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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第三部 ヴィータの滅亡と新たなる戦乱の兆し
134/205

第二次プルミエ侵攻の被害

 第二次プルミエ侵攻も圧倒的な勝利をおさめたカンナグァ連邦であった。


戦後処理をしながら、カンナグァ連邦の各国に動きが出る。





 まずは今回の侵攻におけるオージュス連合の被害であるが、戦場である平野に侵攻した部隊はほぼ壊滅である。


侵入前のホルツホックの森で約六百の兵が往路で命を落とすことになる。


戦闘の軽装歩兵三百とヴィータ国の弓兵三百である。


ついで、夜襲で軽装歩兵四百を失う。


結果、決戦地に辿り着くまでに千の兵を失った。


そして、戦場に辿り着いて兵も、ほぼ全数を失うことになる。


完全に四方を覆い、包囲殲滅を図ったからだ。


重装歩兵五百、軽装騎兵百、輜重隊百、工兵百、弓兵三百、近衛兵二百、ヴィータ国弓兵千七百、合計三千の兵が討ち死にすることになる。


なかには、ドルディッヒ王、近衛兵団団長アールッシュも含まれる。


ただし、ドルディッヒ王の死については疑問が残る。


全身から血を吹き出していたため、何らかの血液凝固不全などを起こすような毒が疑われた。


これは死因として間違いないだろうとのことだ。


さすがに、プルミエ国の携帯食や水全てを検証することはできなかったが、近衛兵長のアールッシュが丸薬を半分持っていたため、そちらだけは検証を実施した。


なぜ、半分だけ持っていたのかはわからないが、それを捕虜となった敵兵に飲ませたところ、命に別状はなく、ちょっと便秘になったようだったので、おそらくは下痢止めや腹痛防止薬の類いだと推測された。


森への侵入や、戦場では緊張状態や不衛生、ストレスなど様々な要因で腹を壊すものは多く出る。


常備薬として持っていたのではないか、そして、すでに半分は自身が服用したのではないかという結論に達した。


少なくとも、王の毒死とは関係がないものと処理された。


自身の名誉のための服毒死が濃厚となったが、時間を考えると若干懐疑的ではあったものの、結局は自殺とされた。

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