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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第三部 ヴィータの滅亡と新たなる戦乱の兆し
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目的地到達

 およそ一時間ほど歩き、再度偵察を出す。


しかし、偵察を出す前から海岸付近からもかがり火が確認できたため、偵察には哨戒兵の存在と、湿地帯を抜けきったかどうかの確認を指示に出す。


「湿地帯は完全に抜けきってます。部隊最後尾付近がそのラインかと思います。哨戒兵はおりますが、数はいたって少数です。接敵までは十分な距離があると思われます」


「承知した。火の付近以外での哨戒兵はいそうだったか?」


「おそらくは、おりません。ただ、松明を持っていると思われる兵はいるかと思います。火が移動しているのを確認しました」


「よし。貴重な情報だ。立派な哨戒兵になれるぞ。重装騎兵がクビになったら、哨戒兵にでもなれ」


黒騎士は冗談を言い、労う。


本人も周りの兵も笑っているため、多少の緊張感はほぐれただろう。


思ったよりも皆冷静でゆとりがある。


じっと待機するような伏兵よりも、行軍中の方が気は楽だ。


動いている方が気が紛れるからだろう。





 おそらく時刻は二時少し前か。


九月中旬から下旬の日の出は五時半くらいだが、ヴィータ国は東に山々を持ち、ホルツホックの森に至るまで山は途切れることがない。


したがって、日の出は東ではなく、南東のホルツホックの森あたりから白くなり始める。


六時ちょうどくらいが実質的な夜明けだ。


少なくとも三時間以上の時間が残されている。


王城に行ったことのある兵を数名呼び、王城の位置と城下町の位置などを再度詳しく聞く。


蒼い月が照らす、かすかな月明かりの中で、海岸の砂に絵を描き、聞き取りをしながら、より精度を高めていく。


事前に地図で得ていた情報と頭の中で照合し、補完する。


「城下町と王城の位置関係、海岸からの距離、王城の裏側、この三点を知りたい。誰かわかるものはいるか?」


黒騎士からの問いに対し、周囲の兵が口々に知っていることを述べていく。


「整理すると、海岸からはわずか五キロほど、城下町の中心というよりも大幅に海岸よりに位置。王城の裏側は不明だが、基本的には円柱状の塔のような形状のため、王城自体に裏表のような明確な形状の区分はない、と。そういうことで良いな?」


黒騎士がまとめると、一同がそれぞれ頷く。


「北の海は大型の魔獣が生息し、航海不能ということだが、間違いないか?」


「はい。間違いありません。海岸からも視認できるくらいで、海に出る馬鹿はおりません」


海岸から視認できるほどということは、たまに出現するというよりも、完全に住処になっているということだろう。


(だから、海からの敵襲はないと考え、海岸に近いところに立地しているということか。王城も元は灯台だったのを改造したのかも知れないな・・・・・・)


黒騎士は最終確認を済ませ、今後の四時間の行動を決定する。





「よし。それでは、このまま海岸沿いを北上する。速歩で一時間行軍する。行くぞ」


徒歩ではなく、速歩を選択し、海岸沿いを北上、一時間して、徒歩に切り替える。


それから斥候を出し、完全に城下町の明かりが見えたところで再度、速歩に切り替える。


城下町が右手に見えたところで目的達成をを確信した。


おそらくは時間として四時半くらいだろう。


日の出まで約一時間以上ありここからは微調整だ。


馬を一時間走らせれば、城下町に到達するため、いつでも任務達成は可能だ。


敵は南方からの襲撃しか予想していないため、土塁や塹壕などもそちら向きだ。


城下町側からは完全に無効であるため、城下町と平野の境目あたりに割って入れば、全て迎撃準備を無効化できる。


今は完全に側面からその境目に入り込める位置まで来ている。

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