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カンナグァ戦記  作者: 樹 琴葉
第一部 第一次プルミエ侵攻
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魔法や情報

 情報は大事である。


小規模であっても、先の兵士達との戦闘でも、情報が大きな命運を分けたことは言うまでもない。


予め、三人だとわかっていたら、待ち伏せがあるとわかっていたら、魔法が使える相手だとわかっていたら・・・・・・。


まぁ、おそらく結果は変わらなかったかも知れないが、少なくとも過程は異なっていただろう。


着火する現場さえ見られなければ、琴葉に火の魔法が使えることはバレないだろうが、必要以上に火の「創」魔法が使えることは大っぴらにすべきでない貴重な情報だ。


慎重になるのも当然至極のことといえる。


こういった情報の秘匿こそが生き延びる術であることをこの国の住民は知っている。





 魔法は絶対的な能力ではない。


相手が水を操れようが、遠くから弓矢で射れば関係ない。


それは火に対しても同じである。


先にも述べたように、どっかのゲームでもあるまいし、大局をひっくり返すような便利なものではない。


ちょっとしただまし討ちのような、初見殺しみたいなものだ。


同様に、なにかしらチートなスキルもない。


アクションなどにおいても、重力や筋力を無視したような行動、二メートル近くジャンプしたり、百キロ近い大剣を軽々振り回すこともできない。


ましてや、武器のリーチ以上に分厚いものを切断することもできないのだ。


数百度の火を浴びれば、死ぬのは人間である以上は平等に訪れる事象。


逆を言うと、手だけに限らずだが、触れさえすれば必死である。


火に関してだけ言えば、直接燃やせるのだから。


状況が大事であり、使い方によっては絶対となるが、限定された状況ゆえに、魔法に頼って生き延びていけるほど甘くはない。


従って、魔法は使えない前提で生存戦略を練る。


琴葉は戦闘要員であり、火の魔法を使う以外では、遠距離の弓と、近距離の薙刀をメインの武器としている。


のぞみは準戦闘要員であり、主に作戦の立案や行動指針の決定と頭脳労働がメインであるが、水の魔法を使う以外はナイフを投擲として使用する。


それ以外では、水の魔法を使用した衛生要因でもあるが、一般で言う「治療魔法」のような便利なものではなく、あくまでも水を操ることでできる範囲に限定されるため、止血や催吐など、用途が限られる。


また、罠を張ったりすることも多く用いるが、今回の戦闘では使用していない。


自国の森で罠を張ると、味方が引っかかる可能性があるのと、あとで解除して回る手間があったためである。

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