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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
留学編
62/63

エメレシア学園にて

竜騎士を育成する教育機関、エメレシア学園。


広大な敷地の中には、美しく庭園が広がり楽園の様であった。


歴史を感じさせる建物がいくつもの並び、その中でも1番目立つのが何を隠そう城を思い浮かばせるこの校舎だ。


誠実を思わせる白で統一され、まさに宮殿の様だった。


これが学園だなんてとても思えないことだろう。


校舎の中には、竜騎士を目指す生徒で溢れていた。


様々な話題が飛び交い、騒がしい中


大理石で出来た廊下を一人の女性が歩くと、周りの空気が一変する。


「見ろ、アレン会長だ。」


「ああ、アレンお姉様……」


ひときは異彩を放つ少女。


エメレシア学園生徒会長アレン・バーンロッド・パルメール。


この学園の校長の孫娘である。


蒼穹を思わせる青色の瞳、男を寄せ付けない凛とした姿で長く伸びた金色のきめ細やかな髪をポニーテルにまとめている。


美しいの一言では表せない。


そして、何を隠そう彼女は生徒会長。つまり、この学園で1番強いということになる。


彼女に送られる目線は、憧れ、嫉妬など様々が飛び交うが本人はそんなこと気にもしない。


「会長、そろそろ会議のお時間ですが。」


「あら、そう。内容は確か……」


「はい、交換留学についてです。」


エメレシア学園でも、交換留学の事は話題になっていた。


去年のニュークリア学園から送られてきた生徒。確か、エイリッヒとか言ったかしら。


去年の交換留学際にアレンとエイリッヒとは激戦を繰り返した。


彼女は本当に強かった。竜というハンデがありながらも互角の勝負を繰り広げた。


直接対決なら負けていたに違いない。


ニュークリア学園の生徒は強い。そんな噂が流れていた。


アレンも強い生徒と戦えることで自信を磨くことができると楽しみにしていたが祖父であるバリーが突然方向転換をし始めたのだ。


アレンを始めとした、生徒会や教職員が反対したが、ある一言で状況は一変した。


それを聞いた時は、納得せざるをえなかった。


白竜王(エルドラ)様が、お見えになったそうです。そろそろ、出迎えの準備を」


「ええ、ありがとう。マリッジ。」


マリッジの呼ばれた女性は「それでは」といい、次の授業のために教室へ戻っていく。


一人になった、アレンは静かになった廊下を歩きながらこんな事を考えていた。


「はぁ、なんで私が落ちこぼれ相手にわざわざお迎えに行かなくてはいけないのかしら。」


重鎮ならともかく、今回選ばれた向こうの生徒は平民。そして、落ちこぼれ。


相当な問題児らしく、資料を読んだ時は目を疑った。


全員が驚愕していたし、何よりあの凶暴そうな目つきが悪人臭を漂わせていた。


確か、名前が鬼神カズトだったかしら。


ここら辺では全く聞かない名字だ。日ノ本あたりの出身だろうか。


とにかく、なんでお爺様はわざわざ白竜王様を迎えに行かせたのかしら。


たかが、落ちこぼれなんかのために。


相変わらず読めない人だわと呆れていると


「うわぁぁぁぁあ!!」


突然の悲鳴。


刹那


ガッシャンガラガーン!!


窓ガラスがつきやぶられると


「きゃ!?」


黒い影が、アレンにぶつかりそのまま押し倒され、頭を強く打ってしまいそのまま気絶してしまった。


















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