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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第一部 第一次プルミエ侵攻
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今回の目的と夜

 再び、五人が揃うと、最終ミーティングを行なった。


ヤマネコ型の魔獣と、戦闘跡地での魔獣のことを共有し、死体の処理についても報告する。


明日は日が昇った後、今回の作戦における本当の活動拠点であるホルツホック国へと向かうこととなった。


まぁ、実態はあってないような国であり、規模としても村のようなものである。


しかし、今回の哨戒業務はこの国を中心としており、小規模ながら、カンナグァ連邦の西の要と言える国であった。


琴葉達一行は、カンナグァ連邦の東側の中心国であり、琴葉達の出身地でもあるニーベンストランド国にあるエムエール市より派遣され、今回の侵攻の兆しが本物であるか確認の上、事実であれば防衛戦に協力することになっていたのだった。


エムエールは大陸東端に位置する港町でもあり、カンナグァ連邦で最も人口が多いと思われるニーベンストランドの都市であるが、ここで連邦全体の意思が決定される会議がなされることが多い。いわば、集会所的な都市である。


ニーベンストランド自体も、他のカンナグァ連邦より様々な人が集まり、士官学校や商業施設を共通して利用しており、唯一情報が集中される特別な国家である。


そこからの紹介、派兵ということもあって、かなりの権限を得ていた。


最終的な判断は直接当事者となるホルツホック国になるのか、エムエール国になるのかはわからないが、とりあえず拠点に戻ることにしたのであった。





 その夜、徹夜番で琴葉とテラガルドが焚き火の前でずっと会話しているのを聞いて、しばらくは眠れなかったのだが、さすがに走り回っていたのぞみは途中から深い眠りに入っていった。


続くように朝美も寝入ったが、普段寝ずの番をするアスは寝付けなかったようであった。





「でね、失礼にも、私のことを胸が小さめな美少女とか言うんだよ!ひどいと思わない?」


という琴葉の言葉が聞こえてきたが、のぞみと朝美は二人で枕を並べ、「美少女とは一言も言ってなかったよな」とか、「小さめとも言ってないよね」などのツッコミを入れてたりしていたら、寝れなかったのだ。


テラガルドはそんな琴葉の言葉を真に受けているのかどうかはわからないが、丁寧に同調しながら会話をしていくところに懐の深さを感じさせた。


「そうそう、相手は平野部や水源を確保したがってると思うんだけど、なんでかわかる? 教えてあげよっか?」


という琴葉の言葉を聞いて、布団を口に当てながら必死に笑いを堪えるのぞみと口をあんぐりとさせる朝美であったが、琴葉の偉そうな講釈が終わると、


「さすがは琴葉さんですね。鋭い考察です」


と、テラガルドが持ち上げるのを聞き、さらに笑いを堪えるのを必死になっていたのだった。


そんな朝美とのぞみ、琴葉をアス老人は微笑ましく感じていたのだった。

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