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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第二部 第二次プルミエ侵攻
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初期配置

 前回の侵攻の際に敵にすり込んだ情報の一つに兵数がある。


およそ千の兵で迎撃し、会戦の後半になって、子供や女性、老人に竹槍やらを持たせて五百終結させたのだ。


ゆえに、敵は千の兵が限界だと考えている可能性が高い。


本当は三千のため、二千を伏兵として使うことは可能ではある。


できれば、相手の弓兵にこちらの騎馬三百、重装歩兵をあてたい。


弓兵は相手の牽制と遠距離攻撃に使用したいところだが、初期から人数差があるため、万が一にも兵数を減らしたくない。


したがって、急襲を受ける位置に配置できず、伏兵としての配置は難しかったため、本陣おきとする。


二百五十ずつ、計五百の弓兵を本陣の両脇に配置し、琴葉とティラドールがそれぞれ指揮することとなった。


狙撃用の櫓がそれぞれ一本ずつ立ち、物見台もかねている。


敵の正面に対して左右の森に五百ずつの重装歩兵を配置し、北側をアンダール、南側をフラハー王が担当することにした。


軽装歩兵五百がフラハー王のいる南の森にさらに配置される。


南だけやや森が深く、領域が広いのと、ヘス国に抜ける可能性、あるいはアドランデ将軍が重装歩兵を率いて別働隊として動くのであれば、北回りではなく南回りが予測されるからだ。


本陣中央にはシークンド率いる騎馬三百とスパツェロ率いる軽装歩兵が七百陣布陣する。


敵からは騎馬三百、軽装歩兵七百、弓隊五百と、千五百が視認できることとなる。


今回のポイントとしては、いかに兵力差を広げないために損害を減らすかというのがあり、軽装歩兵ではなく、重装歩兵を圧倒的な比重とした。


伏兵には重装歩兵を用いたため、万が一見越して急襲を受けても損害は軽微で済む。


これが軽装歩兵や弓兵であれば奇襲を受けた時点で壊滅は必至だ。


そのため、フラハー王とアンダールという指揮官までつけての伏兵である。


本陣に総指揮が執れるのぞみがいることが、贅沢に指揮官を使える状況を生んでいた。


これは、フラハー王対アドランデ将軍、琴葉隊対ドルディッヒ王という図式を意識したものである。


ただし、戦場にフラハー王がいないことは相手からもわかることであり、伏兵の存在に気付かれる可能性が高い。


伏兵の存在を考えないということ自体があり得ないが、無駄に確信させる必要もないため、シークンドの騎馬隊にフラハー王に似た背格好、装備をさせた影武者を目立つように配置させる。


前回は重装歩兵三百、軽装歩兵が約五百のため、重装騎兵三百、軽装歩兵七百というのは違和感を与えない兵科の変更であろう。


弓隊も同様であり、臨時徴兵と考えやすい兵科であろう。


本陣横には櫓ほど高いものではないが、三メートルくらいの高さの十メートル四方の舞台を作り、のぞみとアス老人、テラガルドが詰める。


実際の布陣は相手の出方によって変えるつもりではあったが、初期予定ではこのような配置を前提に進めていく。

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