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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第三部 ヴィータの滅亡と新たなる戦乱の兆し
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エイザム士官学校

 エイザム士官学校は、専攻を示す兵科と、入学年で学籍番号が管理され、要人の多くはここから輩出される。


原則三年制であるが、複数の科を学びたい学生も多く、長期滞在者も多い。


一年目は一般教養として、幅広く勉強する。


二年目から専科に分かれる。


合計三年経つと卒業なのだが、再入学、編入として、他の科に二年目から入り直すことが可能となっている。


なお、「魔法科」はあるが、魔法科以外の学生の方が魔法ができることも多く、才能がないものは強制転科され、他の専攻に移されることもある。


本当に魔法ができるものは、魔法科に通わず、初~中級のものが選ぶ傾向が強い。


憧れで入ったものはだいたいが強制転科となるため、いかに才能に依存しているかがわかる。


フラハー王、シークンド、琴葉、のぞみ、朝美は全員卒業生である。


琴葉達とは時期がずれるが、アス老人は軍を退役し、ここで戦略論の講義を数年、非常勤講師として勤務していた。


それも退職し、定年後の生活を送っていたところ、今回の特派に指名されたのだ。


テラガルドは用務員として現在も勤務しているが、輜重隊として各地の任務に追従することが多い。


アス老人の指名で今回特派に加わった。


のぞみは特待生として指揮官養成コースでもある「士官科」、琴葉は「魔法科」を志望したが、事情があって強制転科となり、「衛生科」という本来ならば一度他の科を卒業しないと入れない特殊科に転科している。


本来ならば、「士官科」も一度「兵卒科」を卒業しないと入れないのだが、家柄と特待生という枠で特別入学を果たしている。


なお、フラハー王、シークンド、朝美は一般的な兵が入る「兵卒科」であり、フラハー王、シークンドはともに「士官科」も出ている。


のぞみ、琴葉、朝美の三人はエイザム士官学校の歴史の中でも上位に属する能力の持ち主であり、近年まれに見る当たり年と言われたのだが、約二名の問題行動があまりにも目に余り、最厄の世代とも言われた。


反省文の提出を求められた回数が歴代一位と二位を記録し、実際に書いて提出したと思われる人物は同一のため、間違いなく書いた数は一位だろう。


三人は在学中にもかかわらず、各地の任務に赴き、様々なミッションをこなしてきており、十分な実績を積んでの今回の特派であった。


在学中は使者や護衛、調査、哨戒業務、魔獣討伐などが多かったが、今回のような国家規模のものは初めてである。


本来であれば、同じく卒業生の先輩にあたる人物が任命される予定だったのだが、一年半前に要人警護の任に就任し、任務はかろうじて達成。


しかし二名がMIA、作戦行動中行方不明として死亡扱いとなり、その点が会議で議題に上がったため、のぞみに白羽の矢が立てられることになったのだ。


琴葉達とは在学期間が一年だけ被り、顔と名前を知っているだけに、MIAがショックだったのを覚えている。


生き残ったメンバーはどこにいるのかもわからないが、何かの任務に就いているのだろう。

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