高宮邸
屋敷に着くと1人のさえない風貌の執事が門の前に立っていた。
「お嬢様!!ご無事でしたか。本当に心配したんですよ。迎えの車がきたらお嬢様がいらっしゃらないのですから」
「門脇、心配掛けたな。童は大丈夫じゃ」
「よかったです……そちらの方達は?」
門脇という男は俺らを見て首をかしげている。
まぁ無理もないな。
お呼びではないのだから。
「これ、何て目をしているおじゃ。彼女達は童を助けてくれた恩人じゃ! 丁重に扱うのじゃ」
「はい。かしこまりました」
この執事さん微妙に気の毒だと思うのは俺だけかな?
「とりあえず2人を応接室へ。童は着替えに行く。」
高宮真奈はそう言うと俺等とは別の部屋へと向かった。
「はい。それでは、お二方はこちらへいらっしゃってください」
そういわれ、俺と美雪は応接室へと通された。
「雄二、ちょっと高宮真奈ってあんな子供だったの?」
応接室に着くなり、美雪は俺にそう質問してきた。
「そうだよ。確か年齢的に沙耶とあまり変わらなかった気がするな」
応接室に鎮座していたソファーに座り、俺は適当に応える。
この応接室自体は華美な装飾はされていなく、ソファーとテーブルが置かれている簡素な作りである。
ただ、床は絨毯が引かれていたり、壁にも絵画が飾られていたりと、所どころに品が見られた。
「私もっと年上の女性を想像していたのだけど……あのときも床にはいたじゃない? 大人の女性の感染者が? あれだと思ったのだけれど……」
「違うよ。多分あの感染者が真奈を食い殺した感染者だよ。真奈は俺の前にいた奴だ」
確かに美雪が来た時、俺の後ろには大人の女性の感染者がいた。
多分あれに真奈はやられたのだろう。
「もっと、きれいな大人の女性だと思ったんだけどな」
「悪いがそれを本人の前で絶対いうなよ」
美雪にあらかじめ釘をさしておく。
本人も気にしているんだからな、自分の体型のことを。
そんな話をしていると応接室の扉が開いて、門脇と言う先ほどの執事が入ってくる。
「先ほどはご無礼をなことを働いてしまい、大変申しわけありません。宜しければお二方のお名前を教えて頂けませんか?」
先ほどの門脇と言う執事さんがこちらに寄ってきた。
この人はちゃんと謝罪もするし、意外といい人かもしれない。
「はい、俺は岬雄二と言います。隣の彼女は安城美雪です」
俺が挨拶をすると美雪もお辞儀をした。
「岬様に安城様ですね。先ほどの無礼はお許しください。真奈様が私室にお二方を招き入れろとのことですのでこれからご案内します」
そういうと門脇さんはゆっくりと前を歩き、高宮真奈の部屋に案内してくれた。
俺と美雪は門脇さんの後ろについて行き、高宮真奈の部屋に向かった。
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