なんかもう十発以上当たってるではないか。このへたれSP」
「真奈は20発以上だろう。このなんちゃってお嬢様」
そういいながら俺と真奈は2人で睨み合っている
何故こんなことになっているかというと、現在は真奈と2人で対感染者用の訓練を行っている最中なのである。
この部屋は実際の戦闘を目的とした部屋で、壁が迷路のように入り組んでいる部屋である。
そのため、対戦するSPとはいきなりはち合わせることもあるため、危機察知能力の向上や、チーム戦での行動に非常に的していると真奈は自慢げに話していた。
ちなみにこの後美雪もこっちに来て3人で訓練をすることになっている。
「雄二の阿呆。そちらには敵がいると……ほらまた攻撃をもらった」
現在俺と真奈の体は他のSPが放ったペイント弾のせいで体中赤や青や黄色の色が貼り付けられている。
これが本当の戦闘なら俺達は何度死んでいるのだろうか。
「大体60対2って無茶あるだろう。しかも相手は訓練されたSP相手ってどういうことだよ」
「お主は馬鹿か。感染者が街中であふれかえったら60で済むわけなかろう。たった60人のSPを無傷で倒せんでどうするのじゃ」
それを言われると俺は何も言えない。
今の彼女に感染者の特徴を言ったのは俺だ。
それで、生き残るための特訓と称してこのSP60人戦を行ってる。
「だからって訓練されたSPに対して半径3M以内に入ったら攻撃されるってきつくないか?」
「馬鹿者お主が3M切ったら危険範囲と言ったのであろう。文句ばっかり言っておらんできびきびとやらんか」
真奈は俺を叱咤した後、再び訓練に戻る。
果たして俺達はこの戦いに勝てるのかな。
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