表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第二部 第二次プルミエ侵攻
91/205

朝美とエーザス

「スパツェロ、どいてろ。あたしがやる」


そういって、朝美がエーザスに向けて投槍する。


スパツェロの兜をかすめるようにエーザスに向かって槍がまっすぐに突き進んでいくが、エーザスはかろうじて剣ではじく。


あらためて槍が飛んできた方向を見ると、自軍の兵をすり抜けて赤い髪の少女が徒手で突っ込んでくる。


瞬く間にエーザスの前に来ると、側頭部を打ち抜くように蹴りを放つ。


エーザスは奇跡的に左の盾ではじくが、軽そうな女性のそれとは思えない、体重の乗った強烈な蹴りであったこともあり、防いだ手ははじかれ、膝を付く。


すぐに、逆方向の蹴りが飛んできて、剣が弾き飛ばされエーザスは無防備になる。


朝美が腰に差していたナイフを抜いてエーザスに突き刺そうとした瞬間に、エーザスの近くにいた兵が身を挺して間に入り、ナイフはかばった兵の胸に深々とさせる。


「チッ。まだだ。逃がさねぇ」


朝美はやり損なったことに舌打ちをするが、追撃の手を休めようとしない。


「突出しすぎだよ。朝美ちゃん。一度下がって」


のぞみの指示が聞こえたため、周囲に目配せをし、やや囲まれつつあることを認めると、一度下がる。


テラガルドから槍を受け取ると、立て続けに投槍で追撃を図る。


一本、二本と投げると、その都度、エーザスの前にかばうように兵が盾となり、身代わりに倒れていく。


のぞみも投げナイフを五、六本立て続けに投げつける。


積極的にのぞみが攻撃をしかけるのは珍しいため、相手の指揮官をなんとしてでも倒したいのであろう。


(そこまで重要かつ危険なヤツなのか・・・・・・あいつは。なら逃がすわけにはいかねぇ)


朝美はそう呟くと、立て続けに槍を投げ続ける。


一本がエーザスの右肩を貫いたのは遠目で確認できたが、他の兵に引きずられるように奥へと移されてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ